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ほうかごヒーロー!~五時までの、異世界英雄伝~  作者: カメメ
9章-1 自分勝手な少年の、たった一つの願い事~フィッシュアイランド編~
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4 本気の勝負に、ロボロボな横やり?

 

「んじゃ、俺からいくぞっ」


 幸路君はぶんぶんと槍を回すと、劉生君に飛びかかります。


 さすがアンプヒビアンズで鍛えただけあります。攻撃の切れがそこんじょそこらの子供たちとは大違いです。


 劉生君でさえ、幸路君の攻撃を流すことしかできません。


「うぐぐっ……!幸路君強すぎ!もう少し手加減して!」

「お前には言われたくない……!」


 幸路君は叫ぶようにいうと、槍を下から上へ切りつけました。


 劉生君の体も宙に舞います。


「うぎゃあ!」

「これで、とどめだ!」


 ふわりと浮く劉生君に、槍を突き刺そうとします。


「うー、やられないぞ!ていやっ!<ファイアースプラッシュ>!」


 火の粉を顔面に散らします。幸路君は顔をかばい、動きを止めます。


「おりゃあ!」


 幸路君の手を狙い、新聞紙で叩きます。


「っ!」


 幸路君は槍を落としてしまいます。


「今だ!えいっ!<ファイアー>」


 幸路君に攻撃を与えようとした、そのときです。


 劉生君に何かが体当たりしてきました。結構な重量です。


「うぎゃあ!な、なに!?」


 飛んできたのは、デフォルメ化したお魚の乗り物でした。


 よく百円コインをいれたら、ちんたらちんたら進む、あの乗り物です。


 普段はのんびり牛歩の歩みをする乗り物たちですが、なんということでしょう!俊敏にかつ凶暴なメカへと変化しました!


「な、なにこれ……!めっちゃこわい!」


 驚いていたのは劉生君だけではありません。幸路君もです。ロボットをギロリと睨み付けます。


「なんだお前ら!手を出すなよ!これは男と男の戦いなんだ!」


 そんなこと言われても、ロボットたちは「真剣勝負に割って入るのは〝漢〟ではない……!」と逡巡しません。


 容赦なくロボットは劉生君に突撃します。


「よーし、倒しちゃうぞ!えい、<ファイアーバーニング>!」


 渾身の力を込めて叩ききると、意外や意外、簡単にまっ二つになりました。よし、と内心ガッツポーズした劉生君でしたが、マシーンは突如赤く輝くと、爆発しました。


「わあ!」


 反射的に腕で顔をかばい、後ろに飛び退きます。あまり爆発力はなかっのでそれほどのダメージにはなりませんでしたが、ビックリして引っくり返ります。


「な、なにこれ……!爆発した!」


 驚く劉生君に、幸路君ではない、誰かが声をかけました。


「危ないから、攻撃しない方がいいよ。機械たちは炎で攻撃したら爆発するからね」


 幸路君はびくりと肩を跳ねて後ろを振り向き、唸るように彼の名を呟きます。


「……李火……!」

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