第七十話、ファイッツ
キバは、大木の幹の根元、大広間に移動した。
ムキッ
「「行かせませんっ」」
ア〇ンと〇ムソンが行く手を阻む。
筋肉と筋肉がぶつかり合う格闘戦が始まった。
「ぐうっ」
キバとアド〇とサムソ〇。
二体一である。
宙軍中野学校式近接格闘術をフルに使い、何とかさばいていた。
「「たまった」」
アド〇とサム〇ンが叫ぶ。
必殺技ゲージが溜まったのだ。
「「メンズビー――――ムッッ!!」」
二人が頭の先をキバに向ける。
頭の先からぶっとい、漢のレーザービームがキバに照射された。
「がっはあ」
キバは、直撃は免れたが、体力ゲージが赤く染まった。
必殺技ゲージも三本溜まる。
「今度はこちらの番だ」
レバーを下から前に半分回しキックボタン、”武神流早駆け”だ。
一瞬で、サムソンの懐に入る。
「”宙軍中野学校式、秘奥義、武神八双漣華”っっ」
逆ヨガフレイムコマンド×2、プラスパンチボタン×3だ。
ピッカ~~~ン
ドカドカドカ
辺りが暗転し、ヒットモーションが乱舞する。
キバは、倒れたサ〇ソンの前で、背中を向け左手を下に下げた。(←残身)
「サ、〇ムソンッ」
ア〇ンが驚きの声を上げる。
ズドオオン
キバが、ゲージ一本を消費して、”殺意の波動”を目覚めさせた。
「”宙軍中野学校式、禁秘奥義、瞬獄殺”っっ」
弱パンチ、弱パンチ、→、弱キック、強パンチである。(右向きの時)
ピッカ~~~ン
ドカドカドカ
辺りが暗転し、ヒットモーションが乱舞する。
キバは、倒れたア〇ンの前で、背中を向ける。
背中には赤い、”天”の文字が浮かんだ。(←残身)
「いやあああああ」
「アド〇ッ、サムソ〇ッ」
アルラウネが飛び出してきた。
アルラウネが、床に倒れた二人にしがみつく。
「……心配するな……」
「青あざや殴られた後の顔が出ている、”コンティニュー”画面で追いコインすれば、復活する」
キバがアルラウネに背を向け、しずかに大広間を出た。
背後から、
ウッワアア、ウッワアア、ウッワアア、
とエコーの聞いた声が聞こえてきたのは、気のせいにちがいない。




