第十五話
<ワシントンD.C. ペンシルベニア通り1600番地>
オーバルオフィスのサイドドアが荒々しく開かれ、シークレットサービスの一群がなだれこんでくる。国務長官と電話でオキナワ核汚染事案の対応を協議していた大統領は、受話器を置く間もなく両脇を抱えられ、夜の帳の降りたサウスローンへと連れ出される。
凄まじい降下速度でランディングするマリーン・ワン。大統領が文字通り押し込まれると、タラップを引き込む間もなく空へと舞い戻る。アンドルーズ空軍基地までの数分の飛行のあいだ、同様に詰め込まれたマクファーソン補佐官がインターカム越しに状況説明をする。
「いったい何事だ!?」
「ロシアの核攻撃が進行中です。ここワシントンとニューヨークに向け複数の弾頭が発射された模様です」
「どうしてそのようなことが……シベリアではないのか!?」
「わかりません。とにかく着弾まであまり時間がありません。NORADはアタック・コンディション・アルファを宣言しました。FEMAの統合退避計画が進行中です。閣下にはエアフォース・ワンで退避して頂きます」
「なんたることだ……」
機の片隅に座る海兵隊の少佐の腕にコードで繋がれていたブリーフケースが開かれ、内蔵されている衛星バースト通信機から一連の暗号通信が送出され、すでにDEFCON1に移行した国防総省の司令センターに新たなシグナルが送られた。




