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三節 同時に出た

 横須賀基地での実験を終え、僕は鎌倉の自宅に戻っていた。

 日常生活ができない僕の世話をするために、自衛隊から隊員が二人派遣されていた。安井秀隆やすいひでたか一等陸尉と小野美紀おのみき一等陸尉の二人だ。それぞれヒデさんとミキさんと呼ぶこととした。

 彼らの役割は大きく二つで、一つは敵が出現した時に自衛隊本部との連絡をするため。もう一つは前述した通り僕の生活のサポートだ。掃除洗濯食事の用意その他諸々、彼らがサポートをする。要するに、僕には常に万全の状態で仕事に臨んで欲しいということらしかった。ここからは勝手な推測だが、僕が妙な気を起こさないように監視するという意味合いもあっただろう。


 あの日横須賀で僕がやった”悪戯”は、自衛隊及び政府に大変大きなショックを与えてしまったらしかった。

 大量の爆薬でも傷一つ付かず、重機を使って運び入れた装甲板を片手で握り潰されたことで、自衛隊は敵に対する認識を改めたらしい。そして同時に、僕に対する認識も変わった。

 もしも変身した僕……『蜥蜴リザード』が暴れたらどうなるか、想像したのだろう。この世のありとあらゆる兵器、それこそ核兵器を持ち出したとしても倒せない圧倒的な力に対して、人類は為す術がない、無力だった。

 たった三メートル強の怪物に、日本が、そして世界が壊される未来を想像してしまった自衛隊が取った行動は、僕の機嫌を損ねないよう慎重になることだった。


 その一環として、とにかく僕の希望通りに物事を進めることとなった。その一つが自宅で生活したいという要望だった。楓や母さんと再び離れてしまうことにはなってしまったが、神様に提示された条件がわからない以上、生まれ育った街を最後まで守り通したいと考えたのだ。

 自衛隊もこれに反対は示さず、こうしてヒデさんとミキさんを生活のサポートに寄越してくれた。ただし、腕がこうなってしまい外には出られないので、僕は家に引きこもることになってしまった。こればかりはしょうがないと思っているので、大人しく自衛隊の言う通りにした。

 食材や日用品の購入等は全てヒデさんとミキさんが代わりに行うこととなっていた。表向きには、芹沢家は引っ越したことにして、ここにはヒデさんとミキさんの新婚夫婦が代わりに入ったということになっていた。


 彼らには、敵が出現したら即座にその位置を教える約束になっていた。自衛隊との通信設備が設置され、僅かながら銃器も運び入れていたようだ。有事に備えたものと説明は受けたが、僕が怪しい行動を取った時、いざとなったら殺す用意でもあったと思う。変身する前ならば、僕は普通の人間だからだ。左半身の一部は既に『蜥蜴リザード』と化していたが、頭や心臓は覆われていなかった。いつでも、殺せただろう。

 そうしてヒデさんとミキさんのサポートの元、僕は敵が現れるまでの期間、久しぶりに妄想の世界へと旅立っていた。脳のストレージの中から、作りかけだった世界の情報をかき集め、新たに生命を誕生させていく。神話が生まれ、新たな人種も誕生した。


 だがどうにも集中が続かず、僕はしょっちゅう妄想を中断させてしまっていた。世界の構築は大好きだったはずなのに、どうしても脳裏に楓やトモちゃん、友人達、そして破壊された街や粉々になった人間の死体、そういうものが次々と浮かんでしまうのだ。酷い時には、今まで見てきた死体に、楓や母さんの顔が張り付いている幻覚まで見るようになってしまった。

 僕はただただ恐ろしくなり、ヒデさんとミキさんを通じてイノデカさんに連絡してもらい、トモちゃんとその家族を楓と一緒の場所で保護してくれと泣きついてしまった。トモちゃんは僕と楓の両方にとって大切な友人だったし、一度『宿主キャリアー』として恐ろしい目に遭ったのだから、もう二度と苦しませたくないと思ったのだ。

 イノデカさんは最初難色を示していた――秘密を知る一般人を増やしたくなかったからだ――が、僕が左腕を使ってイノデカさんを持ち上げ脅しをかけるとすぐに了承した。後でヒデさんから聞いたが、肋骨が折れてしまっていたらしかった。だが僕も必死だったのだ。


 家に戻って次の敵が現れるまでの数日、一番守りたかった楓の安全が確保されたはずなのに、僕の精神はかえって不安定になっていっていた。ヒデさんとミキさんの二人に、実質二十四時間監視されていたことも無関係ではなかっただろう。

 悪夢にさいなまれながらも、僕はどうにか生活を続けていた。そして、次の敵がその姿を表してしまった。

 それは、丁度お昼ご飯の時だった。ミキさんの手を借りながら昼食を食べていると、目の前に銀髪で裸の少女が現れていた。


「悠斗。発芽したよ」


 僕はすぐに顔を上げ、神様を見つめた。ミキさんとヒデさんが、僕のおかしな挙動に反応し目を丸くした。


「どこ?」


 僕は二人に構わず、神様に尋ねた。


「ここから西南西に四百八十キロの地点だ」神様がどこかを指差し答えた。

「ここから西南西に四百八十キロに敵!」


 僕は神様が言ったことをほとんどそのまま繰り返した。

 即座にヒデさんが通信機器を使い、どこかへ連絡を始めた。自衛隊に出動の要請をしたのだろう。

 ミキさんが一度食器を置き、持ち込んでいた通信機器と接続されたモニターを操作した。僕にはどういう技術なのかはわからないが、現地の隊員のヘルメットから送られてくる映像が、リアルタイムに見れるらしかった。マスコミからの映像だけだと状況把握が難しく、ストレスになるだろうとイノデカさん達が用意してくれたものだ。


「どうやら、徳島に現れたようです」地図を見ていたヒデさんが言った。「比較的基地が近い。全国の駐屯地は常に警戒態勢を取るよう指示が出ているし、部隊の展開はそう遅くはならないでしょう」

「問題は、手持ちの火器で攻撃が通用するかどうか……ですね」ミキさんがテーブルに戻りながら呟いた。「……ご飯、食べますか?」

「いえ、今は……大丈夫です」


 僕はミキさんが点けたモニターを見ながら言った。軍用車内の映像が映し出されていて、自衛隊員達が緊張した面持ちで車に揺られていた。本当に、いつでも出動ができるようになっていたらしかった。

 それから一時間もしない内に、自衛隊と新たな敵が交戦を始めた。『宿主キャリアー』を助けられるかどうかは、際どい時間であったことは間違いないだろう。

 例の釘打ち機を使った解体作戦……『マグロ』の準備は整っていなかったため、今回の対処は純粋な火力勝負になっていた。通常自動小銃などが隊員に配備されるところだが、ほとんど全ての隊員がそれを手放し、ロケットランチャーのようなものや設置型の爆薬を所持していたらしい。また、機銃付きの装甲車や戦車なども用意されたようだ。

 これらを駆使し、迅速に手足に当たる部分を破壊。再生する前に核となる『宿主キャリアー』を引きずり出すのが、基本方針だ。


 ミキさんがリモコンを操作し、モニターの映像を切り替えた。ヘリコプターからの映像のようだ。

 映像が荒く正確な確認は困難だったが、新たな敵は下半身がナメクジじみた腹足をしており、上半身は人型という奇妙な様相をしていた。神話に出てくるケンタウロスは下半身が馬の半人半獣の生き物らしいが、丁度それをナメクジに置き換えたようなフォルムだ。

 頭部は存在せず、首ごと切り取ってしまったような印象を受けた。赤紫色の細い腕が両肩から伸びており、獲物を狙うかのように、ゆったりと動いていた。


「大きいですね……」


 ミキさんがモニターに映し出されたナメクジケンタウロスを見て言った。ヒデさんが頷き、続けた。


「多分、八メートルくらいはあると思う。周りが田んぼだから比較しづらいけど」苦笑いをしてヒデさんが付け足した。「これまで出て来たのは悠斗くんと同じく三メートル級だったから、二倍以上はある」


 ナメクジケンタウロスが出現した場所は、人出の多い繁華街から離れた郊外の通りらしく、周囲には田園風景が広がっていた。被害を出さずに戦闘をするという意味ではおあつらえ向きだったが、水田に足を取られ部隊を展開しづらいという問題も発生しそうだった。道路の両端を水田に挟まれているので、部隊が一列になってしまっていたのだ。

 見た目通り、このナメクジケンタウロスが腹で這うように動くタイプならば、足を破壊して動きを止めるということは難しそうだった。事実、現地の部隊も似たようなことを考えたのか、下半身を破壊することは諦め、攻撃の起点となりそうな腕を、まずは集中して撃つことに決めたようだった。

 別のモニターに、地上に展開していた自衛隊からの映像が届いた。どうやら、上空に待機していたヘリコプターが機銃による攻撃を始めたようだった。


 まるで虫の大群が押し寄せたような音を発しながら、鉛の雨がナメクジケンタウロスに降りかかった。狙いは正確で、『宿主キャリアー』が入っているであろう胴体部分は傷つけず、片腕だけを正面から千切り取ってしまった。どうやら腕の付け根を狙って撃ったようだ。

 映像を見ていたヒデさんが「よしっ」と呟いた。人間の兵器でもまだ効果があったことを確認できて、希望を見出したのかもしれない。


 だがその希望を壊すように、ナメクジケンタウロスが行動を始めた。

 残っていた片腕も撃ち落とそうと、ヘリコプターが射角を変えた時だった。ゆったりと動いていたナメクジケンタウロスが突然どこかから咆哮を上げ、残った腕を持ち上げた。腕の先端をヘリコプターに向けると、その先端から何かを打ち出した。液体のようなものだった。

 勢い良く射出された液体がヘリコプターに向かって一直線に飛んでいき、それを見ていた……つまりこの時僕らが見ていた映像を撮っていた隊員にも降りかかった。叫び声が一瞬響き、映像が途絶えてしまった。


「そんな……、何の液体かわからないけど、四十メートル以上離れていたはずだ……。あの細い腕から、どれだけの圧を……」


 ヒデさんが青い顔になり、呟いた。ミキさんが慌ててモニターを操作し、別のカメラに切り替えようとした。しかし、ナメクジケンタウロスの正面に展開していた部隊は先程の液体をもろに被ってしまっていたらしく、画面は黒いままだった。

 ナメクジケンタウロスの側面付近で待機していたヘリコプターは無事だったらしく、別の角度からの映像が映し出された。ヘリコプターの中から、隊員が下を覗いているらしかった。


「まさか……溶解液……!?」


 僕は映像を見て呟いた。

 映し出された映像には、凄惨としか言えない光景が広がっていた。茶色い液体を被ったヘリコプターが水田の中に落下していたのだが、そのボディがドロドロに溶け、煙を吐いていた。下にいたはずの隊員はどこにも見当たらなかった。ヘリコプターのボディを溶かすような液体を浴びたのだ。無事とは到底考えられなかった。

 だが自衛隊はすぐに戦闘を再開し始めた。無事だったヘリコプターから残った腕目がけて機銃を掃射し、隊員達は動きを止めるためにロケットを地上から撃ち出していた。『宿主キャリアー』の命を救うことは難しいかもしれないが、敵を倒すのにそう時間はかからないことは予想できた。


「――ん」


 それまで黙っていた神様が声を出した。嫌な予感しか、しなかった。


「随分急だな。欲望を刺激されたか。――悠斗。発芽したよ」

「嘘でしょ……! どこに出た!?」


 僕の嘆きの声を聞き、ヒデさんとミキさんが息を呑んだ。ヒデさんがすぐに通信機器を動かし、いつでも出現地点を伝達できるよう準備を整えた。


「近いぞ。ここから東北東に四十キロだ」

「東北東に四十キロ!」


 僕が叫ぶのと同時に、ヒデさんが通信を始めた。

 地理に疎い僕でも、流石に次の場所がどこかの検討はついた。東京都のどこかに、敵が現れたのだ。


「神様っ! この次の敵はいつ出そう!?」


 僕は立ち上がりながら尋ねた。神様が目を瞑り、一拍置いてから答えた。


「このペースでいけば三日後だな。今出たやつは、どうやらマスコミが撮影した中継映像を見て欲望を増大させたらしい。加虐趣味的なところがあったのかもしれないね。本来なら次のとほぼ同時に出るはずだった」

「なんでもいいよ! とにかくすぐには出ないんだね!?」

「恐らくな。私にも確たることは言えないよ」


 神様はふわりと浮かび上がり、僕の鼻先でそう告げた。僕はそれを受け流し、ヒデさんに話しかけた。


「僕も出ます! 四十キロなら、万が一更に発芽して、それが鎌倉だったとしてもすぐに戻れる」

「……わかった。途中までは車で。人目につかない場所に入ったら、そこで変身をしてくれるかい?」ヒデさんが頷き、立ち上がった。「小野一尉、ここは任せてもいいですか?」

「大丈夫。奥さんらしく家で待ってるわ」


 ミキさんが、明るい声で言った。あえてそうしてくれたのだと思う。


「はは、なら俺はさしずめ、息子を戦地へ送るクソッタレな父親ですね」


 そう言ってヒデさんは僕を連れてガレージに降りた。

 父さんが亡くなってからずっと空いていたスペースには、トヨタの新型ワゴン車――を少し改造したもの――が停められていた。僕がここから出る際に乗せるためのものだ。後部座席のシートを全て外し、僕がある程度装甲で肥大化しても平気なようになっていた。

 ヒデさんの運転で山の側まで行くと、僕は駆け出し、右足にカッターナイフで傷をつけた。顔を上げた時には、既に『蜥蜴リザード』へと変貌を遂げていた。

 木々の間から跳躍し市街地に飛び出ると、偶然それを見たであろう住民達が歓声を上げた。

 この頃にはもう、黒い怪物の中には意識を保った人がいるというのが定説になっていて、誰もが――一部の評論家などを除く――僕を応援していた。


 声援を背に受けながら、僕は四足獣のように身を縮め、地面を這って進み出した。しばらく進み国道に入ると、上空からヘリコプターの羽が風を切る音が耳に響いた。マスコミらしかった。鎌倉からそう離れていない東京に新たな敵が出現したと聞き、僕が現れる可能性があると思ったのだろう。

 マスコミのヘリコプターを一瞥し、僕は唸り声を上げた。人間の時の気分で思わず声を上げてしまったが、実際は化物の喉を震わせただけなので、周囲の人間は耳を塞いで眉を潜めていた。気持ちの良い音ではなかったので、理解はできた。

 僕が唸り声を上げたのは、マスコミが邪魔だと感じたからだ。プロペラの音はうるさくて感覚が鋭くなった耳を痛めたし、変身を解除する時にも、目撃されないよう細心の注意を払わなくてはならなかったからだ。ただただ率直に、邪魔だった。

 心の奥底に、もしくは胃と腸の境目辺りに、何かムカムカするものを感じながらも、僕は再び走り出した。気づけば自衛隊のヘリコプターが上空に現れ、マスコミを追い払っていた。自衛隊はそのまま上空から先行し、道を空けるよう誘導を始めたようだった。


 不用意に黒い怪物が通るから道を譲れという風に言ってしまうと、自衛隊との関係が疑われてしまう。自衛隊……つまり政府も僕も、この物語の根幹部分である『神様』の存在を公にしないことで合意していたので、僕との関連性を疑われるのは避けるべきことだった。

 そのためか、自衛隊のヘリコプターは決して道を譲れとは言わず、ただひたすら、国道沿いに怪物が走ってきているから逃げてくださいと誘導をしただけだった。最初はやはり混乱したようだったが、黒い怪物は人間に味方をしているという事前知識が広まっていたおかげで、次第に落ち着きを見せていた。多くの車が慌てて逃げるのではなく、車線を一つ空けるように端に寄って停車を始めたのだ。


 一時的に道幅が広まった国道を、僕は全速力で駆け抜けていった。鎌倉周辺の住民は何度か僕を見たことがあったから歓迎的な声を出してくれたが、東京近辺に近づくとそうはいかなかった。

 端に寄せて停車していた車の中から、恐怖に駆られた瞳がいくつも僕を見ていたことが、よく印象に残っている。初めて僕を見る人間にとっては、区別なんかないのだ。いつ人間を襲うかわからない分、余計に怖かったのではないだろうか。

 だがそれでも、道を空けてくれていたのは非常に助かった。


 僕の目の前に、新たに出現した敵が現れた。

 三日の猶予があったはずなのに、それを一気に飛ばす程の欲望を宿した新たな敵は、これまでとは違う印象を受けた。

 まず大きさだ。僕の『蜥蜴リザード』が三メートルから四メートルの間くらいで、先程出現したナメクジケンタウロスが八メートルだったのに対し、新たに出現した敵は十メートルを越していた。僕の三倍以上の大きさがあることになる。


 周囲の家を吹き飛ばしたそれは、地面を這って進んでいた。一言で現すなら、イモムシだ。高さ十メートルの巨大なイモムシが、地面のコンクリを喰い削りながら都心の方へ向かって進んでいたのだ。

 さらに違う点が、その身体の色だった。これまで現れた敵は全て、口腔内を思わせる……つまり内臓のような、赤とピンクと茶色が混ざったような色をしていた。だからこそ、これまで僕は”肉の”という風に形容してきた。しかし今回現れたイモムシは、どちらかと言えば『蜥蜴リザード』の装甲に近い色をしてした。すなわち、赤黒い色だ。

 僕はどちらかと言えば黒の割合が多いが、イモムシは赤の割合が多かった。神様を信じて僕の黒に近い色が一番硬いと仮定するのならば、この赤いイモムシは、それに次ぐ防御力を持っているということなのかもしれない。


(神様。敵の強さと大きさは比例する?)


 僕は赤イモムシに向かって走りながら尋ねた。


「それは比例しないよ。君がいい見本じゃないか。君はあれより強いけど、小さいぞ」

(つまり、小さくても強いやつが出ることもあるってことか)

「そういう場合もあるだろう」


 一つの考えに思い至り、僕はもう一つ尋ねることにした。


(ちなみに、僕がこれ以上大きくなることって可能?)

「できるよ。変身する前に、具体的なイメージを持てばいい。君の姿は、ある程度自由に調節ができるんだ。今回はもう変身しちゃってるから無理だけど、気になるなら次の戦闘でやってみればいい」


 神様は僕の肩に乗りながら答えた。不思議と、重さや感触のようなものを接触した場所から伝わった気がした。思えば、神様に触れるのはこれが初めてだった気がした。


(ありがと。覚えてたらやってみるよ)


 肩の不思議な重さを感じつつ、僕は心の中で返事をした。四足歩行から二足歩行にシフトし、顔を上げた。

 目の前では巨大なイモムシの尻が、触手を振り回し家々を破壊しながら、前へ前へと突き進んでいた。


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