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ほうかごヒーロー!~五時までの、異世界英雄伝~  作者: カメメ
9章-1 自分勝手な少年の、たった一つの願い事~フィッシュアイランド編~
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5 VS李火君! さすが最年長! 狡猾ぅ!

 

 ふわふわな茶色の髪の毛、どうみても小学生にすらなっていない幼い顔立ちと身長ですが、実際は中学校三年生、橙花ちゃんよりも年上な最年長さんです。


 幸路君はカンカンに怒ります。


「お前が操ってたのか!手を出すなよ!これは男と男の」

「そう言われても、このまま放っておいたら負けてたじゃないか」


 李火君は悪びれもなく言い放ちます。なんなら、若干呆れ顔をしています。


 怒っているのは、もちろん幸路君だけではありません。劉生君も必死にロボットから逃げながら、涙ながらに怒ります。


「ひどいよ、李火君!意地悪!!そういうの良くないんよ!!!チートってやつだよ!!!」

「これは作戦。君のようなのがチートって言うの。……さてとっ、」


 李火君が軽く笛を吹くと、魚の乗り物たちが輪になって劉生君に接近しました。


 切ろうにも切れず、劉生君は右往左往するばかり。ついには囲まれてしまいました。


「うう、どうしよう。<ファイアーウォール>ではじく?でも、そしたら爆発しちゃうし……」

「そうだ、劉生君」


 李火君はハニカミながら話しかけてきました。


「あとひとつだけ言い忘れてたことがあったんだ」


 劉生君、それどころではありません。魚たちは劉生君めがけて押し寄せてきます。


「いいから、この機械止めてっ!」


 劉生君の必死の訴えを一笑にふし、李火君はとんでもないことを口にしました。


「その機械、実は自爆するんだ」

「……へ!?」

「ちなみに笛をもう一度吹けば、爆発するんだ」

「なんだって!!??」


 劉生君、気づかぬ間に大ピンチに陥っていました。


 これにびっくりしたのは、劉生君だけではありません。味方であるはずの幸路君も驚いています。


「そうなのか!?俺は聞いてないぞ!」


 どういうわけかわかりませんが、幸路君はご立腹のようです。目をつりあげ、怒鳴っています。


 批判めいた幸路君の訴えに、李火君は極めて冷淡です。


「こんな手でも使わないと、劉生君は倒せないよ」


 李火君は笛を加え、劉生君の様子を注視します。躊躇している訳ではありません。タイミングを見計らっているのです。


 それが分かっているからこそ、幸路君は固まってしまっていたのです。


 劉生君はなんとか逃げようと、懸命にもがいています。けれど、うまくはいかず、満員電車に乗っているようなぎゅうぎゅう詰めになっていました。


「うぐにゅー!」


 今、爆発されたら、劉生君といえども堪ったものではありません。


 だからこそ、李火君は息を大きく吸い、そして、


「やめろ、李火!」


 叫んだのは、幸路君でした。


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