眺めのいい牢獄。(G君部屋の男のその後。)
アパートをゴミ屋敷ならぬゴミ部屋にした男。
他人ならほっとけばイイんですが弟となると放っても置けません。
糖尿病で身の回りのコトが満足にできないというかする気力がどうも
失せてしまってきたようで・・
一度は業者さんにキレイにして貰ったそうですが
まあ元の木阿弥というか・・G君天国な部屋と成り果てました。
本人は入院して足の指一本とお別れしました。
なので部屋の後始末がコチラに掛かってきました。
専業主婦でもヒマなわけじゃあないんだけどねぇ・・
ヤモメな長兄が引き取ってくれてホッとしてたらちょっと暫く預かってくれと。
何かと思えば胃ガンのチッコイのができたから摘まんで取るのだそうで・・
入院するんじゃあ断れません。
納戸モドキな部屋に放り込みましたね。
無事に兄の元に帰ったと思ったら今度は弟のほうが入院だと言います。
糖尿病の検査入院に行ったらなんと『結核』だったそうです。
転院先は東横線日吉駅からバスで五分の丘の上でした。
六階の隔離病棟でしたが丘の上なせいで眺めが最高でしたよ。
周りに高い建物が無いと空が広いです。
一番近い高層ビル群は武蔵小杉駅の周辺ですね。
遠くに新宿とかの高層ビル群まで見えます。
外国人の方が東京ってどこまでなんだ? と聞いたそうですが
まあ無理ないですね。
でも窓は開きません。
隔離病棟ですから・・でもなぜか網戸が付いてました。? 。
病棟は二重ドアでマスクをしないと見舞客は入れてもらえません。
マスクはお医者さんがするような本格的な物でした。
1枚200円。もちろん使い捨てです。
最初の一週間は病室からも出してもらえませんでした。
個室でシャワー、トイレ、洗面台付きでした。
ワンルームマンション風ですね。
入院が長くなるに従って二人部屋、四人部屋と移動しました。
一ヶ月くらいと最初は言われましたが結局二ヶ月かかりました。
入院費用のほとんどは公費で払っていただきました。
『結核』はそういう病気です。
足の指の切除の入院には一ヶ月当たり10万円くらいかかりましたが
今回は1万円にも届きませんでした。
弟が退院したら役所から連絡がきました。
患者に接触した人は感染していないか検査するそうです。
結局家族の中で私だけが感染してました。なしてぇ~~? 。
半年間発症を抑える薬を飲むことになりましたが診察の結果がねぇ・・
私も「糖尿病」だそうです。
予備軍だと言われてからずっと色々気をつけてたんですけどね。
私だけ感染してたのはコレのせいかもしれません。
弟がドコで『結核』を拾ったのか不思議でした。
糖尿病の検査をしてくれた先生に弟がマンガ喫茶に入り浸っていたと話したら
あぁぁ~~・・となんだか納得した顔をしました。
大森・蒲田辺りのマンガ喫茶の利用者が『結核』の患者としてくることが
時々あるんだそうです。
まあ、劇場とか映画館なんかと違って狭くて閉鎖空間に近いでしょうから
ソコに菌がいたなら感染しやすいでしょうね。
ましてや糖尿病患者はそういう病気に感染しやすいとか。
マンガ喫茶が結核菌の巣窟だとか言う気はありませんよ。
営業妨害したいわけでもないですし。
そういう病気の感染リスクはどこにでも転がってますからね。
糖尿病患者の方は気を付けないとイケナイってだけの話です。
病室のカーテンを弟はほとんど閉めてました。
開けられない眺めのイイ窓はかえって気が滅入ってくるそうです。
看護師さん達はやさしくて美人が多かったです。
もっとも常にマスクをしてるので魅力は多少阻害されてましたけどね。
眺めが良くても空が広くても看護師さんが美人でも二度目は遠慮したいです。
たとえ入院費用が公費もちでお安くなっててもね。