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ハーレムですわっっ。デキちゃった婚ですわっっ、どやっ。大宇宙ハーレム奇譚、キバとユキノのハーレムあれや、これや、だぜ。  作者: トウフキヌゴシ
第四章、ネコハーレム

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第五十九話、奪還

「317、小惑星帯周縁にダイブアウト」

 管制士のイナバ・ヨが答えた。


 小惑星内にダイブアウトは危険だ。

 海上(宇宙の三次元側)に出た瞬間に、小惑星にぶつかるからだ。

 ガラリア軍から通信が入り、座標が指定される。


「指定された座標をフェンリルウールヴとソウダマルに伝えます」

 通信士のイナバ・ミだ。


 ユキノのハーレム船、”エクストラコールド”が青白い(氷山の青)船体をひるがえし、指定された座標に飛ぶ。



「あれですね」

 ミユキが、重ハーレム艦、”フェンリルウールブ”の艦橋に置かれたゆったりしたソファーで言った。

 となりに、身重であるヤマも座っている。


 遠距離ズームで写されたモニターには、三つの艦影が映っていた。


「二艦は、ガラリアの戦艦、”文福茶釜改ぶんぷくちゃがまかい”で、一艦が特殊仕様……”穏神刑部いぬがみぎょうぶ”なんじゃないかな」

 監察官が言った。


 ”穏神刑部いぬがみぎょうぶ”は索敵や探査に特化している。


「敵艦の横から砲撃できるように回り込むよ」

「主砲の射程距離までステルス状態で行こう」

 艦長席に座ったハロクだ。

 

「「アイアイキャプテン」」

 艦を操縦していた、”海賊女王ツインリンクス”のフィギュア(一分の一アンドロイド)が答えた。 



「ミケ様からの暗号通信を傍受ですニャ」

「左の、文福茶釜改ぶんぷくちゃがまかいクラスから出てますニャ」 

 クロが、夫であるキジに伝える。

 キジもクロも長靴族、二本足で立った130センチくらいのネコである。

 執事とメイドの服を着ている。


「接舷させるニャ」

 キジが答えた。


 ソウダマルは小型のニンジャ艦だ。

 ステルスでなおかつ光学迷彩を使い、目視でも発見されなかった。

 静かに敵艦に近づく。


「ここですにゃ」

 ミケに指定された脱出口に、連絡通路用の接続チューブを伸ばし接続した。

 プシュン

 音を立ててハッチが開いた。


「速かったな」

 ミケがマリアを連れて、ソウダマルに移動する。


「エクストラコールドにむかえ」

 

 ソウダマルが低温イオンジェットを吹かし、エクストラコールドに艦を向けた。



 ビイイビイイ

 

 けたたましく警告音が鳴り響く。


「大変です、人質に逃げられましたっ」


 マリアを乗せていた、文福茶釜改の艦内だ。


「しばらく前に、外部ハッチが開閉した記録がありますっ」


 すぐに、特殊艦、”穏神刑部いぬがみぎょうぶ”に知らされた。

 即座に搭載された高度な探査装置レーダーを起動。


「くっ、ネコマタ星のニンジャ艦っ」


 エクストラコールドに向かって逃げるソウダマルを発見したのである。



「ばれたかな~」

「ステルス解除、全力でエクストラコールドまで逃げろ」

 ミケがキジとクロに指示を出した。 


 逃げ切った後ソウダマルはエクストラコールドと合流。

 ミケとマリアは連絡通路を繋ぎ、エクストラコールドに乗り移った。 


「マリア母様っ」

「ああ、フェリシア……」


 マリアとフェリシアが再会する。

 お互いを痛いくらいに抱き締めた。


 ガラリアの軍艦が武装を展開、宙間活動機を複数出撃させる。


「なあ、フェリシア、母親にひどいことをした相手に仕返ししたくないか?」

 ミケがフェリシアに聞く。


「……」

 フェリシアがマリアの顔を見た。

 マリアが一瞬心配そうにしたが小さくうなずく。


「したいですっ」


「よし、こいっ」

「”豆狸五式”で出るぞっ」

 ミケだ。 


「はいっ」

 フェリシアが大声で答えた。


「……フェリシアをよろしくお願いします……」

 マリアがミケに頭を下げた。


「ワシもミスリルアックスで出撃するっ」

 ドワイトだ。


「よしっ、行くぞ」 

「行きましょう」

 キバとユキノが一緒に答えた。


 ガラリア軍と戦闘が始まる。


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