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ハーレムですわっっ。デキちゃった婚ですわっっ、どやっ。大宇宙ハーレム奇譚、キバとユキノのハーレムあれや、これや、だぜ。  作者: トウフキヌゴシ
第三章、ハネムーンハーレム

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第四十八話、高速猫言語

 ミケ・ナマリブシは、”クノイチ”である。

 バウンティーハンター(賞金稼ぎ)は、世を忍ぶ仮の姿だ。

 ネコマタ星のネコ侯爵家の令嬢でもある。


 キュ、キュ、キュ


 隠密仕様の、ブレスレットコマンダーが小さな電気ショックを出した。 


 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[むっ、この船に、エダ(盗聴器、発信機)がついてるな]

 ミケだ。


 両隣の、キジとクロ、正面の、”太った猫”に話しかけた。


 ”高速猫言語こうそくねこげんご”だ。


 炬燵に入った背中がさらに丸くなる。

 

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[確かについてマスにゃ~] 

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[そうですニャ~]

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[…………]



 ”高速猫言語”


 猫族が使う、のどを鳴らすことによって高速で会話が出来る言語。

 微妙な速さの違いと音程で、ゴロという一音に十近くの意味を持たせることが可能だ。

 しかしその微妙な違いを、ネコミミでしかとらえることは出来ない。

 ゴロゴロ言っている猫は、高速でお互いに会話をしているのだ。

 いまだに、猫族以外の翻訳は成功していない。

 

 例:ゴ~ロ、ゴ~ロ、(訳、ひとよひとよにひとみゃごろ)

   ゴ~ロ、ゴ~ロ、(訳、ひとなみゃにおごれや)



 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[?、平方根ですかニャ、ミケ様]

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[いや……何でもない]

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[どうしマスかニャ]

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[行ってきますかニャ?]


 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[ふ~む……、よしっ、翔ベっ]

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[キジ、メイン、クロ、サポート]

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[[了解ですニャ~]]

 

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[”種族特性スキル、シュレディンガー”、発動ですニャ]


 キジとクロが、量子ネットワークの中に直接、()()()



 ”種族特性スキル、シュレディンガー”


 猫族に太古から伝わる、自身の体を量子化する種族特性スキル

 過去には、

 

 疋田にゃんこ―の箱抜けマジック。

 木の上で首だけ出してニヤニヤ笑う。

 質量を持った量子だとっ。


 などの記録がある。

 量子ネットワークの中を、自在に()()()のだ。



 キジとクロは、量子ネットワークの中を、盗聴器の発信元まで翔んだ。


 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[こ、これは]

 発信元を確認して、ミケの元まで帰った。


 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[かくかくしかじかでしたにゃ~]

 

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[そうか……、一応オマメさんに報せておこう]


 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[了解ですニャ~]


 報せた。

「ああ、気づいてますよ」

「何かのサプライズでも考えているのかもしれませんね」 

 オマメさんは、発信元をすでに知っていた。


 流石は、稼働時間600年近い優秀なAIだ

 

 ミケが感心した。


 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[おいっ、無関係の俺に簡単に聞かれていいのか]

 太った猫だ。

 バフッ

 炬燵から顔を出す。

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[ちょっと不用心じゃねえか、ナマリブシ家の御令嬢様?]


 ミケと、キジとクロが、”太った猫”を見る。


 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[いえ、コルトバの諜報部のかたと見受けられます] 

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[いざという時に、協力を要請したいのですが]


 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[ふんっ、ばれてたのか]

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[コルトバ諜報部中佐、コードネームは、”ブンタ”だ]

 太った猫である、”諜報部中佐、ブンタ”が答えた。

 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[ここの主は能天気だ、お互い気をつけていこうか]


 ゴ~ロ、ゴ~ロ、[はいっ]

 ミケが答えた。


 ネコスパイ、”ブンタ”。

 この道三〇年のベテランであった。


 ”振り向けば、あなたの後ろに猫スパイ”

 

 猫は、”春”の季語らしい。


「平和だなあ」

 キバは、四匹の猫が炬燵でゴ~ロ、ゴ~ロと喉を鳴らしているのを見た。



「う~ん、素直に一緒に行こうと言えばいいのに」

 裸でヤマの腕の中にいる、監察官がつぶやいた。

 

 彼の攻撃型戦闘艇、”ピグマリオン”は、”エクストラコールド”の索敵範囲ぎりぎりをついてくる艦を補足していた。

 エダの発信元だ。


 フェンリル級重ハーレム艦。


 ミユキとハロクの乗艦である。


 

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