第一話
暇な時続き書きます
感想ください
1999年、6月。
その日は、暑かった。
ジメッとした教室で授業を受けると言うのは、とてつもない精神力がいる。かといってこの空気で寝るのも難しい。
殆んどの生徒は暑さにうだっていた。
そんな中、彼はもう夏休みの予定について考えていた。
(今年はまず、ライブしよう。そんで三ノ宮で新しいギター買って、大阪でライブ見て、夏休み後半は…)色々考えているうちに、突然隣の席の女子がフラっと立ち上がり、上から倒れるようにヘッドバッドをくらわしてきた。
「ぐぇっ!」
見事に左頬にヘッドバッドがヒットし、変な声を出しながら倒れそうになるが、このまま倒れると彼女も一緒に倒れてしまうので我慢する。
「どうした!?」
先生は驚いて声をかけてきた
「コイツがいきなり頭突きしてきました!」
彼は勢いよく答えた。
教室が笑う。
「多分暑さで貧血かなんかなったんやろ。保険室連れてくついでにおまえもほっぺた見てもらってこい。」
と先生が言った瞬間、クーラーのきいているであろう保険室へダッシュで彼女を背負って向かう。
頭突きはきつかったが、これはラッキー。
ただ少し他のクラスの人達に変な目で見られている。
理由は言うまでもなく、女の子をハナジ流しながら背負っているからだろう。
しかし羞恥心よりもクーラーのきいた部屋に一刻も早く入りたいので、あえて彼女を背負って行く。
そして保険室に着いたと同時にドアを開け滑り込む。
「急患です!ついでに鼻血が止まりません!」
元気良く言ったものの、誰もいなかった。
「誰もおらんのかい。しかもクーラーついてないし」
期待は見事に打ち砕かれ、病人を背負ってうなだれる。
仕方ないので、まず彼女をベッドに寝かせ、自分の鼻に消毒用の綿を詰めておいた。
以外に保険室は風通しがよく、涼しい風が入ってくる。
すやすや寝ている彼女に少し目をやって、横にあったパイプ椅子に座り、彼女の顔をまじまじと覗き込んでみると、あることに気付いた。
(こいつ、いつも隣おったっけ?髪の毛で隠れとってわからんかったけど…)
彼女は綺麗だった。
それが二人の出会い(彼にとっての)だった。
まだつづくw