Fクラスの異才たち
Fクラスは“落ちこぼれ”ではない。
それは成績の問題ではなく、
もっと別の基準で選ばれた者たち。
異質。
特異。
そして――適合者。
少しずつ集まり始めた情報。
説明のつかない現象。
偶然とは思えない一致。
誰かが見ている。
誰かが試している。
まだ断片にすぎないが、確実に“線”は繋がり始めていた。
Fクラスの物語は、ただの学園生活では終わらない。
何かが裏で動いている。
僕の視線は、クラスの前に立つあの少女に釘付けになっていた。彼女を包むその暗いオーラ……一体何者なんだ?
話し始める前、彼女は一瞬だけ沈黙を守った。それから顔を上げ、教室中の全員を見渡す。
「……私はアビゲイル・ワトソンと申します。まず皆様に、昨日の出来事についての私の感想をお伝えしたくて……それは……最高でしたわ!」
心臓が跳ねた。まるで冷たい針で刺されたような感覚だ。彼女は……昨日のあの惨事を笑顔で語っている……?
「驚嘆に値しますわ。素晴らしい。言葉では表現しきれないほどの感動……ああ、超常的な存在がこの世に実在するなんて……ああ〜幸福ですわ」
すぐに別の少女が立ち上がり、彼女に食ってかかった。
「何を馬鹿なことを言っているのですか!」
全員の注意が中央列の真ん中の席にいる少女に集中する。
「どうしてそんな異常なことをクラス全員の前で言えるのですか? あなた、病気なのですか? それとも狂っているのですか?」
「……私はただ、皆様に自分の気持ちを共有したかっただけですのに……」
「お願いですから、そのような不愉快な発言は心の中にしまっておいてください」
先生が意外にも、この口論に割って入った。
「二人とも落ち着きなさい……君、立っているんだから、クラスに自己紹介してみたらどうかな」
立ち上がった少女は、一つの動作で長い茶髪を整えた。
「中村ひなたと申します」
ワトソンさんが親指の爪を噛み始めた。中村さんを睨みつけている……明らかに対抗心を燃やしているようだ。
「ひなた……と言いますのね……」
「何か問題でも?」
「……いいえ……ただ、あなたの自己紹介は随分と……味気ないものでしたわね。何も語らなかったではありませんか。私は少なくとも、超常的な事象に満ちたこの世界の一員である喜びを皆様と分かち合いましたのに」
「げっ……気持ち悪い」
明らかに昨日の件が尾を引いている。あの出来事は誰にとっても受け入れ難いものだ。この二人の衝突は、その象徴と言えるだろう。
「では、わたくしについてお話しいたしましょう。わたくしは巫女の一族の出身でございます。家族は街の郊外で神社を守っております」
これには全員が驚いた。先生でさえ感心した様子だった。
「へえ。じゃあ君は超常現象に馴染みがあるんだね、ひなたさん」
「いいえ、先生。わたくしの一族は昨日のような事態を一度も経験したことはございません……昨日のあれは……恐ろしゅうございました」
先生は苦笑いを浮かべ、頭を掻いて大きく溜息をついた。
「二人とも座りなさい。残りの自己紹介を続けようか」
二人は無言で着席したが、ワトソンさんと中村さんの間に明確な敵対関係が生まれたのは誰の目にも明らかだった。
次に先生が指名したのは、僕と同じ列の前方にいる男子だった。立ち上がった彼は、恐ろしいほど冷静で動じない様子だった。
「夜神ルカイだ。趣味は読書、絵本も含めてあらゆる種類の本を読む。国外、東の方から来た」
先生が困惑した様子で眉を上げる。
「まるで謎かけみたいな言い方だね。どこの出身か具体的に言ってくれないかい?」
「いや。申し訳ないが、それは言えない」
「……まあ、好きにしなさい」
夜神くんはそれ以上何も言わず、再び着席した。
僕にとって、彼は……理解し難い……というか……奇妙だ……。
先生は疲れた様子で首を傾げながら、最前列の一番奥にいる少女を指差した。
立ち上がった彼女は、脚が激しく震えていた。隠そうともしていない……いや、隠せないほど明らかだった。
「も、申し訳あり、ません……脚が、う、うまく動かなくて……です……」
「ゆっくりでいいよ」
「は、はい……先生……です……」
少女は何度も深呼吸を繰り返し、最後に自分の頬を叩いてようやく落ち着きを取り戻した。
「皆さん、よろしくお願いします、です。アンヌ・ルブランと申します、です。昨日のことが話題になっていますが……正直、怖いです……これから何が起こるのか……怖いです、です。先生! 家に帰りたいです!」
先生の表情が曇った。しかし何も言わない。
「お願いします、先生! です!」
だが先生は彼女の懇願に応じなかった。
ルブランさんは頭を垂れて座り、机に突っ伏した。小さな嗚咽が聞こえてくる。
先生は依然として曇った表情のまま、次の生徒を指名した。今度は二列目の後ろから二番目にいる男子生徒だ。
彼は立ち上がったものの、自己紹介をせずに……なぜかルブランさんのところへ近づいていった。
「恐れることはありません、アンヌお嬢様。あなたを包むこの赤い花々は、決して枯れることのない誓いの色。たとえ世界が棘で満ちようとも、僕がそのすべてを断ち切り、あなただけを永遠の楽園へと導きましょう」
僕は……何と反応すべきか分からなかった。
ルブランさんは彼を見上げ、その言葉に何か希望を見出したようだった。
先生が割り込んで自己紹介を促すと、彼は演劇のような大げさなポーズを取り、声を張り上げた。
「僕はマルコ・ロッシ。美の守護者です。美が永遠に保たれるため、特に美しき女性たちのために、僕は遣わされました」
変だ! それが僕の唯一の感想だった。聞いているだけで恥ずかしくなってくる。
先生もロッシくんには呆れた様子だった。
「まあ……座りなさい」
今度は三列目の前方にいる男子生徒が指名された。
彼は優雅に、しかしどこか軍人のような雰囲気で立ち上がった。
「ここにいられることを光栄に思います。成績が良くないためにここに配属されましたが、兵士として向上し続けます。今やこの場所は敵で溢れていますからね」
僕は徐々に、自分が変わった人間ばかりに囲まれていると確信し始めていた。
「……それで? 君の名前は?」
「ああ! そうでした、危うく忘れるところでした。イワン・ペトロフです。父は偉大な兵士で、昨日のような怪物の出現は、僕のスキルを磨き、父に誇りに思ってもらうための完璧な機会だと考えています」
誰も何も言わない。彼一人が自分の言葉に満足しているようだった。
ようやく着席し、先生は今度は四列目の後ろから二番目の生徒を指名した。
彼はこれまでの生徒たちと比べて非常に普通に見えた。もしかしたら、彼とならまともな会話ができるかもしれない……そう思ったのだが……
「よろしく、クラスの皆。高橋涼太っす。えっと……先に全ての3D女子に言っとくぜ。俺に近づくな、お前らは俺の相手じゃねえ。分かったな?」
やはり変人ばかりだ! 僕の頭の中はそれだけだった……間違いなく、最悪のクラスに配属されてしまった。
先生はタカハシくんを無視して、次の生徒を指名した。
今回は何かが違った。最後に自己紹介する少女には、彼女を際立たせる不思議なオーラがあった……そう、まるで太陽のように輝いているかのような……
説明するのは難しいが、僕が彼女を見た時に感じたのはそういうものだった。セミロングの髪と輝くような褐色の肌。彼女は笑っていた……その笑顔はまるで暗闇のすべてを照らすかのようだった。
「よろしく、みんな! あたし、サラ・ジョンソン! 昨日のことでみんな動揺してるのは分かるけど……」
彼女は周囲を見渡し始め……そして彼女の目が僕の目と合った。僕は思わず身を引いた。
「怪物がいようと、世界が終わろうと、あたしは……勉強を終えて、卒業して、プロの水泳選手になるんだ!」
彼女が非常に頑固なのか、それとも昨日の出来事がトラウマになって恐怖を偽りの意欲で隠しているのか、僕には判断がつかなかった。しかし……あの笑顔と独特な態度は、確かに目を引くものがあった。
先生が拍手をして、何か言い始めた。
「さて、残っているのは最初に中断した小次郎くんだけだね。もう一度クラスに自己紹介してくれるかい?」
立ち上がった。
周りは変わった人間ばかりだ。トラブルしか招かないような連中に囲まれている。しかし……今の僕には、彼らが知らない方法でこのアカデミーの脅威に立ち向かう手段がある。
「霧丘小次郎だ。僕はこのアカデミーの脅威を排除する。それだけじゃない……生徒会長になって、このアカデミーを根本から再建する」
僕の動機と決意にもかかわらず、サラジョンソンを除く全員が奇妙な目で僕を見ていた。
気を取り直した。
先生はデジタルボードに近づき、ゆっくりと何かを書き始めた。
「じゃあ、君たちがこのアカデミーで生き延びるための基本中の基本を説明するよ」
僕は注意を払った。先生がこの種の情報で嘘をつくとは思えない。
要約すると……このアカデミーのポイントシステムは、全生徒の生存に直結している。成績、課題、デジタルバトルなど、あらゆる獲得方法に加えて……今やエーテリアルの狩猟が追加された。
アカデミー専用デバイスに警告が届き、エーテリアルが出現する5秒前に全員に通知される。
また、現生徒会長が提案した新しい投資システムが開設された。いわゆる「投資ファンド」で、クラス全体で少額を拠出し、クラス独自の収入源を持つというものだ。これは戦闘能力や装備を向上させるために使用できる。
このファンドが必要な理由は、スキルが最初から全てアクセス可能ではないからだ。何らかの方法で全てを解除する必要がある。
そして先生が言及した最も重要な点は……エーテリアルは物理的な脅威ではないということだ。
これらの存在は、現実に物質化できる一種のデジタル実体だ。この現実に触れることはできるが、実際の物理的ダメージは与えない……そう見えても。
本当の問題は、彼らが持つ力の種類だ。先生の説明によれば、人々の心理にダメージを与える能力があるという。
どういう意味で心理的ダメージを? 疑問に思ったが、先生は「様々な意味で」という曖昧な答えしか返さなかった。
エーテリアルは多種多様な感情を引き起こしたり、あらゆる種類の感情を注入したりすることができる。もし誰かが心理攻撃によって傷ついた場合、先生によれば、アカデミーの医師に治療してもらえるそうだが……それでも油断すべきではない。
エーテリアルの背後には、さらに何か隠されているかもしれない……その考えが僕の頭から離れなかった。
最後に先生が言った。
「じゃあ、君たちだけで10分間、お互いを知る時間をあげるよ。じゃあね〜」
先生が出て行くと、重苦しい沈黙が残された。
ここには互換性のある人間なんていない……そう僕は思った。全員があまりにも異なっていて、クラスメイトたちは社会的な障害物にしか見えない……
そう考えていたら……ジョンソンさんが立ち上がり、決意に満ちた表情で教室の中央に立った。
「みんな! 聞いて! 今、あたしたち最悪の状況にいるんだよ。だからこそ協力しなきゃ、何が起こるか分かんないでしょ? だから、あたしを委員長に選んでほしいな!」
中村さんが自分の席から彼女に反論した。
「なぜあなたがそうあるべきなのですか? わたくしこそが最も適任だと考えております。このアカデミーには多くの規則があり、あの恐ろしい怪物もおります。知的な者だけが我々全員を導くべきであり、それはわたくしでございます」
「でも何言ってんの、ひなたちゃん! あたしたちみんなFクラスなんだよ、誰も頭良くないって!」
それが中村さんを激怒させたようだった。彼女は立ち上がって対峙した。
「もう一度言ってみなさい……勇気があるなら」
ジョンソンさんは少し怯えた様子だったが、すぐに別のアイデアを思いついた。
「じゃあ、小さなテストで決めよう!」
「テスト?」
「そう! このアカデミーのシステムって、超高性能なAIみたいなものでしょ? あたしたちのデバイスでテストできるんじゃない?」
「こんなものに何か実装されているわけがありませんわ」
しかし実際に実装されていた。スマホのようなデバイスには、試験問題をシミュレートするアシスタントのような機能があった。
結局、全員が何らかの形でそのアプリの質問に答えることに同意した。最高得点を取った者が委員長に、二番目が副委員長になる。
わずか5分で、全員が結果を確認するために集まった。
もちろん、僕のプライドは低い点数を取ることを許さなかった。そのプライドのおかげで、僕は完璧で比類のない最高得点を記録した。全員が驚いていた。特に中村さんは。
「あり得ません! どうしてFクラスにそのような成績の者が存在するのですか?」
「まあ……」
「聞きたくありません」
なんて感じの悪い女だ。
二番目に高い得点を確認すると……驚くべきことに、僕の成績の真実と同じくらい驚くべきことに……二番目に成績が良かったのは……サラジョンソンだった。
中村さんは怒っているだけでなく、非常に挫折していた。彼女の自信は完全に打ち砕かれた。最初から話し始めた時に感じられたのは、まさにその自信だったのだから、当然のことだ。
僕は遅すぎる気づきを得た……今や僕は、「変人」とだけ分類していたクラス全体の代表になってしまった。
だが……これから先は、もっと興味深いものになるかもしれない。
* * *
(アレン)
クラスに入ると、担任の先生が誰なのか気になっていた。そして、教壇に立っていたのは……見覚えのある顔だった。
六花先生。
以前、Aクラスの担任をしていた人物だ。なぜこんなに厳格な先生がFクラスに配属されたんだろう?これは武蔵の、あるいはリリスの意図的な配置なのか? しかし、アカデミー全体の教師配置は僕たち生徒がアクセスできる情報じゃない。直接聞いたところで答えてくれるはずもないだろう。
「初めまして、Fクラス。恐らく私のことはご存知でしょうが、改めて自己紹介させていただきます。川島六花です。今年度、皆さんの担任を務めさせていただきます」
六花先生の声は冷たく、そして確固たる意志を感じさせるものだった。
先生はエーテリアルの脅威が全生徒に公開された今、アカデミーに新たに実装されたルールについて説明し始めた。聞けば聞くほど、まるでクラスを兵士の部隊のように扱っているような内容だった。
ホームルームが終わり、新しいルールの説明が一通り済んだ後、僕は動き始めることにした。みんなを周りに集めて、これからの計画を伝える必要がある。
「みんな、ちょっと集まってくれ」
まず最優先でやるべきことは、エーテリアルという存在についてもっと深く調査することだ。それが終わってから、仲間を増やすことを考えよう。
アヤとかんなが主な攻撃役になる。僕も攻撃役として参加するつもりだ。
今日の計画は、アカデミーの周辺を調査して、エーテリアルの仕組みを理解する手がかりを見つけること。ただ、それも簡単じゃない。何が彼らを出現させるのか、参考になるものが何もないんだ。あいつらは突然現れる。それがエーテリアルという存在だ。
出現パターンを分析して、いつ現れるか予測することはできるかもしれない。今のところ、頼りになるのはアカデミー全体に鳴り響く警報だけだ。それも出現の五秒前にしか作動しない。
調査すべきことは山ほどある。だからこそ、今すぐ動き出さなければならない。
* * *
授業の途中、突然警報がアカデミー中に鳴り響いた。
窓の外を見ると、緑色の霧が徐々にエリア全体を覆い始めていた。エーテリアルが出現する場所を確認しようとしたが、霧で何も見えない。
その時、廊下から悲鳴が聞こえた。
僕たちは急いで教室を飛び出した。廊下の真ん中に、エーテリアルが一体。目の前には女子生徒が一人、今にも襲われそうになっている。
糸を召喚し、エーテリアルの動きを拘束する。
「アヤ!」
「任せて!」
アヤの鎖がエーテリアルを縛り上げ、圧迫し始める。そして、かんなが一太刀で真っ二つに斬り裂いた。
エーテリアルは、まるで破損したデータか現実に散らばるコードの断片のように消滅していった。
今回の出現で一つはっきりしたことがある。エーテリアルはどこにでも現れる。そして、その数も一定じゃない。以前は複数体同時に現れたが、今回は一体だけだった。
外の緑色の霧が消え始め、すべてが元通りになっていく。
背後から足音が聞こえた。
振り返ると、見覚えのあるような……でも、はっきりと思い出せない顔があった。
長い髪、深い緑色。怯えた表情で、僕やアヤ、かんな、そして周りにいる誰の目も見ようとしない少女だった。
「あ、あの……皆さん、大丈夫ですか……?」
「ああ、大丈夫だ。でも、君は誰だ? なぜここに?」
「え、えっと……! 私は森宮杏奈です。生徒会の、秘書を務めています。新しい任務で、エ、エーテリアルが出現するたびに報告して……皆さんが無事かどうか確認するように言われて……」
突然、りんが声を上げた。
「ああー! あんた、あたしとアレンのバトルで審判やってくれた子じゃん!」
あ……思い出した。廊下で出会って、りんが審判を頼んだあの子だ。
こんなに内気な子が生徒会の秘書に選ばれたなんて、意外だ。
「そ、それじゃあ……大きな問題がなければ失礼します……ご、ごめんなさい……」
森宮さんはそう言うと、走って去って行った。
彼女が生徒会の一員だということは、生徒会も今、アカデミー全体で新しい動きを見せているということだ。
その後、一日は平穏に過ぎた。エーテリアルの追加出現はなかった。
* * *
部活動の時間になったが、僕はみんなに警告しておいた。警戒を怠らず、周囲の状況に十分注意するようにと。
演劇部の部室に着くと、雰囲気が重苦しかった。守の姿もどこにも見えない。
クロエがステージに上がり、みんなに向けて話し始めた。
「みんな……話があるの」
全員が近くに集まる。アヤが軽く肘で僕を突き、奥の方を指差した。見知らぬ誰かが、遠くから話を聞いている。
「アカデミー全体の士気が地に落ちてるのは、みんなも感じてるわよね……どこに行っても緊張ばかり。わかるわ……誰も演技する気にならないし、モチベーションもない……だから、活動は一時中止にします。また、あたしたちがステージに感動を届けられる演劇部に戻れるまで……それまで、みんな元気でいてね……」
クロエ……先輩は俯いたまま去って行った。
周りの部員たち、特に先輩たちの表情は暗かった。彼らにとっては最後の年だ。こんな状況になるのも無理はない。
朋也と カリが近づいてきた。二人とも先輩たちのことを心配している様子だった。何かしてあげたいと。
リクルートするチャンスかもしれないと思ったが、それを口にする前に、朋也が言った。
「なあ、アレン……俺、エーテリアルを一体、捕獲したかもしれないんだ」
「……何!?」
疑問が次々と湧き上がってきた。そして、大きな謎が今、始まろうとしていた。
次回――
エーテリアルは“怪物”ではないのかもしれない。
倒したはずの存在が、
スマートフォンに“残る”。
吸収されたデータ。
現れる謎のアイコン。
そして崩れ始める仮説。
目撃される黒ずくめの影。
科学棟の周囲。
部活の近く。
偶然にしては出来すぎている。
さらに現れる被害者。
傷はない。だが確実に蝕まれていく精神。
これは単なる襲撃ではない。
観察か。実験か。それとも選別か。
そしてFクラスは決断する。
守るために。
抗うために。
仲間を増やすために。
データは集まり、疑念は確信へと変わる。




