第六十九話、花の間
丸い花壇が階段状に作られている。
その真ん中にベットがあった。
花壇に植えられた白い花からは、金色の粒子が沸き上がる。
アルラウネの魅了の間。
”花の間”である。
ベッドの上にはキバとブルーム・アルラウネ。
アルラウネは一糸まとわぬ姿だ。
頭の横には白い花。
つつましやかな胸に、ピンク色の突起が見えた。
「うふふ、さあ、来なさい」
アルラウネが、キバに手を差し出した。
艶やかに笑う
「ぐうう」
キバのスキル”根性も完璧ではない。
アルラウネを押し倒そうとする自分と戦っていた。
朦朧とした頭の中にたくさんのシーンがよぎる
「キバ様、夜這いですわ」
白い着物を着たユキノがキバの上にまたがっていた。
出会って三日目の夜這いの時だ。
「キバ様」
二の腕にもたれかかった彼女の頭を、無意識に撫でる。
上目遣いの視線が可愛かった。
「キバ様」
「目覚めろ、ユキノオオ」
白いもやに包まれた。
腕の中で段々と彼女の体が温かくなっていく。
「キバ様」
惑星エリンの恋の季節だ。
「乱交パーティーですわあああ」
バグズは美味しかった。
「キバ様」
母親であるユキナミに、ユキノとの結婚をもうしこんだ時、とても緊張した。
ユキノは全身桜色に染めていた。
「キバ様」
ヤマの結婚式の時、カイセン丼をほおばるユキノ。
インドラ橋で空中で縦回転している時、顔を真っ赤にして応援してくれた。
「キバ様」
そっと手を繋いでくる。
恋人つなぎだ。
結婚したら、必ず来ようと思った。
ア〇ミ秘宝館。
「キバ様」
コネコを助けると決めたユキノ。
フェリシアとナカムラ親子が小学校の校門に並ぶ。
いつかユキノと子供の三人で並ぶのだろうか。
「キバ様」
豪華なホテル(産婦人科)。
うるんだ目で見てくるユキノ。
一緒に宿泊する(監禁される)と心に誓った。
「キバ様ああああああ」
はっ
聞こえる。
「さあっ、私を護りなさいっ」
裸身のアルラウネが、正面から身を寄せてきた。
キバがアルラウネの両肩を手でつかんだ。
「ふふふ」
アルラウネが勝ち誇ったように笑う。
「それは出来ない」
キバが両腕でアルラウネを引き離しながら言った。
「君は、ユキノじゃないから」
静かに立ち上がり背を向けた。
アルラウネの顔が悔しさと嫉妬に歪む。
「〇ドンッ、サムソ〇ッ」
アルラウネは、小さな若木のころから一緒に居る二人を呼んだ。




