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ほうかごヒーロー!~五時までの、異世界英雄伝~  作者: カメメ
8章 少年は誰がために剣を振る?
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1 すべて解決、だったはず……?

 

 劉生君ははたと目を覚まします。


 ここが自宅のベッドで、さっきの地獄のような光景は悪夢だと気がつくと、劉生君はベッドの上で体育座りをして、呻き声を上げます。


「まただよ……」


 先日、ミラクルランドから帰った翌日、劉生君は39度の高熱を出してしまったのです。


 もちろん学校はお休み。ミラクルランドにも行けませんでした。


 食欲もなく、寝ても悪夢にうなされ続け、心身ともに疲労しました。



 あまりにもフラフラでしたので、お母さんが心配してお仕事を休み、病院に連れていってくれました。

 それでも、目をつぶるとあの夢を見せられてしまいます。


「……なんなんだろう。やっぱり、魔神のせいなのかな」


 魔神を倒したときに初めてあの悪夢をみましたので、なにか因果関係がありそうです。


「んー、橙花ちゃんに聞いてみよ」


 学校行って、ミラクルランドに行って、橙花ちゃんに夢の話をしたら、やっとみんなで遊べます。


 劉生君はウキウキで階段をかけおります。


「お母さんー!おはよー!」

「あら劉生。元気になったの?」

「うん!学校いく!朝御飯食べる!」

「朝からすごい元気ね。もう少し静かにしてほしいわ」


 そう言いながらも、劉生君のお母さんはとても嬉しそうに朝御飯の支度を始めます。


 劉生君は食卓に座り、テレビを眺めながら朝御飯を待ちます。


 テレビは今日も深刻そうに日本国内の事件を紹介しています。両親はこういうニュース番組が好きで毎朝みていますが、劉生君はあまり好きではありません。


 お母さんにお願いして、『勇気ヒーロードラゴンファイブ』の録画を見せてもらえるようお願いしようかな、と考えていると、テレビの中のアナウンサーが焦りと緊張が入り交じった声で、「速報です」と言いました。


 何かあったのかと、劉生君はテレビに集中しました。


 アナウンサーは、こう告げました。


「いわゆる眠り病に罹患したと思われる子供複数人の症状が悪化、一人が心肺停止の重体になりました」


 劉生君は、思わず声を上げます。


「え?な、なんで?」


 眠り病の患者は、ミラクルランドで魔王に囚われていた子たちだったはずです。


「どうして……」


 その問いが、


 すべての始まりでした。

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