第二十話、流〇少年
”竜とそばかすの姫”見てきました。
「コルトバ船籍、民間船、”エクストラコールド”入港」
「もやいを繋げ」
宇宙服を着た、港の職員が”エクストラコールド”の周りに浮いている。
「ゲート閉鎖、空気注入」
「せ、先輩っ(オヤカタ?)、港内に”スク水を着た大人の美女”が~」
”スク水を着た美女”が、エクストラコールドの艦橋の前に浮いている。
両手を腰に当て、仁王立ちだ。
腰までの銀髪が、後ろに流れる。
生真面目な表情だ。
「どうした、新入り」
「おっ、Rー66ちゃんじゃねえか、新入りぃ、ついてるなあ」
「管制~、しっかり撮っとけよ~」
「りょうか~い」
「(ラ~ラ~、ラ~ラ~)」(←空気がないから声は出ません)
ふふふ、見るがいいですよ~、宇宙服がなければ生きていけない、バッドライフたち~~
白い煙と共に、港内に空気が入ってきた。
空気が入っていないことを示す、赤いライトが点滅している。
”エクストラコールド”の青白い”永久凍土装甲”に、光が反射して幻想的だ。
丁度、ブリッジの前だ。
背後に、キバたちの人影が見える。
「……、ラ~ラ~~」
ライトが黄色になった。
完全ではないが、空気が入った。
スッ
スク水の美女が手を上げる。
パチンッ
指を鳴らした。
スク水が、黒と白を基調とした、シックなゴスロリのステージ衣装に変わる。
「流星、流〇、わたしを助けて~♪」
R-66が歌いだした。
「R-66ちゃんのゲリラライブだ、見惚れて事故るなよ~」
先輩が注意する。
「わ〇しが、わたしに火薬を詰めてる~♪」
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「ガ〇ピシあばれるあらしの窓のなか~♪」
黄色のライトの点滅が、永久凍土装甲の反射して虹色に輝いた。
「構想しているきゅうしきのコ〇ピューター♪」
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「つかない、つかない」
「どう〇ても、この火がっ」
ライトが青色の点滅に変わる。
「あ〇娘と彼とを一度に、コ〇ス火がっ」
「桟橋周りの重力を入れろ~」
Rー66がゆっくりと下がり始める。
投光器がスポットライトのように、彼女を丸く照らした。
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「イエス、ノ~、イエス、ノ~」
「家じゅうのカ〇ミをかくし~て~♪」
・
「もうすぐ、ア〇マのか~おにっ♪」
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「なるっ」(谷〇〇子、”流星〇年”より)
歌い終えた。
ライブ配信されている、視聴者数が万を超えている。
「グッドラ~~イフ」
R-66だ。
桟橋に下りた。
オオオオオオ
「「「グッドラ~~イフ」」」
HAHAHA~、どうですかっ、万単位で”グッドライフ”を量産ですよ~~~~
「ゼンコロ~~」
「「「ゼンコロ~~」」」
「ゼンコロ~~」
ユキノだ。
桟橋に下りて来ていた。
「凄いですわ、キバ様、R-66の生ライブですわよっ」
「ゼンコロ?」
キバがユキノに聞く。
「そうですわ、彼女は、”全生命体完全殺戮用戦闘機械群”ですもの」
「全ての生命を、殲滅するようにプログラムされていますわ」
ユキノが答える。
「バッドライフ(生命=悪)っていうやつさ」
ちなみに、グッドライフは、バーサーカーに協力する裏切り者だ。
ヤマが言った。
「そうなんだ」
キバが小首をかしげた。
「”全文代”に完全にコントロールされてるけどね」
ヤマの横に並んだ、監察官が言った。
「おっ、ターゲット確認っ」
R-66がキバをロックオン。
「彼が、ハーレムマスターですかっ」
パチンッ
R-66が、セーラー服に変わる。
「あれは違うんじゃ」
港の新人職員が、R-66を見て言う。
なまじ、大人な美人なだけに、セーラー服が痛々しい。(ざんねんっ)
ふふふふ、ラノベを読んで研究しましたよ~~
セット
クラウチングスタートだ。
スタートッ
R-66は、キバに向かって全力疾走する。
口にはいつのまにか、トーストが生えていた。
「ちこく、ちこく~~~」
R-66に、幸あれ。




