プリンとグラタン
Kくんとの思い出です!!
変な奴です
20くらいの時おれは金さえあればパチンコを打っていた。
打っては負け、負けては打ち
夢にまで見るほどだった。
そのころパチンコ友達にKくんというやつがいた。
彼もスーパープラネットの微妙なリーチ目をみつけて喜んでいるほどの
パチスロマニアだった。
バイトが終わるとパチ屋に直行し
終わった後は公園や道端で朝まで語り合っていた。
何を話していたかはあまり覚えていないが
時間を忘れて夢中で話していたものだ。
あるときKくんが家に遊びに来ていた時
俺の部屋にあったギターを見て突然こういった。
「ボウイ弾いてやTさん!」
いままで音楽の話なんかしたことなかったのに彼はそういった。
俺のギターに興味があったなんて思いもしなかった。
ボウイは俺はあまり知らなかったが
俺は適当に弾いてしかもアクション付きで歌まで歌ってやった。
「にゅーよーく!にゅーよーく!」
めちゃくちゃにやったのだが、彼は妙に感心して
「めっちゃうまいやんTさん、バンドやったらええのに。」
バンドをする?いままで漠然とあんなことしてみたいな〜とは考えたことはあったが、
実際できるとは思いもしなかった。
「あはは!じゃあKもいっしょにやろうや!」
「俺楽器はカスタネットくらいしかできへんけどええの?」
「もちろんや!じゃあ君リードカスタネットでいこか」
そんな感じだったとおぼえている。
で、二人でバンドをすることになったのだが
ドラムがいなかったので俺の高校時代からの友達のYくんに頼むことにした。
Yくんは大学でバリバリドラムをたたいてる人だった。
バンド経験まったくなしの二人を相手にしてくれるか心配だったが
なぜか知らないが「やろか」といってくれた。
曲は何をやろうかという話になったが
無謀にもオリジナルを作ろうという話になった。
詩はKが書いてくることになり曲は俺が作ることになった。
数日後彼が持ってきた歌詞を見て俺は絶句した、、、
すこし紹介しよう、、彼の才能の一端がうかがえるはずだ、、、
かのじょの〜いきたいところは〜
海に〜山に〜遊園地〜
かのじょの〜好きなたべものは〜
プリンに〜グラタンそして〜おさしみ〜
あのこの〜望み何でも〜
かなえて〜あげた努力した〜
あのこの〜笑顔が〜スキだった! ときめいた!どきどきさ〜
いったいこれを俺にどうしろというのだろう。
しかし「力作やで!かっこいい曲つけてね!」
と目をキラキラさせながら言われた俺は仕方なく曲を作った。
この最初に作った曲は歌詞そのままでライブでもやった。
ちょっと恥ずかしかった。