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ハーレムですわっっ。デキちゃった婚ですわっっ、どやっ。大宇宙ハーレム奇譚、キバとユキノのハーレムあれや、これや、だぜ。  作者: トウフキヌゴシ
第二章、ミユキハーレム

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三十七話、結婚式

「もうそろそろ始まるなあ」

 キバだ。


 カッパドキアについてから、一週間たった。

 大広間の、”地底湖”の前に結婚式場が作られている。

 バージンロードの左右に並べられた長椅子に、出席客が座った。


 会場の中心に、司祭と、アンドロギュヌス監察官が立った。


 この一週間で、皆は、()()を整えている。


「ヤマ姉ちゃんの装備は、”白無垢”ですわあ」

 ユキノが、うっとりと目を細める。

 衣装合わせにつき合ったそうだ。


「新婦の入場です」


 パパパパ~ン、パパパパ~ン


 入場曲と共に、父であるトウマにエスコートされたヤマが、バージンロードを歩く。

 頭には、白い、”角隠し”。 

 ”白無垢”が歩くたびに、カチャリ、カチャリと音をたてた。


 トウマから監察官へ、ヤマが手渡される。

 ヤマの目に一粒の涙が光った。


「健やかなるときも、病めるときも、共にいることを誓いますか?」


「誓います」 

「誓います」

 

「それでは、誓いの口づけを」


「んっ」

 監察官が、ヤマに顔を近づける。


 カチン


 額に跳ね上げた、四角い”多目的ゴーグル”が、ヤマの、”角隠し”に当たって、硬質な音を立てた。

 

 カチャリ


 監察官の突き出た胸が、ヤマの、”白無垢”の胸甲の当たる。

 二人は顔を離した。

 二人とも頬を赤く染めている。


「では、新婦(監察官)から、新婦ヤマへ、贈り物を」 


「……ヤマ、これを」

 監察官が、アイテムボックスに手を突っ込んだ。


 ズズン


 ムーンチタニウム製の巨大な、ツーハンドアックスを出した。

 片手でヤマに渡す。


「……アニー」

 顔を赤く染めながら、ツーハンドアックスを、金属製の肩当てに担いだ。


 オオオオオオオ


 会場に歓声が沸き起こる。

 




 ”白無垢”


 スノーオーガーの女性が、結婚式に纏う、”重甲冑”である。

 白く染め上げられたスカートアーマーであり、首の周りにファーがつけられる。

 頭には、頭突き用の角がつけられた、四角いヘルム、”角隠し”を被る。

 これからつがいと作る、巣を(物理的に)守るという意思表示だ。

 実用品であり、そのまま使い続ける妻も多い。

 夫が妻に武器を送るのは、”俺のエモノはお前だけのものだ”と言う意味がある。

 ……ヤリ……が送られるのが一般的だ。


 ちなみに、既婚者の、第一礼装に当たる、重甲冑、”黒留袖”

 未婚者の、第一礼装に当たる、軽甲冑、”振袖”

 のバリエーションがある。

 振袖は、袖が長く、若い娘が纏うため、鮮やかな模様が入れられる。


 TPOには気をつけたいところである。



「この婚姻に異議のあるものはっ」

 司祭が叫ぶ。


 ドン


「異議ありっ」

 司祭の後ろに座っていた、七人の部族長が、床に足を踏み付けながら言った。


 ドドンッッ


「異議ありっっ」

 出席者だ。


「異議ありっっ」

 キバとユキノも混じる。


 オオオオオ


「試練だっ」

 族長だ。


「試練だっっ」

 出席者である。


「”婚姻の試練”であるっ、”氷の洞窟”で、”アイスタイタンの心臓”を取ってくるがよいっ」

 司祭が言う。


「心得たっ」

 監察官とヤマが大声で言った。


「新婦たちの友人も協力してくれるっ」


 オオオオオ


 ”フル装備”のキバたちが前に出た。

 氷の洞窟は、地底湖の奥にある。


 全員、地底湖に浮かべた、手ごきボートに乗り込んだ



 結婚式参加者装備一覧


 監察官

 多目的ゴーグル、防弾ベスト付きコンバットスーツ、p90アサルトライフル、グロック17、超振動ナイフ


 ヤマ 

 白無垢、角隠し、ツーハンドアックス


 キバ 

 旧日本陸軍軍服、銃剣付き三八式歩兵銃、南部十四年式拳銃


 ユキノ、ミユキ

 ユキメ族用バトルキモノ

 

 ハロク

 邪妖精、”ストームブリンガー”(フィギュア)、妖刀姫、”ムラマサ”(フィギュア)


 ミケ  

 防弾ベスト付きコンバットスーツ、ダネルNTW対物ライフル、マテバオートリボルバー、超振動ブレード


 R-66

 モーフィング(可動式)装甲

 彼女は、全生命体完全殺戮機械群バーサーカーの端末

 存在自体が”装備”である。


 以上で、”氷の洞窟”に挑む。




叙述トリック。

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