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RISE・BEYOND  作者: ローガン
3/12

【3話/ザ・アイキドウ】

「ワシに何か用事かの?」


「はい,実はその〜合気を体得したくて」


その道早々60年,生まれた時から合気道に身を投じた歴史の先生がいた。


「本気なんだな?」


「はい!もちろんです!」

  

「大宮君,君護身術を極めるにしては

チィと強くは無いか?」


「え?」


「これは弱者が強きもんに下剋上する為にあり,

また身を保護する為にあるんだ」


「はぁ,え?」


「既に始まり終わってんだよ小僧,

ガッハッハ!」


大宮龍司の首には,手刀が皮一枚寸前の距離に

迫っておいてあったのだ。


「ワシはなぁ,強くなりテェ奴に武道を

教えたいんじゃねぇんだ」


「,,,クッッッなんでなんだよ!」


2m以上あるであろう大宮の身長が小さく

見えるほど巨大なクレーターをパンチ一発で

形成する。


「オメェさん自分が弱者と思ったから

来たのか?違うだろ!目でわかんだよ,

オメェさん誰かに負けたから来たんだろ?」


「はい」


「そんなんが弱者と言えるか!一方的に

やられる奴,そんな奴が使えんだよ,

真人君みたいにな」


「え⁉︎斉賀真人ですか」


「あぁそうじゃよ」


斉賀真人はいじめが始まった即日から

親に相談して親父と旧友の仲にある

石井巳塩と言う合気道に進んだ人に

道を伝授されたのだ。


それはそう,4ヶ月も前の事だった。


「ワシが今までやって来た訓練を君にも

やって貰おうと思う」


「はい,がんばります」


「金魚の動きを参考にして金魚鉢の前に立ち,鉢を叩き金魚の動きを見続ける挙動予測の

トレーニング,そして実践でこの動きを参考にサンドバッグ,シャドーボクシングを行う時にサンドバッグを2つ使い複数を相手にするイメージでパンチ,蹴り技,ビジ,鉄槌などを練習する」


「それ以外にも君には様々な訓練をしてもらうよ,護身術体捌きの他,私と付きっきりで実践合気道を学んで貰うよ,今尚も全盛期だから

爺いだからって舐めちょると痛い目を見るぜ,

私を倒せるほどに強くなるまで追い込むぜ」


「勿論頑張らせていただく所存です!」


それから毎日地獄のトレーニングが

始まった,まず学校終わりに裏山に行き,

走り込み,フルマラソン並みのトレーニングが

滅茶苦茶な坂道で完遂される。


距離にしてみれば大した事はないが,使う

スタミナや筋肉稼働力に関しては同等の

スタミナを必要不可欠とする。


そんなこんなで到着してすぐに,ピアノ線並みに

細い弛む,向上な上に風で揺らぐ足場の上を棒を手に持ち,異なる質量の水入りバケツを持ち,

頭と両足の甲に紙コップ表面張力ギリギリに

注がれ,口にも棒と異なる質量の水入りバケツ

を持ち,とにかく進む。


初めは一歩も歩けずすり足すら叶わなかった。


次第にコップから水をこぼすが渡り切れるようになったり,水を一滴も溢さないで渡り切れる

様になった。


「(ワシが二年の歳月を要した体感バランストレーニングをたったの2週間で克服したか)」


「だがしかしこれはまだまだ序の口,これからが

本番じゃぞ」


「はい!」


その後も,丹田を中心とした体捌きの技術や

金魚式挙動予測と実践訓練など,様々な

訓練をした。


「この2ヶ月でまさか見違える様な

筋肉だな」


「えへへ,師匠の教え方が良いんですよ」


「(君ほど潜在能力が高い人物を見たことが無い)」


ここから更に修行に励み最終的な試練に移行

した。


「ついにここまで来た」


「師匠」


「ワシを超えて見せろ愛弟子よ」


ポロポロと自然に涙が溢れていた。


「ウッグェヒッグ,師匠,俺は貴方に勝って

見せます」


ニコッと笑う,天気は雨が降っていた,だがしかしその気持ちに呼応するように曇天の曇空から太陽光が二人を暖かく照らしていた。


「さぁこい!」


「はい!」


瞬間二人の男の本気の魂がぶつかり合う。


「その腕捌き,見事」


「師匠こそ,足捌き,油断も隙もない!」


秒間なや幾十の攻防が繰り広げられ,洗練され

続ける合気の間合い,陣を崩さぬように,人間が

本来は不可能と言われたフライングに相当する

零秒予測すら超えて,0.099,0.098と言う緻密な

動作予測が組み合わせられて行った。


そして刹那,決着はついてしまう。


「とった!」


「甘い!」


「師匠貰いましたぁ!」


「何⁉︎(今のは布石か⁉︎不味い)」


相手の動きを無効化して,制御する,これは

力比べではなく相手のバランスを崩して力の

流れを操ることで,相手をコントロールする

緻密な技術の結晶なのだ,転回足と言う

基礎動作すらまさに美術,丹田を中心にした

呼吸法は身体をうまく回し相手に合わせ

続け荒ぶらない。


洗練された投げ技,関節技,当身技の攻めぎ合いでは,入身投げ,四方投げ,天地投げ, 小手返し,回転投げ,側方入身投げ,小手捻り,小手返し,腕返し, 肘関節技,正面当て,横面打ち,突き,基礎応用に至る数多の合気技術が使われ続けた。


ついには,斉賀真人の投げ技で決着がつく。


「ありゃ?」


「アッブねぇ〜」


「情けをかけて完全に決まった頭からの

落下を手を入れて衝撃を受け流したのか」


「師匠は恩人でありもはや友人です,合気道の

真髄を貴方が教えた,殺す技ではない,人を生かして愛する技だと」


「うぅ合格じゃ」


こうして反復した稽古が身について無意識に

身を守れるくらいに強くなって行った,

身体を連動する波を体得して,指を身体に

着けるだけで自在に身体を操ったり,

殺意や敵意を察知する明確な攻撃意思を

持つ行動が体に接触する前に反撃する力が

身に付いた。


「山ちゃん,いや親父に伝えといてくれ,

皆伝だってな」


「師匠」


こうして二人はハグをして父親,斉賀史下山〈SAIGA・SIGEYAMA〉の元に向かった。


「お父さん,ありがとう,僕は強くなれたよ」


「お父さんずっと心配していたから,お前が

強くなってくれてよかった,よかったら柔道も

学んでくか?」


「お父さんの柔道,,,」


斉賀史下山は柔道を皆伝して居るのだ。


「様々な柔術を取り入れて最適化した赤帯の

柔道,ブラジリアンや警察のもの全てが取り入れ

られた斉賀流柔術,勿論やります!」


そこから更に数週間経過する。


「親父がまさかここまで追い込むとは,

老体なのにどれだけ特訓するんだ」


朝3時から即起床,滝行や50kmの走り込み,

頭のテッペンから足の指先まで鍛えて鍛えて

鍛え込む,肉体のあらゆる弱点を克服する,

そんなトレーニングだった。


「新聞配達しながらこんな事を俺が生まれる前からやってたなんて,尊敬しちまうだろうが」


腕立て伏せ,打ち込みを数万と打ち込むのだ,

身体を酷使し続ける,部位鍛錬を欠かさず行い

続ける,筋肉を鍛え続ける,爪が剥がれても,指の骨が折れても,皮がズル剥けても,もはや痛みと

言う概念は頭には無く,無我の境地で拳を

鍛えた。


俵を持つ,柱を突く,マシーントレーニングでは

アップすら300kgを使い500kgでレップは1000を超えて限界まで酷使され続けられた,

慣れたなら更なる重量を加重した,そして数週間後。


「分厚い皮膚,硬く太い骨,細く洗練された筋肉,

よくここまでついて来た」


「柔道の技術をこっからやるんだな」


「あぁ」


鍛え上げ悲鳴を上げても追い詰め続けた肉体に

投げ技,固技,関節技,絞技,抑込技,その他,と

様々な種類な技を覚え込ませる。


手技で背負い投げ,一本背負い,体落とし,肩車など,腰技で大腰,払い腰,袖釣込腰,釣腰など,

足技で大外刈り,大内刈り,出足払い,内股,支え釣り込み足など,捨身技で真捨身技巴投げ,裏投げ,隅返,横捨身技で横車,横掛,谷落など固技,

関節技で腕挫十字固,腕挫腕固,腕挫腋固など,

絞技で袈裟固,横四方固,縦四方固など,

抑込技で上四方固,横四方固,縦四方固など,

関節技,絞技で袈裟固,横四方固,縦四方固など,

抑込技で上四方固,横四方固,縦四方固など,

更に連絡技など基礎から応用までの技術を

極めた。


「さぁ,俺とやろう,ルールは柔道だけしか

使用しない,いいな」


「元からそのつもりです,師匠」


瞬間,史下山は摩擦力が発生しないピッチリ

スーツに油を更に塗った柔道の天敵と

どれだけの握力すら掴めない肉体に成り

代わった。


「んな⁉︎ズル」


「勝てたら良いんだよ」


両者睨み合う,親父は掴みに掛かるのだが。


「んな⁉︎」


「鍛え上げた握力が通用しなくて驚きか親父!」


柔道着を掴まれたってスルスルっと重心移動はもはや超級に至る。


「行くよ,,,」


ギロリと眼は親父の身体を見据えていた,瞬間

たった数ミリすら捉えない,指一本の薄皮膚だけであのツルッツルの親父を投げたのだ。


あり得ない速さで飛び上がり大地に叩きつけられた,あの技を受けた相手は例え受け身だって

頭に直撃しなくたって身体の骨は叩きつけ

られた衝撃で内蔵がぐちゃぐちゃになって

即死する,親父ほどに鍛えてないならば,

畳やクッションが幾ら重なってようが無駄だった。


「ガハ!」


「すまない親父!」


「大丈夫大丈夫,合格だよ息子よ,

まさか指一本で地に叩きつけられるとは

思わなかった,肩甲骨と尾てい骨は完全に

イカれたな,腸も多分一部破裂した」


「ごめんなさい」


「大丈夫大丈夫,こんな傷は少年時代に

幾度もあったから」


こうして柔道と合気の両方の道を伝授された

のであった。


「わかったか大宮,弱い奴が強くなるために

死ぬ気で努力してきたから今がある」


「はい」


こうして大宮は武道を学ぶ事を諦めたのだった。





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