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時空守護士タイムアテンダント  3 海と女傑と新たな仲間  作者: 夜湖
第四章 英麻の大後悔時代
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漆黒の夜空を横切る十二の流れ星。白い流星の群れに見えるのは、十二枚の時の花びらだ。それら時の花びらをマンションのベランダから見上げ、驚きの表情を浮かべている少女が一人。

服部みなみである。

それは記録ボールに収められた、みなみが英麻と同じ日の深夜に十二枚の時の花びらを目撃した際の映像だった。映像はニコの額からスポットライトの光のようにまるく照らし出されている。タイムマシン、シリウス328で時空を移動しながら、英麻たちは今、ようやくみなみに事情説明用の映像を見せている所だった。

時の花びらが謎の時間犯罪者集団メビウスに奪われそうになり、様々な時代に散ったこと、十二枚すべての花びらを直接、見た者には花びらに触れる力が生じること、その一人である足立英麻が現在、タイムアテンダントとして過去の時代で花びらの回収任務を行っていること、具体的な花びらの回収の方法―――映像にはそれらがわかりやすくコンパクトにまとめられてあった。

「…すごい」

映像が終わると共にみなみは一言、かすれた声で呟いた。その目は周りの青一色の時空に注がれている。みなみは今の自分の状況を受け入れたものらしい。

「じゃ、私もそのタイムアテンダントっていうのになって、時の花びらを回収するってこと?英麻と一緒に」

「そういうことだ。急な話で悪いけど、あんたにも花びらの回収任務に協力してほしい」

隣の席のハザマが改まった様子でみなみを見た。

「ほんっと急だよな。ところであんた誰……これ、英麻の友達!?めちゃくちゃ美人じゃんっ」

みなみはまじまじとハザマを見た。たまらずハザマはぐっとのけ反る。

「わああーやべーっ!女優さんとかアイドル歌手みてー!目―きれいだし、睫毛長いし、肌つやつやで顔小さいし。北小山の子じゃないよね?」

男言葉全開でみなみは一方的な感想を述べまくる。

「えっ、いや…お、俺は」

「あの、みなみ…そいつ…ハザマは」

「れっきとした日本男児ダヨン」

「へ?…おっ、おとこオ!?うっそ、まじか!えー、でも、こんなきれいなのに何かもったいないよーな…ほんとに?本当にあんた男なの?」

これでもかとハザマを眺め回すみなみが落ち着くのを待ったのち、ニコが彼女にハザマやミサキ、タイムパトロールの隊員について簡単に紹介した。(無論、『第八部隊の紅一点、キュートでお茶目なアシスタントロボット、ニコ777』なる自己紹介も忘れずに)

「まあ、しょうがないヨネ。会う人会う人、みーんなハザマのことを女の子と間違えるのは今に始まったことじゃないモン。隊員の人の半分くらいは今もハザマが女子部隊の子だって思ってるし、タイムパトロールの姫君、なーんて呼ばれてるくらいだからネ」

「そうなの?」

「へえー」

「俺の話はいーんだよ!…とにかくだなっ…服部みなみ、ぜひともあんたの力が必要なんだよ。時の花びらにさわれる人間はあんたと、この足立しかいないんだから」

ハザマの言葉に英麻はかすかな違和感を持った。

時の花びらに触れられるのは、私とみなみだけ―――本当にそうだった?

違和感の正体は気になったものの、英麻はハザマと共にみなみの返事を待った。

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