10:00だよ全員我が家に集合!
とぼとぼと帰る二人に新たな人物登場。
みんな例の事件のことだと分かった瀬野尾は我が家でミーティングをすることになった。
首を傾げていた少女はすぐに我に帰り校長先生に改めて問い詰めた。
「何でこれが『えん』じゃなくて『しお』何ですかー!」
うん。この質問も予想していました。
「う~んとね・・・(中略)」
校長先生は俺と全く同じことを少女に言った。
「そんなの納得できません!だいたい先生が人を見た目で判断するなんてひどすぎます!」
「そのことは私からも先生に伝えとくから・・・」
「先生に伝えて私は合格になるんですか!?」
「いや、それは・・・残念ながら・・・」
何だか校長先生はすごく無理をしているようにも感じた。
「私は先生に注意をしてほしい訳じゃなく合格にしてほしいんですよ!」
「しかし、もう決まってしまったんだ・・・もうどうすることも出来ないんだよ・・・」
「そんなのないわよ・・・」
少女はそこに塞ぎ込んでしまった。
「これから、私はどうすればいいのよ・・・」
確かに落ちたのはかなりショックを受けたが少女程ではなかった。何としてでも合格しなければならなかったようだ。
俺はいつのまにかその少女に声をかけていた。
「取り合えず、さ・・・外に出ない?」
その少女は無言で頷いた。
俺とその少女はドアを上に持ち上げ出て行った。校長先生は無言だった。何かを言おうとした素振りも見せたが、何も言えなかったみたいだった。
俺と少女はお互い無言で廊下を歩いていた。
5分、7分・・・
「長いよ!」
その少女はその長い廊下にツッコンだ。その声に俺はビックリした。
「えと・・・どうしたの?」
「流石に長すぎよこの廊下!行きもそうだったけど帰りは歩いているから、余計に長く感じるわよ!」
「た、確かにそうだね・・・」
俺は、急にその少女がツッコンで驚いたけど、何より意外と元気で嬉しかった。
そして、しばらくまた歩いてやっと外に出た。
「やっと、外か・・・」
少女はため息をつきながら言った。
俺もかなり疲れた。そんなことを思っていると、3人の人がこっちに向かってきた。
『ウォォォォォォォォォ!』
が俺と少女を通り過ぎ、学校の方に向かっていった。この時脊髄にビビット衝撃が走った。
もしかしたら、あの人たちも俺と少女と同じ目的で来たのではないかと!
そう思うと止めずにはいられなかった。
「ちょっと待って君たち!」
そう言うと、その3人の足が止まりこちらを振り返った。
「もしかして君たち学校に試験の文句を言いに来たんじゃないの?」
俺がそう言うと、まるでこちらの気持ちが見透かされたと言わんばかりの顔をしていた。
「何故、それを・・・」
やはりそうみたいだった。
「実は・・・(中略)」
「何だと!?それじゃぁ俺たちの訴えは無駄ってことなのかよ!」
3人の内の1人の男子が言った。
俺の言葉を聞いて皆愕然としていた。すると、さっきの男子が怪しい笑いをし始めた。
「クククククク・・・復讐だ・・・復讐するしか俺たちに道は無い!」
正直馬鹿だと思った。
しかし、さっきの少女は
「そうね、それしかないわね」
マジですか!?
すると次々に(と言っても2人)が彼に便乗し始めた。
「で、お前はどうなんだ?」
なんとも怪しい笑顔でその男子は俺を見てきた。
確かにこのまま引き下がるのも癪だった。それに学校側に一泡吹かしたいとも思ったいた。
「よし!俺も、乗った!」
なんとも、馬鹿みたいな話だが、このまま引き下がるよりかは、全然ましだと思った。
「うし、決定だな!とりあえず集合場所は・・・」
「俺の家じゃ駄目か?」
「え?いいのか?」
「あぁ、別に家には誰も居ないしな。その方が気楽だろ?」
「そうか。それは助かる。それでは、明日10:00に・・・えと・・・」
「昴だ『瀬野尾 昴』昴って呼んでくれ」
「それでは明日昴の家に10:00に集合だ!」
「地図はメールで送るからアドレスを教えてくれ」
俺は携帯の赤外通信の準備を始めた。
「よし、これで全員終了だな」
俺は全員に自分の家の地図を送った。
「それでは、今日は解散だ!」
そして後日
ピンポ~ン♪
「は~い。開いてるよ~」
『おじゃましま~す』
昨日の4人が来た。
とりあえず4人を居間に案内した。
「何か飲む?」
「コーラ」
「コーヒー」
「炭酸水」
「カルピス、6:4」
「注文が容赦ねぇ!それに炭酸水ってそのまま飲むつもりか!?後、カルピス細かいよ!それに6:4って濃くないか!?」
遠慮が全く無かった。
『ソンナコトハナイトオモイマス』
「まさかのハモリ!しかも棒読み!アイコンタクトで打ち合わせしてたのかよ!」
3連続ツッコミ!俺は仕方なく台所に行って、準備をした。
「はいどーぞ」
「ちゃんと全員分用意できるのはすごいな」
「そか?ごれぐらい誰の家でも用意できるだろ」
「俺は出来ないよ」
へ~変わった家もあるもんだ。
「これ美味しい・・・」
美味しいと言ってくれたのはコーヒーを注文した長い髪の女性だった。
「そうか、それは良かった」
「これ、昴さんが淹れたの?」
「まぁね」
「こんなに美味しいのは初めて」
「お世辞でも嬉しいよ」
「お世辞なんかじゃないよ」
「そ、そうか?」
そんなに絶賛してもらえるとは思わなかったのでとても恥かしかった。
「確かにこのカルピスの比率は絶妙ね」
そう言ったのは深い青色のような髪をした女性だった。大人な感じがしてとても美人だ。
「そうですか?俺は注文通りに淹れただけですよ?」
「いや、ここまでピッタリと淹れる人は滅多にいないよ」
「そうですか・・・。有り難うございます」
何だか褒めてもらってばっかで恥かしい。
全員が飲み終わって、俺は話を切り出した。
「とりあえずさ、自己紹介しないか?」
「うん。俺もそれ言おうと思ったんだ」
やっぱり、最低限自己紹介ぐらいはしないとね。