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さぁ、お仕事です。

馬鹿げてる。本当に馬鹿げている。

俺は逮捕されてすぐに地下牢へ移されそこで逮捕の理由を聞かされた。理由は簡単治癒士だから。ただそれだけ。そもそも、この辺境の街には治癒士が少ない。さらに、この街は辺境ゆえに常に魔物に襲われて危険も多い。そのため、戦闘の苦手な治癒士たちは死ぬか、逃げるかでただでさえ少ないのにさらに減る結果となった。


そこで、安全かつ護衛がしやすいという理由で地下牢へ監禁されたわけだ。逮捕というのは逃がさないためとのこと。ちなみに今いる治癒士は俺を含め数名のみ。この間違った過保護はここの領主が主導で最近導入されたらしい。


まったくもって考えるのも馬鹿らしい。今日は結構な距離を歩いたためもう寝ることにしよう。では、おやすみ。







なんだどこからか声が聞こえる…。





俺を呼ぶのは誰だ…?





目を開けてみるとそこは神と出会った場所だった。


「やっと起きたか。さぁ、ビジネスの話をしよう。」


ビジネスだと…?神とビジネスって意味がわからん。


「今説明してやる。」


心読まれた。覗くなよ変態め!!


「問題ない。私は神だからな。まぁ話を聞け。君にとっても良い話だ。まず、そもそも神の力ってのはなんだと思う?なにができると思う?」


えっ、全知全能なんだからなんでもできるし、力の元なんてないだろ?


「残念。力の元はある。神の力とは信仰の力だ。信仰の多さがそのまま力になる。ひとりからえられる力はたかがしれているが、数がそろえば大きな力となる。いわゆる数の暴力さ。そしてここからが本題だ。ここ数千年信仰が落ちてきてな新しい神の台頭が目覚ましいのだ。このままだといろいろ面倒でね貴様の力を借りたい。」


俺になにができるってんだ?それに俺ら人間からしたら別にどの神だろうがかわらんだろ?


「いや、かなり違う。私はいわゆる平等といったことを司っている。多くの人が幸せになるよう調節をしている。だから格差が少ない。でもそのかわり大きな得もない。しかし、台頭してきた神は不平等を司る。つまり格差が大きいのだ。それは力、運、金様々な格差を生んでいる。」


格差のなにがダメなんだ?差ができるってことは頑張れば、競争に勝つことができれば良い思いができるってことだろう?


「それは違う。努力が報われるのは平等の世界のみだ。皆、同じラインからのスタートだからこそ意味がある。才能もそうだ。皆等しく持っている。気づくか気づかないかのさだ。しかし不平等は違う。才能の有無も、努力の意味もすべからく違うのだ。私わね、人の努力する姿が好きなのだ。だからこそ不平等はみとめられない。」


俺は努力が意味をなさない世界なんて嫌だ。でも、俺に何をさせようっていうんだ?俺は人間だ。頭だって良くない。信仰心だってさしてないんだぞ。


「だからこそさ。信仰心ってのは意外と厄介でね、信じているから疑えず、信じているから他を受け入れられない。前の世界でもそうだろう?信仰心ゆえに受け入れられず争い殺しあう。だから君なのだ。神を信じていないから疑える。受け入れられる。」


確かにそうだ。前の世界では様々な宗教イベントをやってたなぁ。


「君には私の信者を増やして欲しい。そのかわり私は君の幸せに便宜を図ろう。信者が、信仰心が、感謝の気持ちが増えれば増えるほど私は力を取り戻せる。そして君にしてあげることも増えてくる。どうだろう?悪くない話だろう?」


なるほど、まったく平等の神のいうことかそれ?完全に不平等だろ?


「不平等により私腹を肥やした奴が困るだけだから問題はないさ。で、どうするんだい?」


わかってて聞きやがって、当然その話を受けるよ。これからよろしく。神様。


「あぁ、よろしく頼む。やり方は任せる。ようがある時は呼べ。会話くらいならいつでもできる。」


了解だ。

あぁ、よく寝たぜ!

平等のため布教しますか!

ん、そういえば俺、神の名前知らねや…。

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