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ほうかごヒーロー!~五時までの、異世界英雄伝~  作者: カメメ
9章-1 自分勝手な少年の、たった一つの願い事~フィッシュアイランド編~
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14 劉生君VS友之助君!

 

 聖菜ちゃんは勝利し、幸路君はみおちゃんの温情で勝ちを得ることができました。それでは、最後の勝負、劉生君と友之助君の戦いを見てみましょう。


 二人は撃って斬ってを繰り返し、戦い続けていました。


 その途中で、李火君が負け、みおちゃんが幸路君の説得に絆されてしまいました。劉生君は戦いの途中でしたが、嬉しくて嬉しくてニコニコ微笑みます。


「よかったよかった! 二人とも帰ってくれる! 嬉しいなあ! 友之助君も一緒に帰ろうよ! それでみんなで遊ぼう!」


 友之助君は、ギロリと睨みます。


「何度も言わせるなっ! 断るっ!」


 バンバンと友之助君は銃を撃ちます。一発一発は強くありません。ですが、劉生君の動きをじっと観察し、劉生君が避け得ないタイミングで弾丸を放っていますので、着実に劉生君を傷つけています。


 身体は傷だらけだというのに、劉生君は楽しそうに笑っています。


「友之助君は強いねえ。すごいねえ。かっこいい!」


 キャッキャと喜ぶ劉生君に対し、友之助君は吐き捨てるように言います。


「それはそうだ。……お前らよりも強くなりたいって、ずっと願ってたんだからな」


 劉生君の返事を待つこともせず、友之助君は劉生君から距離をとり、空に拳銃を向けます。


「本番は、これからだっ!」


 銃弾は上に向かって放たれたはずでした。ですが、銃弾は軌道を大きく曲げ、劉生君に向かってきました。


「追撃するタイプの銃弾だ! それじゃあ、僕はこれで! <ファイアースプラッシュ>!」


 火の粉が弾に絡みつき、燃やしつくします。


「……さすが劉生だな」


 友之助君は顔をしかめます。


「だったら、これならどうだ!」


 友之助君は劉生君を倒したいと願いを込めて、引き金を引きます。

 狙いは、劉生君ではありません。

『ドラゴンソード』を握る、劉生君の腕です。


「わっ、痛っ!」


 劉生君は新聞紙の剣を落としてしまいました。すぐに、友之助君は劉生君の懐に入ります。


 本来、剣と銃との戦いでは、とある条件ですと銃がかなり有利になります。その条件とは、双方が接近せず、ある程度の距離がとれているときです。


 銃の優位性が大きく覆るのは、双方が近くまで、剣が届く距離まで近づいた場合です。それが分かっていたからこそ、友之助君はずっと遠くから攻撃していました。


 しかし、ずっと戦い続けても、劉生君には勝てませんでした。


 そのうち、李火君もみおちゃんも負けてしまう始末。


 ですので、友之助君は賭けにでました。


 劉生君の武器をどうにかして落とし、彼の懐まで接近、そして彼の急所を撃ち抜く作戦です。ここで勝負をつけようと、彼は考えたのです。


 ですが、剣は友之助君が思っているよりは遠くに飛ばず、すぐ足元に転がってしまいました。


 これでは、友之助君が間合いに入る前に、劉生君に剣を拾われ、返り討ちになってしまいます。


 友之助君は、一瞬焦ります。


 攻撃を止めて、一回立て直そうかと逡巡する友之助君ですが、すぐに逃げの発想を捨てます。


 劉生君が剣を取るのが先か、それとも自分が銃を撃つのが先か。


 友之助君は、賭けに出ることにしました。


「食らえ、劉生っ!」

「っ!」


 劉生君はすぐにしゃがみ、剣に手を伸ばします。


 しかし、 友之助君の方が早く動くことができました。


 友之助君は劉生君の心臓部分に銃口をつきつけ、迷いなく撃ちました。


「があっ!」


 劉生君は血を吐き、膝をつきました。それでも気絶せず、なおも剣を振るおうとしました。


 ですが、今回も友之助君が早く動くことができました。


 友之助君は瞬時に銃口を劉生君のこめかみにつきつけ、冷たい視線を向けます。


「これで終わりだ。降参しろ」

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