全ての始まり
「お前とはもう婚約破棄だ!ミラに行った数々の罪、命を持って償え!!」
アンドレアは驚きの表情を隠せなくしていた。
「わ、私は何もっ…!」
「言い訳なんて見苦しいぞ!!証拠は揃っている。」
その場にへたり込むアンドレアを、第二王子のルイス・ダーディアナ・サファリナは冷たい目線で見降ろした。
「そこのお前、こいつをつまみ出せ!」
ルイスの一言で数人の騎士が動いた。
「や、やめて!放して!」
こうして私は連れていかれた。
_どうしてこうなってしまったの
そんなことを考えているうちに断罪の日がやってきた。だが、何が悪かったかなんて、いくら考えてもわからなかった。疲れてしまった。もう、いいわ。
騎士によって私は処刑台に連れていかれる。ルイスの冷ややかな視線を見つけた。なんでそんな視線を向けるの?
頬に一筋の涙が流れるのを感じた。
_ズシャン
鈍い音があたりに響いた。
そこで私の意識は途切れた。
♢♢♢
私はイーサン公爵の令嬢で、第二王子ルイス・ダーディアナ・サファリナ王子は婚約者だった。
だが、ミラという平民の少女が伯爵の隠し子だったことが発覚し、大きく状況が変わった。
その頃から第二王子はミラに好意を抱くようになった。
それは何ともわかりやすいものだった。そして、私に対しての対応が酷く冷たくなった。
_そこからが私の地獄の始まりだった。
学園ではミラによる陰湿ないじめが続いた。
最初は無視したりするだけだったが、次第にエスカレートし、私の持ち物を盗まれたり、陰で事実無根の噂話を流されたり、わざと転ばされたりなどした。
そこに私のプライドなんて残っていなかった。
そして第二王子の主催する誕生日パーティーに招かれた私はこれまでのいじめから嫌なな予感がした。しかし、王子ということもあり断ることもできず仕方なく行くことにした。
_私の予感は当たってしまった
「今日は私の誕生日パーティーに来てくれて感謝する。存分に楽しんでくれ!それと今日は大事な発表がある。おい、あれを持ってこい」
王子がそういうと、付き人が積まれた多くの書類らしきものを持ってきた。
「見るがよい!これらのものは全てアンドレラがミラにしてきたいじめの正真正銘の証拠だ!」
会場はざわついた。
「嘘…そんなはずない…!」
何を言っているの!?この人は…。いじめを受けていたのは私なのに…。このことは学園のみんなが知っていることなのに…。
だが、辺りを見回すと学園の生徒はみんな目を背けていた。
「お前とはもう婚約破棄だ!ミラに行った数々の罪、命を持って償え!!」
というのが一連の流れだ。
なんで…なんで…!どうして…!?どうして私は殺されなきゃいけなかったの…?
もしも来世があるのなら…どうか神様、私に復讐する機会をください…。
「それならば、そなたにもう一度機会を渡そう」
どこからか声が聞こえた気がした。