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完璧主義者の転入

完璧であることは、強さなのか。


すべてを管理し、すべてを支配する。

その在り方を疑わない者がいる。


だがこの学園には、計算では測れない存在がいる。

予測不能な行動、理解不能な価値観。


交わるはずのなかった二つの軌道が、

今、同じ場所で重なろうとしていた――。

(しずく)


全ては入学式の日から始まった。


あの緑の霧が消えた瞬間、後に残ったのはパニックと混乱に満ちた静寂だけ。完璧な入学試験、輝かしい期待――私が知っていた世界は、ほんの数分で粉々に砕け散った。


あの計算高い目をした男子生徒とは、混乱で離れ離れになってしまった。気づけば脇の廊下で一人。心臓が原始的なリズムで打っている。こんな感覚、軽蔑すべきもの。恐怖が口の中で金属的な味を広げる。下品な感情。私、藤森しずくが、味わい慣れないもの。


その後の学園長の演説は、既に疑っていたことを確認しただけ。このアカデミーの権威なんて茶番。私たちの同意もなく戦場に放り込まれた。安全なんて空っぽの約束。


生き延びたいなら――いや、この歪んだ状況でも勝ちたいなら、自分以外の誰も信用できない。自分の理想に形作れる者だけ。


翌日、Aクラスの教室に入った。


本来なら威厳に満ちているはずの場所が、生々しい恐怖で汚れていた。新しいクラスメイト十二人――男子七人、女子五人――は衝撃の絵そのもの。青白い顔、虚ろな視線、震える囁き。学業成績は最高、それは確か。でもあの瞬間、怯えた子供でしかなかった。


私も恐怖を感じていた。背筋を這い上がる冷たさ。でもそれを氷のような侮蔑の層で押し殺した。パニックに支配されるなんて許せない。不完全。


立ち上がった。


全員の目が私に向く。深呼吸。完全には感じていない冷静さを投影して、明瞭で確固とした声を教室に響かせた。


「これで終わり?」


沈黙が深まる。


「いわゆる最高の、最も優秀な人間が……超常現象の『不都合』程度で、震える神経の塊に成り下がったわけ?」


間を置いて、挑戦を沈ませた。


「周りを見て。私たちは十三人。数百人を超えた十三の頭脳。偶然でここにいるんじゃない。このふざけた状況のためでも、選ばれたのは潜在能力があるから」


教室の前へ歩いた。姿勢は完璧にまっすぐ。


「恐怖――そんなありふれた、洗練されていない感情に、その潜在能力を無駄にするつもり? 明らかに何かを隠している教師が助けに来るのを、座って待つつもり?」


首を横に振る。冷たく挑戦的な微笑みを唇に浮かべた。


「それは哀れ。この制服の下には、高い成績以上のものがある。意志がある。このみっともない個人主義的なパニックを脇に置いて団結すれば、被害者以上の存在になれる。この新しいゲームのルールを理解し、自分たちの有利に使える存在に。一人じゃない。この教室にいる全員がいる。この年で最も有望な十三の頭脳が、このアカデミーが投げつけるものに立ち向かえないはずがないでしょ?」


温かい演説じゃなかった。挑戦。彼らの弱さを映す鏡であり、同時に栄光ある出口を提示した――私に従うこと。


そして機能した。


肩が伸び、虚ろだった視線に決意の火花が、少なくとも羞恥が灯るのが見えた。


始まり。


こうしてクラスメイトと知り合った。


鈴木健二――勤勉で忠実。黒月レオン――職人の手を持つ即興の天才。星野ライ――無言コミュニケーションの専門家。風間セドリック――肉体的な力の塔。倉木アキラ――不屈のジャーナリスト。サルヴァトーレルイス――テクノロジーの魔術師。ファウストリオ――大衆を魅了する者。


女子では、白石こころ――私のように冷静で計算高い、でももっと繊細な野心を持つ。黒羽エミリオナ――生まれつきのアスリートでトレーナー。霧島アリシア――ほぼ超常的な方向感覚を持つルート戦略家。星野セレナ――科学的で几帳面な頭脳。倉木ノエル――デザインと裁縫に妖精の手を持つ芸術家。


担任のアレックス先生は優しそうで、自信すらあるように見えた。でも最も説得力のある笑顔を使って、エーテリアルの性質について質問したとき、彼の顔は本物の痛みで曇り、それから回避的な拒否で硬くなった。


「いくつかのことはね、藤森さん、掘り返さない方がいいんだ」


それで確認できた。ここの大人は味方じゃない。障害物か、せいぜい管理すべきリソース。


そのプレゼンの日、クラスの委員長が誰になるか決まった。


ほぼ満場一致で選ばれた。当然。


全てのルールを分析した。ポイントシステムの全ての行、デジタルバトル・システムのルール、アカデミーの全てのルール。


そこに鍵があった。


他の者が罰と報酬のシステムを見ている間、私は市場を見た。自分たちの安全、自分たちの力を買える内部経済。


数週間が過ぎ、環境の敵意が肌で感じられるようになった。集団的な恐怖が廊下で腐った匂いを放っていた。


この無力感を根絶したいという動機が、系統的な調査に変わった。


鈴木、それから白石が私に加わった。


黒服の男たちを発見した。厚かましい、まるで私たちの観察能力を軽蔑しているかのよう。エーテリアルの出現ゾーン近くに必ず現れる。ハゲタカのように。たった二つの事件でパターンをマッピングした。論理は単純――お互いに隠す努力をしていないなら、潜入者は気づかれないかもしれない。


鈴木の助けで、あの男たちのスーツを手に入れた。


計画は大胆で、そのシンプルさが優雅だった。彼らの中に潜入する。


そして機能した……鈴木が捕まるまでは。


戻ってきたとき、震えていたが無傷で、影で活動する先輩のグループについて話した。


最初に思ったのは侮蔑――「臆病者」。


情報と能力があるなら、なぜ隠れる? なぜ公然とリーダーシップを取って、このアカデミーから無能を一掃しないの? 私が体現する卓越性と透明性の理想が欠けているように見えた。


ただ、鈴木を傷つけなかったことで、彼らが差し迫った脅威じゃないことは示された。


表向きを維持することに決めた。必要なら白石が彼らの前で公的な委員長として振る舞う。私たちの道は独立して、もっと輝かしいもの。


真の傑作はポイントシステムだった。


攻撃後の新しい分配ルールと流れを分析して、クラス全体のための協力的投資スキームを設計した。慈善じゃない。資本化戦略。


演習、課題、そして安全なときはエーテリアルとの管理された遭遇で、利益を最大化するよう全員を導いた。


クラスは私の計算を信頼した。


結果は偉業――Aクラスのために百万ポイント以上を蓄積。


その資本で、世界が開けた。


異常を正常化しようとするアカデミーのシステムは、専門店でほぼ何でも「購入」できた。


そして買った。


ノエルが私たちを際立たせる、エレガントだが機能的な戦術制服を作るための材料。レオが独自の配合のスモークボム、刺激性エアゾール、スタンデバイスといった、非致死的だが無力化する武器を即興で作るための部品。エミリオナが身体と協調性のトレーニング体制を設計。ライが暗号化されたワイヤレス通信網を確立。


セドリックがその力で、エーテリアルの残留物のサンプルを隔離して封じ込めた――計り知れない成果。


アリシアが最も効率的な避難と攻撃のルートを図示。セレナがサンプルを分析し始め、弱点を探した。アキラが生徒の士気について諜報活動。リオが他のクラスに私たちの大義への共感を植え付けた。そしてルイス……ルイスはアカデミー自身のデジタルシステムに亀裂を見つけ、より深いアクセスを約束した。ハッキングする。


私が軸。ディレクター。マスターマインド。


窓の反射に映る自分を観察した――完璧、穏やか、知的に優れている。従うべきモデル。美しさは偶然じゃない。もう一つの武器、私が目指す完璧さの象徴。


成績も例外じゃない。中間試験で、絶対的な勝利のために準備した。一試験につき一つのミスが許容限界。


全てが完璧に計画通り進んでいた。


そして今日、中間試験の結果を見に行く。


全ての成果を思い出しながら歩くと、自分が完璧で無敵だと感じる。


メインスクリーンの前に、王国を査察する女王の自信を持って立った。


Aクラスでは、一位。当然。


でも一年生全体のランキングを見たとき、笑顔が凍りついた……


二位。


霧丘小次郎という人物の後ろ。


名前に覚えがある。既にどこかで聞いたことがある響きだけど、思い出せない。


欲求不満――酸っぱくて下品な感情――が胃の中で蠢いた。


全体ランキングを見ることを自分に強いた……


四位。


武蔵タロウが一位、生徒会長なら予想通り。リリスヴァランクールという人物が二位。誰、この無名? そして……霧丘小次郎、三位。


彼、また。全体像でも私より上。


拳を握りしめた。爪が掌に食い込む。


だめ。これは受け入れられない。私は完璧の体現。どうしてこんな……?


「藤森さん?」


声が螺旋から引き戻した。振り返り、穏やかな優しさの仮面を一瞬で組み立てた。


そこにいた。


入学式の混乱の男子、入学式で会ったあの子。恥ずかしそうで緊張した笑顔で……


名前は?


「あ! 君ね、また会えたわ」


蜂蜜をガラスの上に流したような声。


「無事で良かった……」


会話した。彼、不器用にあの日のことを尋ねる。私、優雅に詳細を避ける。


それから、彼がスクリーンを見た。


彼の目に本物の満足感、傲慢さじゃなく、の閃きが見えた。


戸惑う。


「君は? 中間試験どうだった?」


質問する。この子、そんなに賢くないはず。


「えっと、まあ……一年生の中で一位だったよ」


首筋をこすりながら言った。


「それで全体では三位。予想外で……」


呆然とした。今思い出した。この子の名前は……霧丘小次郎。二回も私を超えた子。欲求不満が頭まで上がってくる。火山が爆発する寸前。


彼を見ながら考えずにいられない――「ライバル」。


唯一、私の学業的完璧さを曇らせた人物。そしてそこにいる、目の前に、ただの優しい男子に見える。


「おめでとう!」


声が意図したよりも少し緊張して聞こえた。


「その成績なら、Aクラスにいるべきよね? 私Aクラスなの」


「えっ!?」


「どのクラスなの? 霧丘くん」


彼が躊躇った。答えるのに緊張しているよう。Bクラスと言うと思ったけど……


「Fクラス……」


一瞬、世界が止まった。Fクラス。最悪の最悪。無能の集積所。それなのに……彼はそこにいた。


あのクズ置き場で、私を超えた。


内側で何かが壊れた。自己認識の鏡に亀裂。


システムがそんなに間違っているの? それともあのクラスに、彼に、全ての論理に逆らう何かがあるの?


「今すぐAクラスに転入すべきよ、その成績なら転入願い出すのに問題ないでしょ」


毒を含んだ甘さで提案した。


黙って考え込む彼。虚空を見つめ、何かを思い出しているのかも。


「ごめん、でもクラス変えられない」


「……なんで?」


「……多分、安心できる場所を見つけたから……クラスメイトはすごく違う、扱いづらいかもしれないけど……でも大切な友達になりつつあるって感じるんだ」


彼の拒否、「仲間の近くにいる」、「友情」と「仲間意識」についての不器用な説明が、馬鹿げて見えた。曖昧で弱い感情。メリットと地位の冷たい論理に対して。


もう我慢できなかった。


そして、仮面が完全に亀裂を入れた。


笑顔を、練習した礼儀正しさを落とした。声が低く、より直接的に、家族以外にめったに見せない強烈さを帯びた。


「そう……」


彼をじっと見つめて言った。


「じゃあ、そういうこと。霧丘小次郎。今日から、君を私のライバルと見なす。Fクラスの誰かが私より上に立つなんて受け入れられない、絶対に。ごめんね、でも君の存在は……個人的な刺激になった」


「……!?」


彼を混乱させたまま残して、立ち去った。屈辱が燃えた、でも浄化の炎。


もう生き延びることや、アカデミーを浄化することだけじゃない。


彼のこと。


彼に、自分自身に証明すること。私の場所が最高だと。彼の功績は私が修正する異常だと。


クラスメイトを集めた。


「計画を変更する!」


大胆で急進的な新しいビジョンを説明した。


抵抗があった、信じられないという反応。でも私、藤森しずくは、彼らをポイントシステムの頂点に導いた。目的と道具を与えた。そして同じ鉄のような論理と、強制に近い説得で、納得させた。


授業が始まる前に、私たちは素早く着替えた。それは私一人ではない。共に戦うと決めた仲間全員が、同じタイミングで装備を身にまとう。


私が設計し、製作した全ての装備と武器。混沌に飲み込まれたこのアカデミーの中で、生き残るためではなく、支配するための装備。


この瞬間から、私たちはただの生徒ではない。アカデミーにとっての象徴となる存在だ。


私たちは自分たちのグループに名前を与えた。


「白麗」。


混乱と恐怖に満ちたこの閉鎖された世界で、なおも“白”であり続ける意志。それは単なる純粋さではない。汚れなき白は、時に残酷なまでの“麗”しさ――磨き上げられた刃のような美しさを纏う。


秩序が壊れた世界だからこそ、何にも染まらず、完璧に洗練された“無垢”という概念は、最も恐ろしい力になる。


それが、この名前を選んだ理由。


準備を終えた私たちは、アカデミーの中央中庭――全ての建物の視界が交差する場所へ向かった。


私はメガホンを手に取り、アカデミー全体へ向けて、約束とビジョンを告げた。


支配でも、恐怖でもない。「導く」という名の宣告。


全ての生徒が、私を英雄として、救世主として見始めるのを観察しながら、信じられないほど気分が良かった。


感情ではない。計画が、思惑通りに進んでいるという事実が心地よかっただけ。


だが、視線を集まる生徒たちへと巡らせている途中で、一人の存在に気づいた。


霧丘小次郎。


彼は、まだ計算の外にいる。乗り越えるべき障害。分析すべき対象。


英雄の物語には、必ず“想定外”が存在する。


そして彼は――

その役割に、最も近い存在だった。


このアカデミーでの大騒ぎを終えて、素早く退散してクラスに戻り、疑念を招かないようにした。


私にはこの新しい計画で非常に重要なことがまだあった。


その後、プライベートでアレックス先生と話した。


「クラス転入が必要なの……」


彼の驚きは明白だった。


「代わりに」


変わらない調子で続けた。


「Aクラスは相当な量のポイントを転送する。もちろんあなたの裁量で。三十万ポイントとしましょうか」


露骨な賄賂、学術取引の衣を着た。


彼は知っていた。私も知っていた。


でも今やポイントがアカデミーの魂。


彼、疲れと諦めの間の表情で、頷いた。


翌日、アレックス先生と一緒に廊下を歩いた。


あの眠そうでだらしない教師、Fクラスのオズワルド先生に会った。


やり取りは短かった。アレックス先生が話し、オズワルド先生が私を侮辱するほどの無関心で頷いた。


それから、Fクラスの教室に入った。


そう、私は決めた。私を超えたあの男子をもっと近くで観察すると。


霧丘は後悔するわ。


オズワルド先生が口を開いた。


「さて諸君、転入生がいる。クラス転入は昨日のはずだったんだが、彼女がポイントを使ったんでね、問題なく実行されたってわけだ」


オズワルド先生が私を見た。自己紹介を待っているかのよう。


新しい担任を見て、怒りしか感じない。


「藤森しずく、Aクラスから転入してきました。皆さんとうまくやっていけることを期待しています」


完璧さを壊さないよう、いつもの表情で微笑んだ。この新しいクラスは私を新しい女王として見始めるべき――それが念頭にあった。


全ての視線が私に突き刺さった。驚き、好奇心、何人かの顔には敵意が見えた。


そして、彼の目を見つけた。


霧丘。


口をぽかんと開けて、彼の分析的な表情が驚愕で完全に武装解除されていた。


その瞬間、深く暗い満足感が胸に花開いた。


そこよ、霧丘小次郎。


君のライバルは距離を置いて、統計的敗北を嘆いたりしない。君のライバルは線を越え、君の領域まで降りてきて、内側から観察する。


まだ理解していない。君に何があるのか、この負け犬のクラスでどんな錬金術が起きて私を超えることを可能にしたのか。


でも見つけ出す。


君の功績の一つ一つを分解し、君の秘密の一つ一つを理解し、君の目の前で、全員の前で証明する。


完璧は偶然じゃない。選択。


そして私はずっと前に選んだ。


この転入は敗北じゃない。


もっと面白いゲームの最初の動き。


そして私は決して、決して負けない。

次回――


交錯する思惑。


白麗の演説によって揺れるアカデミー。

その余波は、確実に各クラスへと広がっていく。


Fクラスにも、新たな顔ぶれが加わる。

それぞれが抱える事情、感情、そして過去。


交わる視線。

すれ違う想い。


だが情報は集まり始める。

点だったものが、線へと変わっていく。


そしてアレンは、ついに決断する。

すべてを共有し、戦うために。


三つの勢力が交差する中、

物語はさらに加速していく――。

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