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リィナ

 アヴニルはジェドに連れられて街まで来ていた。


 「息抜きって言ったって何する気なの?」

 そう問いかけると、ジェドは顎に手を当てて少し考えはじめる。


 「まあ、アヴニルは酒も飲めねーし、ギャンブルもできねーもんな」


 そしてニヤリと笑うジェド。

 「アヴニルぅ、彼女とかいねーんだろ?出来たことあんのか?」


 「え、え、彼女?」

 アヴニルは少し照れたように視線を泳がす。


 「僕は、ジェドたちに会うまで奴隷だったし……出会ってからも義勇団で訓練とかしかしてなかったから、いないよ」


 「興味はあんのか?興味は?」

 

 「……」

 目を逸らし、頬を少し赤らめるアヴニル。


 「わっかりやすいねぇ。アヴニルくんは! そういう店はアヴニルには、はやいだろうしナンパだ。ナンパ」

 ニヤつきながら提案する。


 断る間もなくアヴニルは半ば強引に連れられいった。


 ジェドが、街で色々な女性に声をかけだす。

 「ちょっと君ーー」


 やがて盛り上がりだす。


 「ーーこのフラムヴァーレからガドライアを追い払った一人なんだぜ俺たちは」

 結局、アヴニルはほとんど喋れず、完全に置いてけぼりにされた。


 アヴニルは、そろり、そろりと気づかれないように抜け出した。


 「がっはっは!あれ?アヴニルは?」

 ジェドは最後まで気付きもしなかった。


 「はあ、ジェドはまったく。無理だよ、こっちは女の子とまともに話したことすらないんだよ」

 アヴニルが知っているのは、お店のおばちゃんなどの顔馴染みと、「はっはっは!」と笑う、あのヴァレンシアくらいだ。

 しかも、ヴァレンシアに至っては、もはやトラウマである。


 アヴニルはとぼとぼと歩く。

 ドンッ。

 「きゃっ……」

 誰かにぶつかった。

 「ごめんなさい!よそ見してて!」

 反射的に謝り、慌てて駆け寄る。


 「こちらこそすみません!不注意でした」


 アヴニルと同じくらいの年頃だろうか。華奢な体つきで、お淑やかで清楚な印象の女の子だった。

 

 目が合い、アヴニルの時が一瞬とまる。

 一目惚れだった。


 「大丈夫ですか?どうされました?」

 彼女が首をかしげるもーー

 「……」

 言葉が出てこない。


 「……じゃあ私行きますね」

 彼女は軽くお辞儀して、去ろうとした。


 「ま、待って!」

 反射的に声が出た。


 女の子はビクッと体を震わせこちらをみた。


 「ナ……ナンパ……です」

 変なことを言ってしまったと少し後悔するアヴニル。

 だが、彼女は少しだけ笑った。


 「ア、アヴニルっていいます! よかったら、お、お茶でも!」

 しどろもどろになりながらも、勇気を振り絞って声をかける。


 彼女は口元を手で覆い、くすくすと笑う。

 「ええ。少しならいいですよ?」


 「えっ……!?」

 成功するとは思わずびっくりする。


 そして、アヴニルは必死にフラムヴァーレの地理を頭の中でイメージし、カフェの位置を思い出す。

 

 ほどなく、二人はカフェへと向かい、アヴニルが飲み物を二つ頼む。


 「えっと……ありがとう。こういうの初めてで……」

 照れたように言う。


 「面白そうな人だったから、つい」

 笑う彼女。

 「左目、見えないんですか?」

 

 「いや!奴隷だった頃にね。気にしないで。昔の話だから!今は元気に兵士してるよ」

 眼帯に触れながら、気を使わせないように笑う。


 「ごめんなさい、不躾な質問を」


 「いやいや、ほんと気にしないで! そういえば名前……聞いてなかった」


 「あ、ほんとだ!」

 彼女は笑った。

 「リィナです。リィナ」


 それからも話は途切れる事なく続いた。気づけばアヴニルはリィナに自然と惹かれていった。


 「あ、私そろそろ帰らなきゃ!おばさんにお世話になってるの」


 「ありがとう、リィナ。また会えるかな?」


 「アヴニル。またね!」

 そう言って、リィナはさらさらと紙に自分の働いている花屋を書いて渡した。


 ぼーっとリィナの後ろ姿を眺め見送るアヴニル。


 「リィナ……また、会えるかな!?じゃねーよ。アヴニル!やりやがったな。てめこのぉ」

 肩を叩かれ、現実に引き戻される。


 「ジェ、ジェド! 見てたのか!?」


 「ぜんっぜん!気づかねーんだもんなお前」

 ジェドは腹を抱えて笑う。


 結局、その後もしばらくのあ、ジェドにいじられることになるアヴニルだった。

評価していただけると大変喜びます


ただいま書き直している最中なので、更新遅くなるかと思います。

ご迷惑をおかけします。申し訳ありません。

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