表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/57

第19話:恋の続きを、君と

昼休み。

中庭のベンチに座っていると、そっと影が差す。


「ここ、隣いい?」


「御影くん……もちろん!」


穏やかな風が吹く午後。

2人きりの時間が、ふんわりと流れていた。


「ヒカリってさ、昔よりずっと明るくなったよね」


「えっ、そ、そうかな? ……でも、御影くんに言われるとちょっと恥ずかしい」


「そういうとこだよ。……すぐ照れるの、変わってない」


(あー、ズルいなぁ……! 落ち着いてるけど、言うとこは言うんだよな……!)


ふと、御影はヒカリの方を向く。


「俺、こっちに戻ってきて、一番嬉しかったのは──君に会えたことだった」


「……っ!」


ヒカリの頬が、じわっと熱くなる。


「ご、ご飯! 食べよ! あったかいうちに!」


ごまかすようにお弁当箱を開くと、御影がふっと笑った。


「……ヒカリさ。好きな人、いる?」


「えっ……な、なに急に……」


「いや、ただ……もし、誰もいないなら」


彼は言った。


「……俺、ちゃんと君を好きになっていい?」


(待って、心臓持たない……! これは反則!)



その放課後。


御影が連れて行ってくれたのは、誰もいない音楽室。


「ヒカリ、ピアノって好き?」


「うん。小さい頃、ちょっとだけやってた」


「じゃあ、聴いて。──君のために弾く」


鍵盤に指が置かれた瞬間、静かな旋律が広がる。

それはどこか懐かしくて、優しくて。

まるで、ヒカリの胸の奥を、そっと撫でるような音だった。


(この人の隣……心地よすぎる)


演奏が終わったあと──


御影は、顔を少しだけ赤らめて言った。


「……俺の気持ち、音に乗せたんだ」


「……うん、届いた」


ヒカリは、まっすぐ彼を見て、言った。


「私もね、御影くんのこと──好きになってたみたい」


静かな夕焼けが、音楽室を照らしていた。


彼となら、ずっと“好き”を感じていられる。


そんな確信を、ヒカリは抱いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ