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ほうかごヒーロー!~五時までの、異世界英雄伝~  作者: カメメ
9章-3 自分勝手な少年の、たった一つの願い事~トリドリツリー編~
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1 いざ、トリドリツリーへ!

 木の葉は心地よい音を奏で、遠くで鳥たちは音楽を歌います。


「本当だ、いつの間に着いていたんだね。ありがとうリオン!」


 笑顔で振り返る劉生君でしたが、


「って、いない!」


 いませんでした。いつの間に帰ってしまったのです。


「そんなっ!挨拶くらいしてもいいんじゃないの!?」


 さすが俊足のリオンです。とても早いです。


 それにしても、帰ってしまうなんて酷い王です。それほどまでに劉生君を運ぶのが嫌いだったのでしょうか。それとも、トトリのすぐ近くにいたくなかったからでしょうか。おそらく、その両方でしょう。


 リオンと一緒にある程度までトリドリツリーを攻略できると思っていましたので、劉生君は唇を尖らせます。


「むう、仕方ないか。……よーし、いくぞっ!」


 頬をパンパンと叩いて気合いを入れてから、劉生君はぶんぶん腕を振り、トリドリツリーに向けて突撃し、


「あぶっ!」


 何らかの壁にぶつかり、転がってしまいました。


「ううっ、いったいー」


 一体何にぶつかったのかとキョロキョロ辺りを見渡します。しかし、目の前には何もありません。試しにおそるおそる手を伸ばすと、指先が何かの壁にぶつかりました。


 どうやら、透明な壁が張っているようです。


「あー、そういえばトリドリツリーの壁は音楽で開くんだっけ?」


 試しに歌を歌ってみます。


「るんるんるるらんるるらららん!」


 開きません。


「らんらんるるるーるるるるるっ!」


 開きません。


「らんらんらん!らんらんらん!」


 開きません。


「……よし、」


 劉生君は剣を抜きます。


「ていや!」


 壁を叩き割りました。


「よしっ!突破!」


 橙花ちゃんもトリドリツリーに攻めるときは壁を壊していたと言っていました。


 トトリは壁を壊すのを嫌そうにしていましたが、まだトトリも目覚めていないわけですし、仕方ありませんね!


「さて、行こう行こう!咲音ちゃんに会いに行こう!」


 劉生君は鼻唄を歌いながら、トリドリツリーの領土に足を踏み出しました。


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