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時空守護士タイムアテンダント  3 海と女傑と新たな仲間  作者: 夜湖
第四章 英麻の大後悔時代
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「―――わかった」

みなみが力強くうなずいた。

「細かい所はまだ飲み込めてないけど…よーするに未来の人たちが困ってるんだろう?なら助けるよ。タイムアテンダントの任務、引き受けた」

「アア、よかったヨオー。ありがとネ、みなみチャン。これで晴れてスカイフェアリーズの誕生ダヨ!」

英麻もほっと胸を撫で下ろした。だが、同時にどこかもやもやした気持ちにもなる。みなみへの変なプレッシャーはまだ心の中に居座っていた。

「安土・桃山エリアを通過した。もうすぐ戦国エリア経由で例のトライアングルに進入する」

操縦席からミサキが告げた。

果てしなく伸びる白いクロノロジーランウェイの表面にSENGOKUという文字が見えてきた。戦国エリアへの入り口である。シリウス328は巨大なSENGOKUの中にざあっと飛び込んだ。

光が満ちて視界が真っ白になる。

次に英麻たちの前に現れたのは、平原だった。遠く眼下に広がる大平原。入り乱れる人、人、人、人の群れ。たなびく旗。雄たけび。蹄の音。鎧姿の男たちが刀や槍や弓矢を手に馬にまたがり、あるいは走り、敵の軍勢に向かっていく。

「合戦場だ」

ハザマがそう言うのが聞こえた。

平原の風景にかぶさるように何かが出現した。

巨大な正三角形の枠。

タイムゲートと同じくらいの大きさのそれは鮮やかな黄緑の光を放っていた。その名の通り、これがトライアングルなのだろう。シリウス328がトライアングルに入りかけた時、グオオーッという不穏な音がした。

竜巻だった。どこからともなく現れた白い竜巻がこちらに迫ってきている。

「な、何、あれ?こっちに来るわよっ!?」

こともあろうに英麻は時空初体験のみなみにしがみついてしまう。

「騒ぐな!二人とも座席の肘かけにでもつかまってろ」

竜巻から目を離さずにハザマが指示し、英麻とみなみはその通りにした。

ミサキが無言で操縦桿を引く。シリウス328は滑らかに竜巻をかわした。竜巻ははるか後ろへ遠ざかり、やがて見えなくなった。

「今のが時空乱流ダヨ」

けろっとした顔のニコが英麻とみなみに教えた。

シリウス328はそのまま、光る大三角形の枠をくぐった。

トライアングルの向こう。そこもまた青一色で同じようにクロノロジーランウェイがあった。だが、白い滑走路に光っているのはアルファベットによる時代区分ではなく、数字だった。

1501-1600

そう表記された数字にミサキはシリウス328を近づけていく。

「あの数字は何?」

みなみがハザマに聞いた。

「西暦1501年から1600年までの時代って意味だ。海外のほとんどの国ではあんなふうに約百年単位でクロノロジーランウェイの時代区分のエリアを区切っている。日本は元号を使ってるけどな」

降下し始めるシリウス328。1501-1600が間近に迫ってくる。

再びまばゆい白い光。今度は風の抵抗も感じた。1501-1600の中にシリウス328が突入する。反射的に英麻は強く目をつぶった。

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