旅の途中より
その僕の新しい相棒、というよりは人生のパートナーに出会ったのは大分前だった。
本当に「運命」と言ったら君は笑うだろうか。
弱い、弱すぎる僕に常に寄り添ってくれた君。
あの日、扉を閉めて、旅立とうとした僕の目の前に大きな荷物を背負った君が待ち構えていたのには本当に驚いた。
驚きで口も動かせない僕に、君は笑って頷いた。
それで僕は観念したよ。
泣き笑いの顔いっぱいで僕は手を君に差し伸べた。
君と手を繋ぎながら、旅の一歩を踏み出したね。
旅をしてる僕に、何処からどう来たのか手紙がたくさん来た。
僕の旅を祝福してくれる声ばかりに胸が熱くなった。
君も、「素敵な仲間がたくさん貴方の周りに居るのね」って言ってくれたね。
だから僕は、以前僕に届いたたくさんの手紙たちから返事を書くことにした。
僕は筆まめじゃあなかったからね、手紙をくれた仲間には大変申し訳なく感じるよ。
手紙の返事を、苦にした時も正直あった。
苦にしたことを吐露した時に、叱って下さった方が居た。
「手紙の返事は書き手への、貴方からの心の"答え"でしょ?」
って。
無理に書くことは無いって言われたことは多々あったけれど、その言葉にハッとしたよ。
僕が、書きたくて、感謝を伝えたくてやっている事なんだから。
苦にしてちゃあいけない。
本当に、僕がしたくてしているんだから。
君にもそう話してみた。
「そうだね」
って微笑みながら頷いてくれた。
僕の旅はまだまだ途中。
あの場所には、まだ理由があって戻れない。
でも、必ず戻るから。
仲間には待っててほしい。
まずは、手紙の返事から始めようと思う。
たくさんの手紙の返事を終えたら、旅が一段落したらまた書くことを始めようと思う。
いつになるかは、分からない。
旅は順調とは言えない。
苦労も涙も多い。
その分、君が隣にいてくれるから半減している。
本当に君には感謝だよ。
手紙をくれた仲間と何より君に感謝。
僕は明日に向かって歩いています。
お読み下さり、本当にありがとうございます。