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見せますが何か  作者: 飯田橋 ネコ
第一部
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第二十四話

 南シナ海とインド洋を実効支配して偵察機自由に飛ばせないようにしておいて、様子を見に高度150km程度の低軌道に降りた偵察衛星を地上施設からASAT(Anti-SATellite weapon=衛星攻撃兵器)で邀撃して、観測網が隙だらけになったところへFOBS(Fractional Orbital Bombardment System=部分軌道爆撃システム)打ち上げて軌道(そら)から実体弾で狙い撃ち、って書けば数行で済むけどホント大変な作戦よね。


 でもいまだにわからないのが衛星への“実体弾”と電源の供給方法。レーダー解析の結果嘉手納に落ちた“隕石(大)”は直径5mで推定質量80t。落下速度は秒速20kmを超えていたのだそう。そんな大きさのモノ現行の技術じゃ軌道に上げるだけでも大変だしそんな速度に加速すること自体が無理。“隕石(小)”だって質量1t秒速15km。米海軍の試作レールガンだってそんなの撃ちだす能力はないし、そもそもその試作砲にしたって駆逐艦の主機の出力の大半を発電にまわしてようやく連射できるって代物だから衛星に積める道理がない。

 だいたいいくら低軌道の衛星墜とされたからって高度35,900kmの静止軌道には米空軍のSBIRS(Space-Based Infrared System=宇宙配備赤外線システム)衛星が飛んでて、北半球のミサイルやロケットの打ち上げは全部把握してるから、妙なもの(ASATとかFOBSとか)が上がれば速攻で探知できるハズなのに、今のところそんな報告もない。

 まぁそもそも秒速20kmとかで大気と摩擦しながら落ちてくる“隕石”をきちんと終末誘導して目標に当てるコト自体が相当ありえないことだし、そうなると自然現象ってコトで片付けられるケド、在日米軍の拠点と通信施設ピンポイントで選んで落ちるなんて自然現象(ただごと)じゃないわよね……。


 なんて考え事しながらハルくんお迎え。洋平さんも本社(ないかくふ)戻って今夜は泊まりだって言ってたから、ハルくん連れて帰ってご飯食べてお風呂入って寝かしつけてから続き考えよ−っと。


 とか言ってる場合じゃないのわかってる。けどどうしようもないじゃないの。すっかり暗くなった帰り道。ハルくんと手つないで歩きながら愚痴っても仕方ないけどさぁ……。


「みて! おつきさま!!」


 ハルくんが指差して騒いでる。畑(23区なのにコレいっぱいあるのよ練馬って)の向こうに上がったばかりの満月が赤い色してこっちを見てる。お月さまかぁ。お月さまねぇ。赤い……お月さま!?


「ハルくん!!」

「?」

「やっぱりあなた天才だわ!!」

「え?」


 やっぱり子供は天才だわ。にしてもそんな昭和のアニメみたいな作戦(オペレーション)誰が考えたの??

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