第二十六話
まぁそんなわけでみんないろいろ騒いでるけどレーダー解析見れば人為的に落とされたコトは一目瞭然なワケで、今考えるべきはどうやってそんなコトしたのか? じゃなくて、どうしてそんなコトしたのか? その意図と今後の展開がこの危機対応の要点になる、ハズなんだけど……。
おウチの黒電話が鳴る。永田町1丁目にお泊りの洋平さんが間延びした声でけだるそうに聞いてくる。
「……市ヶ谷が情報出し渋ってるって大臣官房がブチ切れてるんだけど、春香なんか知らない?」
こんな一般回線でお話していい内容とも思えないけど、そもそもその市ヶ谷の秘匿回線あらかた盗聴されてたってんだからもうどうでもいいわよね。
「まぁ軌道からして“落とした”ことに間違いはないから攻撃なんだろうけど意図が読めないのよね〜」
「それ調べるのが二佐殿のお仕事じゃないの?」
「それいうならアンタんとこの大使館はナニやってるのよ!? 北京にウチの要員送り込むのに散々横槍入れてきたクセに!」
「ウチは内閣府なの! 外務省は別会社!」
「どうせ財布はおんなじなんでしょ!!」
「それいったらお前んトコなんかどーなるんだよ? その財布からネコババして……」
「もうちゃんと予算つくようになったんだから! っていうかそっちこそこっちの百倍の予算無駄遣いしてんじゃないの?? 納税者に謝んなさいよ!!」
まぁ私たちふたりとも納税者で同業者で宮仕えで、ついでにいうと最近復縁したばっかなんだけど、そんなことこそどーでもいいわよね、実際。




