第二十話
<アラスカ州フォートグリーリー基地 GBI発射管制センター>
「クソッ! どうなってやがる!?」
「データリンク復帰しません!」
「このままでは迎撃軌道にのせられないぞ!!」
ノースコリアが開発を進める粗製ICBMの脅威に対応するため、SM-3(RIM-161 Standard Missile 3)の開発を一部凍結してまで配備の急がれたGBIは、MDA(Missile Defense Agency=国防総省アメリカミサイル防衛局)が運用するSBX(Sea Based X-band Radar=海上配備Xバンドレーダー)から送られてくる敵ミサイルの軌道情報を元に、大気圏外で弾道弾の迎撃を行うシステムである。
アラスカ州最南端のアダック島の南300マイルに展開中のこの移動式海上レーダーサイトは、メガワット級のXバンドレーダーを装備し、5000kmに及ぶ探知距離を誇る。そのサイトからつい先刻まで届いていたテレメトリーは、国防総省のブラックアウトによるIBS(Integrated Broadcast Service=統合同軸報送信サービス)の途絶と共に失われていた。
基地には地上レーダーも配備されていたが、探知範囲が狭い上に精度と出力が足らず、北極海上空1500kmを飛行するちっぽけな弾道弾を捉えることは難しかった。
「上官ぶん殴って僻地飛ばされた挙句に故郷ぶっ飛ばされんのただ指くわえて見てろってのか!?」
「……お前、そんなヤツだったの??」




