第1章 始まりの交差 -3-
2007/03/20/1700
冬雪視点
菅原家
聖愛は東京駅にあるダンジョンで宝探しがしたいそうだ。
ダンジョンとは世界各地にある希少なものが手に入る場所らしい。
今回はその聖遺物が目的ではなく、聖愛の持ってきている魔導書のページを埋めるために行きたいそうだ。
ダンジョンに入ることができるのは16歳以上か許可された者だけらしい。
とりあえず、ダンジョン入り口まで行ってみようということになった。
「いっしょに行くとなると空をとんで行けないですね」
「なんかごめん…」
「いいのです。
聖愛のきめたことなのです」
「電車で行こうか。
うちからなら30分くらいで着くはず。
ちょっとパソコンで調べてみる」
聖愛は電車に乗ったことがないらしい。
なかなかの箱入り娘だ。
家と幼稚園の間には、魔法陣があるので車にもあまりのらないそうだ。
「うちから最寄り駅まで10分、その後電車で5分くらい、そこから山手線に乗り換えて15分だって」
「むしろ早くつきそうなのです」
ただお金がかかるんだよね。
中学生で、働いているわけでもない僕の収入は、おこづかいとお年玉のみだ。
子供料金×2なので大人1人分だが、500円くらいする。
うーん…まあ、必要経費だよね。
助けてもらった恩返しがしたいという気持ちはある。
でも、500円ってジャ○プ買える…
「明日にしよう。
もう遅いし、家の人にばれるんじゃない?」
「じゃああしたまた会うのです!
いっしょに行くのです!
約束ですよ?」