序章 日常
更新は遅々として進まないことが多いですが興味を持ってくれた方が多いと作者は張り切ると思います。
第1章 プロローグ
「先ぱーい。」
息をはずませて走ってくる少年が、やっと前の男女に追いつくと二人の肩に手をおいた。
「はぁーっ。ひどいな二人とも人が掃除してるのくらいは待っててくれてもいいじゃないか。」
前にいた女の子が振り向いた。
「ごめん、ごめん。でも、図書館に行くって言ってたから向こうで待つつもりだったから。」
「んもぉー。ところで何かおもしろい本ありましたか?この前先輩が言ってあの小説面白かったですよ。」
少年が一冊の本を取り出していた。
「ああ、その本か。パラレルワールドを題材にした本だろ。ぼくも読んだよ。砂騨さんも読んだのか。」
三人は公社から少し離れたところにある学校図書館に向かって行った。
この三人は、しいて言えば高校の先輩後輩関係なのだが少し違うようである。
先程走ってきた少年の名前は、神山京助。童顔気味の顔と背が低いことだけがコンプレックスの恵稜高校1年生である。この京助は、少し変わった趣味と知識を持っているのだ。それというのも偏執的なまでも本が好きで人が知らないような知識と何故知っているのか人が不思議に思うような知識ばっかり持っているのだ。
女の子の名前は、砂騨弥生。京助と同じ恵稜高校の3年生である。弥生も京助ほどではないが本が好きで、京助よりも広い知識を持っているのである。、また、弥生は少しおせっかいというか口うるさいようなところがあり、友達からもあまり好かれていないのだ。だからこそ、この二人と知り合えたと弥生自身は思っているのである。
最後に残った少年の名前は、藤哲夫。小柄で少しがっちりした体格の哲雄も二人と同じ恵稜高校の2年生である。哲雄は本が好きであるが、二人ほどではなく知識もそう広いわけではないのだ。だからときどき二人の話についていけなくなる自分に気づくのだが、なぜかこの二人と気が合って離れられないのだ。
この3人が出会うことになったのも全て弥生を通じてである。