奥地で発見!!
一週間、風魔法を鍛えることで、Bランクへと至った。そして、今は中間地点を探索中である。
「暗ぁいよ~」
「そんな風に言わないで!」
さっきから僕は、ひそひそ声でユズリアをからかっていた。
『おい、う・し・ろ』
ノアにそう言われて、振り返ると、白骨の黒いローブを着た幽霊がいた。
「わあお」
「きゃああああああ」
僕はたいして怖がらなかったが、ユズリアが涙目で走っていった。しょうがないと、僕は後に着いていった。
◇
『お~い、こっちにこい』
ユズリアに追い付いて、唐突にそんな言葉が僕達にかけられた。
「いく?」
「………ん……」
消えそうな声でユズリアは言った。
彼女を背負って、声が聞こえた方へ歩いて行くと、洞窟があった。入っていくと奥に輝く宝玉があった。
『そう、それよ、それなのよ。お前に取り込んで欲しいの、そのスキルオーブをよぉ』
男の声は、懇願するするようにそう言った。
スキルオーブというのは、スキルを獲得するための手段の一つである。スキルオーブは誰にでも取り込むことができ、ランクはそのスキルからである。
「えーっと。なんで?」
当然、疑問に思うのだが、
『俺ぇ、異世界人なんだ。俺のスキルを使ってくれそうな奴、ずっと探していたところを、偶然お前さんを見つけた、っつーところなんだよ。それに、表も裏もねえ。しかもその歳で、ここに来てるなんて、なんか訳ありなんだろ。俺も背負ってやりたくてよぉ』
男の声に嘘は混じってない。これで混じっていたら、むしろ褒め言葉を投げるほどの話術だ。
「わかりましたよ」
俺はユズリアを降ろし、スキルオーブを取って、取り込んだ。
◇
取り込んでから一週間、スキルの確認をしていた。獲得したスキルは、
「時間魔法・B」「召喚魔法・A」「結界魔法・A」「干渉魔法・A」「複合魔法・B」「??魔法・?」「時空の加護」「世界の加護」「能力昇華」「物質創造」「効果設定」
と言う、やばいスキルだらけだった。
時間魔法は、文字通りの時間の魔法だ。加速や遅速など時間に関する魔法ばかりだが、欠点は詠唱が途方もなく、長ったらしい事。詠唱短縮っていうスキルを獲得したいところだ。
召喚魔法は、異界から生物を呼び出したりする魔法。こちらも詠唱が長い。
結界魔法や干渉魔法は、獲得した魔法スキルの中で、詠唱が短い魔法で、もっともランクが上がった場合に、伸びしろがあるスキルである。
複合魔法は、魔法と魔法を組み合わせる事で、新たな魔法を創りだす魔法だ。代わりに詠唱が長くなる。
??魔法は知らん。
他のランク無しスキルについては、どんなスキルかさえ知らない。いや、名称でなんとなく分かるけども。
というわけで、絶賛修行中である。
スキル解説
世界樹の加護とは
世界樹の加護を示すスキル。スキルのランクが上がりやすくなる。魔力に関するスキルが、獲得しやすくなる等々、様々な効果がある。