第四十一話、女王様とお呼びっ
ユキノさんを女王様と呼びたい人は、☆を★に変えてください。(コルトバ国籍が必要)
首都、”エターナル・スプリング”に帰ってきた。
「”女王様とお呼びっ”のアプリはダウンロードしたか」
コルトバ現女王、”ユキナミ”が娘たちに言った。
ユキナミには、年ごろの娘が四人いた。
「はい、しております」
175センチくらいの細身な身体。
腰までの長い髪。
糸目の美人。
長女の、”ユキカゼ”だ。
「しました。 次の女王は私ですっ」
165センチくらいの身長。
着物が似合う体型が多いユキメ族の中では珍しく、メリハリのある身体。
黒髪の見事な立て巻きロール。
野望を欠片も隠さない。
次女の、”コユキ”である。
「ん」
無表情に、興味のなさそうに答えた。
三女の、”ミユキ”だ。
「これですわね、ここですわ」
ピッピ、ピッピとブレスレットコマンダーで、アプリをダウンロードしている。
四女の”ユキノ”だ。
「皆も知っての通り、”女王位継承権争奪戦”、通称、”女王様とお呼びっ”は星(★)を奪い合う加点制だ」
ユキナミである。
◆
”女王位継承権争奪戦”、通称、”女王様とお呼びっ”
”コルトバの国籍”を持っているものに一人、五個の星が与えられる。
女王と呼びたい人に、星をつけるのだ。
判断するのは、公務中や女王候補として行動しているときである。
アプリに、件名とあるのなら映像、”これから判断してくれ”と公示が出るのである。
人気投票に近い。
例:”女王様候補、公務中、鞭をお使いになられる様子”等
◆
四人が頷く。
「とりあえず、三年から五年で、”女王教育”を受けられるかどうかを判断するからな」
当然急に、女王にはなれない。
女王教育はスタート地点である。
お~ほほほほ
次の女王は私よっ
ストーカーの”ミユキ”(ハロクが通報していれば、おまわりさんのお世話に何度もなっていたはずだ)
中身はほぼスノウオーガーの”ユキノ”
「あらっ、あらっ」
とアプリがまだダウンロードできていない。
ライバルは、”ユキカゼ”お姉さまだけね。
ふわり
黒髪の立て巻きロールを、これ見よがしにひるがえした。
「それでは、明日、”コルトバ鹿鳴館”にて、”お披露目”を行う」
ユキナミが宣言した。
女王候補とそのハーレム要員を、国の内外に発表する場であった。
◆
「明日の、”お披露目”は、ドレスですわよ~」
ユキノが言った。
「そうなのか」
キバだ。
基本、ハーレム要員は全員参加。
「ほほう」
監察官が興味深そうにうなずく。
自分で衣装を作るのだろう。
ユキメ族は、基本、畳に板間、着物である。
しかし、銀河文明開化したときに、宇宙の中央から、スーツやドレスを取り入れた。
”ザンギリ頭を叩いてみれば……”と言う歌が有名だ。
男性が、頭に、”鉄砲”を乗せなくなったのもこの時期である。
同じように取り入れた建築物が、”コルトバ鹿鳴館”である。
土足で絨毯。
靴を脱いだり、床に直にに座ったりするのを止めるのに苦労したそうだ。
ゴ~ロ、ゴ~ロ
炬燵に埋まり、喉を鳴らしていた、”ミケ”が気だるげに顔を上げた。
私も参加かあ?
隣で、部下二人も身じろぎする。
猫系獣人、三人は相変わらずのようだ
鉄砲イコールちょんまげ




