第25話 孤児院①
遅くなってしまいました。すみません。
本日はかなり短いです。よろしくお願いします。
異世界生活も早十日目。
今日は牢屋での起床となったが、全く問題は無い。
何故ならこの牢屋、床も冷たくないし風通しも良い。おまけに鉄柵も無い。
当然、夜も安眠出来るってもんだ。
『本物の牢屋に入った経験が?』
あっ、おはようございます、アルル様。
そう言われてみれば、当たり前ですが無いですね。想像だけで話してました。
『おはようございます、咲也さん……あら!? あなた、私というものがありながら、横の女は誰なんですか!?』
今日はアルル様が正妻役ですかー。
このやり取りにも慣れてきましたね。浮気じゃねーよ、っと。
『浮気してる男はみんなそういうんですよね。私は騙されませんよ、っと』
真似っこか。他の浮気している男のことは知りませんが、俺は……
……って違う。俺も浮気してないです。
まーた、誘導されるとこでした。
『いえ、何もしていなかったです。あなたの勝手な自滅です』
なん……だと……? 俺がザコだった……だと……?
まるで、俺が――――
「ぅん~、大好き~」
なん!? ビックリした。
横で寝ていたシュリが、寝言を呟いたようだ。
だが、このタイミングでその寝言は……
『ほら、浮気相手に愛を囁かれていますよ? 寝言で言うほど好きなんでしょうね』
……やっぱり弄られた。
そっか、寝言で言うほどに好きだったんだね。君の気持ちは本物だったんだね。
流石の俺でも分かるよ? 君の目は真剣だったし、夢で見るほどの気持ちが嘘なわけないもんな。
俺も真摯に受け止めてやらないと。
「カントロ~」
本気で好きだったんだね。包み焼きが。
うん、予想通りだよ、食いしん坊さん。
君の気持ちを真摯に受け止めて、また食べに連れて行ってあげるよ。
だから、ヨダレを拭きたまえ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
間もなくシュリも目覚めて、朝支度を済ませてから二人の取調官さんと合流したのだが、二人は勤務明けで今日この後は非番なので、もし良かったら町を案内すると言われた。
一晩中起きて働いていた人にそんな無理をさせられないと言ったのだが――
「なんで? ちゃんと寝たよ?」
――だそうだ。
おい、ちゃんとしちゃ駄目じゃね? むしろちゃんとしてないというか。
ちゃんとの使い方間違ってると思う。社会人ってそういうもんなのか?
シュリ、こんな大人を見ちゃいけません。トイレを済ませてきちゃいなさい。
いや、まあ、シュリもスリの件があるんだが。
まあ、それにしたって申し訳ないし、そこまで迷惑は掛けられないと思ったのだが、彼らの言い分は少し違っていた。
「勤務交代して他の奴らに引き継いだのに、当直室にいてもらうわけにもいかなくてな? 反対に俺らが監視して町を歩かせるんならどうとでも処理出来るんだわ。それにお前ら、孤児院にも行きたいんだろ? 身分証も無しに行ったって取り合ってもらえねえから、俺らが紹介してやるよ」
彼の「べ、別にシュリちゃんのためなんかじゃないんだからねっ!」というツンデレなセリフが連想された。この人、やっぱいい人だわ。
なんだかんだ言って、俺たちのことを考えてくれてたんだから。
結局、お言葉に甘えることにして、シュリがトイレから戻って来るとすぐ支度をさせ、当直室から出ることになった。
孤児院に着く前に、シュリには上手く説明しないといけないよな。これ以上先延ばしには出来ない。
「いやー、今日は本気で暇だったから、暇つぶしが見つかって良かったぜー」
おい。オブラートに包んでください。
というか、もうツンデレ天邪鬼にしか聞こえないんだが。
気を取り直して、中心都市であるヴィアジルドの町を案内してもらおう。
さて、今日はどんな一日になるのかな。
連休(作者には無関係ですが)の間は、一話がかなり短いものを連日投稿したいと思います。
一日二回の日もあるかもしれません。
今後、こういった連休の時にどういうスケジュールで動くかの実験的な意味もありますので、どうかご了承ください。
今話は展開が納得いかなくて無理矢理切ったのもあるので、続きは納得いき次第(今日か明日)投稿します。
よろしくお願いします。
皆様、よい休日を!




