第30話「地獄行き列車、3度目の出発!?私のスター返して!」
「よーし、今度こそスター取っちゃうぞ〜!」
テンションを持ち直したヒカリは、コインを着実に貯めつつ盤面を進んでいた。
スターの位置も近い。今なら買える。むしろ、買うしかない。
「あと一歩……あと一歩……!」
そんな矢先。
ヒカリの駒が止まったのは、ひときわ派手なハプニングマス。
ポッポー……と汽笛が鳴る。
「えっ……やだ、嘘でしょ?」
次の瞬間、ゲーム盤の奥から列車が轟音と共に出現!
ヒカリのキャラを強制的に乗せ、ぐんぐん走り出した。
「やだやだやだやだ!スター目前だったのにぃぃ!!」
気づけば、スタート地点。
画面には「やりなおしだね♪」という、ピノみたいな声のシステムキャラ。
⸻
なんとか気を取り直し、ミニゲームで連勝しコインを再び貯めるヒカリ。
「今度こそ……今度こそ行けるって!」
と、進んだ先のマスに見覚えが。
「ん、ここって……あっ!!」
ポッポーー!!!
再び汽笛。再び強制乗車。再びスタート地点。
まさかの2連続、地獄行き列車。
「うそ……こんなの、バグじゃん……」
ついにヒカリの笑顔がひきつってくる。
⸻
だが、ヒカリは諦めなかった。
全力でミニゲームをこなす日々。連打に次ぐ連打、スティック操作も極まっていた。
「これで……これであと10コイン……!」
そう、ようやくスターに届くコインが集まった――その時だった。
「ハプニングマスか……まあ、もう列車は来ないでしょ」
だが。
ポッポーーーー!!!!
「またァァァァァァァァァ!?」
3度目の列車。もはや狂気。プレイヤーの精神が削れていく。
スタート地点に戻されたヒカリは、そっと目を伏せた。
「え、うそでしょ……?」
画面を見上げた時、さらに最悪な光景が――
ピンクの姫が、スターのマスに止まっていた。
「やったー♪スター、ゲットだよ♪」
直後、姫はフェードアウトし、控え室のベッドにダイブ。
その隣には、既にスターを持って脱落した赤髭男が寝息を立てていた。
ヒカリは震えながら、膝から崩れ落ちた。
「ちょっと待って……なんで私だけ……なんで私だけ……!!」
だがゲームは止まらない。
「次のターン、どうぞー☆」というピノ的な声。
ヒカリは顔を上げた。
その目には……涙と怒りと、ほんの少しの狂気。
「もう許さん……このゲーム、絶対に終わらせてやる……!!」




