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ハーレムですわっっ。デキちゃった婚ですわっっ、どやっ。大宇宙ハーレム奇譚、キバとユキノのハーレムあれや、これや、だぜ。  作者: トウフキヌゴシ
第二章、ミユキハーレム

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第三十四話、囲炉裏端

ガルム型ハーレム要塞は、二つある。

”ハティ”と”マーナ”だ。

”マーナ”は現在、地表を巡回中。

「さあ、行きましょう」

「コルトバ星、首都、”エターナル・スプリング”へ」

 ユキノたちは、王族用の降下船に乗り込んだ。


 ゴオオオ

 カタカタ


 微かな振動の中、真っ白なブリザードを、降下船は降下していく。

 

「ユキノの母星か」

「地球はもうないんだよな」 

 キバだ。

 地球は、赤色巨星化した太陽に飲み込まれて、もう存在していないという。

 自分の時代も、環境破壊がかなり進んでいたが、まさか無くなっていたとは思わなかった。


始まりの地(ファーストビル)計画」

「地球人の生き残りが、別の星に()()()()()()()()()()と頑張ったみたいだよ」

 惑星開発公社が持つ、惑星改造技術テラフォーミングでだ。

 ファーストビル教という宗教にもなる。

 監察官が言った。

「その前に、文明開化したけどね」 


「キバ様の故郷を、一度見てみたかったですわ」

 

「そうだな……」


 降下船の前に、巨大な氷のドームが見えてきた。



 ”エターナル・スプリング”


 コルトバ星の首都。

 大きな温泉湖の周辺を、囲うように都市が作られている。

 上空を、断熱用のドームが覆った。


 ”KAMAKURA”ドームだ。


 ユキメ族に造られるドームは、どんな小さな熱も逃さず、内側に貯める性質がある。

 これを応用したのが、永久凍土装甲だ。

 伝統的に、地上はユキメ族、地下はスノウオーガーの支配領域とされる。

 宇宙に出てから、ユキメ族とスノウオーガーの男性の奪い合いが、ほぼ無くなった。

 そのため、支配領域の区分もあいまいになりつつある。



 都市のドームの一部が開いた。

 降下船が入る。


 合掌づくりの建物が、大都会を作り出す。

 ホカホカと白い煙をあげる、温泉湖の真ん中に人口の浮き島があった。


 女王、”ユキナミ”が、今の主人である、ガルム型・王宮用ハーレム要塞、”ハティ”だ。


 ユキメの女王が代々主人となる、ハーレム要塞である。


「こちら、降下船、王家の方々が乗船中」

「入港許可を求む」


「こちら、ハティ管制、搭乗者を確認する、データを送られたし」

 確認中

「……久しぶりに、ミユキ様が帰られるのだな」


「ああ、例の彼氏も一緒だ」


「ははっ、ついに捕まったか」


「そうだな」


「データ照合、終了」

「降下船の入港を許可」


「ありがとう」


「ようこそ、ハティへ」


 降下船が、要塞内の着船デッキに着船した。


 

「ユキナミお義母様と、トウマお父様に、会いに行きましょうっ」

 ユキノが元気な声を出した。


「あ、ああ」

 キバは、日本宙軍時代の式典用の軍服を着こんでいる。

 監察官に作ってもらったものだ。


「お母さまと……」


「分かった」

 ハロクは、背広のネクタイ姿だ。


 監察官は、女性姿で監察局の制服を着ている。

 シックなデザインのジャケットと、タイトスカートが良く似合う。


 これから、ご両親に挨拶に行くのだ。



「畳だ……」

 ユキメ族の女王の謁見の間に通された。


「正座が苦手なら、椅子を使っても良いっ」

「ただしっ、靴を入口で脱げっ」

「座布団があるぞっ」 


 威厳いげん貫禄かんろくあふれた女性の声が響いた。


 国の紋章が入れられた、女王仕様の囲炉裏端に、黒髪の女性と穏やかそうな男性が座っている。



 ユキメ族女王、”ユキナミ”と王配のハーレムマスター、”トウマ”だ。


 

 自分たちの近くにも囲炉裏がある。

 炬燵は、セキュリティー上の問題で設置されていない。

 物や武器を隠せるからだ。


「無礼だが、炬燵無しは許せよっ」(←ユキメ族的には、結構な外交欠礼になる)


 女王に謝られた。


「お父様、お義母様、ただいま帰りましたっ」

 ユキノだ。


「シュラとカーリーも元気にしているぞっ」

 シュラとカーリーは、ユキノとヤマの実の母と祖母。


「……帰りました」

 ミユキが小さな声で言う。


「うむっ、お帰り」

 ユキナミが答えた。


「お帰りい」

 トウマが、穏やかに言った。


「ふうむ」

 ユキナミが、キバとユキノ、ハロクとミユキ、監察官とヤマを見渡して、


「ほほう、面白い話が聞けそうだな」


 目を輝かせながら言った。



アンドロギュヌス監察官の、オリジンジェンダー(産まれたときの性別)はXX。

故に、いつもは男性型で過ごす。

メタリッカ星人は、当然、女性同士で結婚も出産も可能。


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