表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/53

19.レッグブースター

平賀組を力でねじふせる…仲間にするお話。

「さぁこいよ」

 とスバル、〈SDX〉とそのまわりには平賀組のBAが数十機。


「どうした、来ないのか?なんなら全員で来てもいいんだぜ!!」

 スバルは、機体の外部スピーカーに繋がるマイクに向けて言葉を叩きつける。


「親父、俺がやる!」

 機体を一歩前へ進めたのは平賀秀一が操縦する〈怪力丸〉だった。


「どっからでも、かかってきな」

 余裕のあらわれなのかスバルは〈SDX〉でファイティングポーズをとり、その場でボクサーのように軽いジャブをくりだす。


「ニトロを使われると厄介だが、地上戦ならニトロは使いにくいはずだ、無理やり地上戦に持ち込む」


〈怪力丸〉は腰についたビームナイフを抜き、前に向けて走り出す。スバルはブースターを起動させ今にも飛び上がろうとするが

〈怪力丸〉は〈SDX〉の少し上を狙い肩部についたレザーを放出する。


「飛ばせない!」

「地上戦なら勝てるってかなめられたもんだ」

〈怪力丸〉はそのままスピードを上げ〈SDX〉に斬りかかろうとする。

 その時だ〈SDX〉の左足側面から火が吹き出る












 海上にはチームrisingの機体が三機、飛行中であった。

「…こちら雷瞬、本部へ報告、ただいまチームrisingはデロイト地方に向け飛行中、あと数分で到着

到着後は近くの街で一泊したのち平賀組の本拠地へ向かう…」


「…了解、次回の連絡は目的地到着のときにお願いします…」


「…了解!…」

「リーダー、陸だ、新大陸発見だぁ、ついにやったぞおー」

 とビルは精一杯ボケてみるが

「そうだな」っと雷瞬に軽く流される、オルガノはリーダーにボケは通用しないわよと思いながら自機のなかで笑っていた。

 そして雷瞬はさっきのボケがまるでなかったかのように喋りだす。

「オルガノ、ここから一番近くの街を調べてくれ」


「えぇっーと……」

 そう言いながら、機内の後ろに手をのばし地図をとる。地図と言っても紙ではなく、小さな電子辞書のような形のものだ。


「一番近いのはグロズニーね、ここによらないと次は…ルノーアまで一泊できるような街はないわ」


「よし、グロズニーに行こう」

「了解!」

「イエッサー!」










「もう終わりかい?」

「強い!」

 秀一は倒れていく機体の中で言う、〈SDX〉を見て力の差を実感しながら。


「すっすごい!」

 平賀組のリーはそんな言葉を口にする、おそらくその場にいた誰もがそう思ったであろう。


「着地ブースターか、なんてやろうじゃ!ニトロばかり使っておるから、空中戦主体の機体じゃと思っておったが」

 みな、スバルの実力に度肝を抜かれたに違いなかった。



「カー君!」

 周りの

「着地ブースター」という声に反応してリーマンはカーチェスの名を呼ぶ。

「何ですか」


「着地ブースターってなんだ?」

「レッグブースターのことです」

 と当たり前のように答えるカーチェス。


「レッグブースター…

で、なんなんだそれ?」


「足の側面、爪先、踵についているブースターのことです、足の裏に作動スイッチがついていて、機体の着地と同時に発動するので、着地ブースターって呼ばれてます、足ニトロなんて言う人もいますが…」


「すごいのか、それ?」


「すごいもなにも、たぶんスバルさんぐらいしか使ってない機能ですよ、たぶん」


「なぜスバルンしか使わんのだ」


「他の人は使えないんですよ、操作が難しくて」

 とカーチェスはいうがそのすごさがリーマンに届いてないのではと思い、話を続ける。


「レッグブースターは両足裏に3つずつスイッチがあって、重量のかけぐあいでブースター出力、着地時の足裏、接地面の違いでどのブースターが作動するかが変わります」


「なるほど、つまり?」

「えっ…つまり…

右足の土踏まずあたりで着地すると右足の左側面からブースターが放出

爪先あたりで着地すると踵からブースターが放出されます」


「踵あたりで着地すると爪先からブースターが放出される」

「そう言うことです」


「だが、そんなことしたら機体が倒れるだろ!」

「だからスバルさん、しか使えないんですよ!!

スバルさんいわく

ニトロの3.5倍操作が難しいらしいです」


「やっぱスバルンってすごいんだな」

「そうです、すごいです」




「さぁ次こいよ」

 またスバルはファイティングポーズをとる。

「いや、もういい、わしらは小僧、貴様の傘下に入ってやる」

 スバルは機体から飛び降り大きな声で言う。

「ほんとにいいのかい?俺はいくらでも戦えるぜ」


 すると電蔵も機体から降りる。

「ああ」


「親父、いいのか」

秀一も駆け寄る。

「秀一、お前が一番わかったじゃろう、こやつの実力が」


「正直…平賀組全員でかかっても勝てない、そう思った」

「そう言うことだ、月咲スバル」


「仲間になるでいいだな」

「うむ」


「よし、じゃあさっそくだが行こう」

「おい、guardianと戦うんじゃないのか」

 秀一はスバルの口から出た予想外の言葉に驚いた顔をする。


「無駄な戦闘は避けたい、めんどくさいし」


「それはかまわんが、行くというのは、どこにいくんじゃ、普通の場所なら逃げたとてすぐに見つかるのが落ちじゃろ」


「大丈夫、軍にいたときに見つけた、いい場所があってな、あそこなら敵に見つかりにくいし、見つかっても戦闘になりにくい」


「そんな場所が…」

「あるんだよ、とりあえず軍の奴らが来る前にここを出たいから、準備をしてくれないか、できれば今日中に…」


「んむ、わかった…リー、皆に伝えよ」

「了解」




「スバルさん、上手くいきましたね」

 カーチェスは駆け寄ってきていう。

「ああ」

「つくづく、スバルンという男は、恐ろしいな、いっきに数百人近くも仲間を増やすなんて」

 カーチェスにつづいて歩きながら話すリーマン。

「もしかして、国反所を攻める前から、こうなることがわかってたんじゃ…」


「なに、たまたまだ」

とスバルは軽く笑う。

太陽は沈みかけていた。





こここまで読んでいただきありがとうございます。次話もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ