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16 ドラニちゃんの他に新たな仲間が???

ドラニちゃんに誘われて

他国のダンジョン攻略へと

向かった先で…………


新たな神 雷神に出逢う。


果たして?


仲間に出来るのだろうか?



その異様なまでのオーラをブチ破り

ドラニちゃんが声をかけた?



「久しいのう………雷神トー!」


イブシ銀だった声に怒りが籠められ



「人間の子供に知り合いなど

いないが?


確かに俺は雷神トーではある。


要件があるならば………


俺の名を知っている事実に免じて


1つだけ聴いてやろう!」


と 威圧感はそのままに

雷神は応えた。


ドラニちゃんは、堂々と言い放つ


「我を忘れたか?


ドラゴ神 ドラゴニール ローゼを!」



ムッとした顔でドラニちゃんが友達にでも話すかの様に語れば…………………


不審者を見下すが如き鋭い眼つきで

ドラニちゃんを観察している。


「確かにドラゴ神とは知り合いだが!


貴様は人間ではないのか?」


首を傾げながら雷神に問われ


「正確には、元ドラゴ神じゃ!


我も貴様と同様に地下牢獄に閉じ込められていた身だったが!


隣りに居るトモルシードに助け出されたけれど……………」


少し溜息を吐きながら


「この地下牢獄からは、神の身では

脱出不可能だった事は確かだよ。」



形相を変えながら


「貴様は、神の座を捨てたのか?」


信じられないとばかりに

冷酷な眼差しでドラニちゃんを睨むが



「ならば貴様はこの地下牢獄で


一神だけで寂しく足掻けば良い。


この先、誰も助けには来れないだろう」



そう言われてしまい雷神に戸惑いが浮かび上がったのが、ハッキリと俺にも理解出来た。


「神の力を失ってまで………人間に墜ちたのか?」


雷神の言葉に


「誰が神の力を失ったと言ったのだ?


我は、確かに人間化し命は、1つだけだが神の力は、そのままの強さじゃ!」


驚きながらも………


「只の人間にそんな力は無いはずだ!


そこの小僧! 説明してみろ!」


ターゲットが俺に…移行した。


「先ずは、ご自分で確かめて下さい。


扉を開けますから………」


俺は、両扉の片方を完全に開けて雷神に

どうぞと手で示した。


雷神は、威風堂々と扉から出ようとしたが


バチバチッと見えない壁に弾かれた!


「何が起こった?」


雷神は、もう一度外に出ようとしたが

同じ様にバチバチッと見えない壁に

弾かれ


「成程…………これでは外にはでられぬ


だが!神を人間化するには何等かの


条件がある筈だ。


正直に申せ!」


雷神は、冷静に俺に問う。


「実は、神様を人間化するには


自分の眷属に成らなければなりません


これは、遥か昔の文献からの応用ですが、必要不可欠な条件です。」


「ナッ な 何だと―………………」


顔面蒼白に成りながら


「ドラゴ神よ。 貴様はその条件を……


理解した上で、この者の眷属に…………」


ドラニちゃんは胸を張り


「勿論だ!


酒も飲めるは、食事は美味い


案外人間化も楽しい物だぞ!雷神よ!」


その言葉を聞き雷神は


「直ぐに結論は出せない。


先ずは、貴様と勝負して俺が負けた場合は、貴様の眷属になろう…………と思う。」



エッ 俺と 勝負???


ヤバイ雷神の力は未知数だ………

思考加速で他の手段が無いか探す



俺は、ドラニちゃんに全振りする事に決めた。


「ドラニちゃんさぁ。

 俺が闘うのは構わないけれど、仮に


俺が致命傷で亡くなった場合


ドラニちゃんは、サグラダ・ファミリアのダンジョン最下層の地下牢獄に

逆戻りに成るけれど………構わないんだよね〜」



と 事実だが…牽制すれば………



「それは、初耳だが……………


無視出来ない事象だ!


という訳で雷神の相手は


我が相手になるぞ!


不足は無いだろうよ。」



雷神を鋭い視線で挑発するドラニちゃんに



「話は纏ったのか?


元神の実力とやらを堪能しながら

 

後悔させてやる!」


結論が決まった時点で


「試合時間は5分とする!


決着がつかなければ…………同点とする」


力と力の試合が開始されようとした。


俺が主審でスマホのタイマーを5分に

セットし………


「それじゃあ 試合開始!!」


と、声をかければ?イキナリの轟音が

響き渡る。


ドラニちゃんの白き大剣と

雷神のハンマーが瞬時に数十回ぶつかり合う


その場で、互いの攻撃を相殺させながら

物凄いパワーで相手をどちらが

上回るのか?


観ているだけで………

思わず拳に力が入る!


「やるでは無いか!


人間化しても、神の力が本当にある事は理解したが………」


一旦距離を開けて雷神がドラニちゃんへ

言葉を投げる。


「様子見が済んだならば!


本気を出すが良いぞ!」


本気かぁ~ あれが様子見とは……………

審判である俺は、眼を見開きながら

思考加速と先見の明で次の攻防を

楽しみに待つ。


雷神が雷を次々に発生させ

ドラニちゃんへ攻撃したが?


ドラニちゃんは、自分から雷を身に宿し

バチバチッと雷神の雷を防ぎ

白炎で雷神にカウンター攻撃で………


雷神に当ったかに視えた白炎だが


雷神のハンマーで見事に軌道を外らせ

後方の壁が破壊されるが………


壁は直ぐに元の状態へ戻る。


そうこの場所は、神々の力で構築された

地下牢獄であるから

どんな攻撃だろうと直ぐに修復される。


雷神がハンマーをドラニちゃんへ投げ付けた?


自らの神器を何故だ?

と、俺は考えたが


ドラニちゃんは、そのハンマーを白き大剣にて、違う方向へ打返したが


迫りくる雷神の手に打返したばかりのハンマーが戻って来る?


雷神の神器であるハンマーは?

雷神の意志に共鳴して自在に操れるのか


感心と興味深さに………良いなアレ!

と 心の声が漏れていた。


雷神の神器のハンマーは、それだけでは無かった…………


ドラニちゃんに迫った瞬間に巨大化し

ドラニちゃんに襲いかかる。


アレは反則だろうと思考加速で

考えたが


ガッキーンッ 


轟音と共にドラニちゃんの白き大剣が

受け止めている。


何ていうハイレベルな戦闘だ!


これが神の実力なのか…………………


ドラニちゃんがハンマーを弾きながら

距離を取った所で


タイマー音が鳴り


「両者! 其処まで! 」


と大声で試合終了を宣言した。


「こんな中途半端で…………」


雷神が呟けば


「まぁまぁ良い運動には成ったぞ!」


と ドラニちゃんが笑う。


暫くの間考え込んで……………雷神が


「神の力をそのままに、

に 人間化しここから

出られるのならば……………


君の眷属になりたく思う……………」



俺は、雷神に問う。


「この世界が、4つに分断されている事と、その1つの自分達の区域の神は

ゼウ神が唯一神であるのです。」


雷神は頷き


「ゼウならば、やりかねん。それで?」


話の続きを促す。


「ゼウ神の横暴を止める為に!


ダンジョンの最下層の奥に、閉じ込められた神々を助け出し


ゼウ神を倒す為に力を貸してくれませんか?」


雷神に頼めば………



「目的が同じなら 俺も同意見だ!」


雷神が俺の提案に乗ってくれたので

直ぐに人間化への説明をし


雷神の周りに魔法陣を収納魔法から取り出した筆で描き


魔法陣の上空で人間化する詠唱を唱え

雷神の許可を取れば


「雷神トーは、君の眷属になる事を

自ら望む!」


雷神との盟約が終われば…

魔法陣の中が霧に覆われる。


真っ白に染まった霧を確認して

自分の手の平を小刀で切り上空から

血を魔法陣の中に滴らせれば…………


スーっと霧が晴れて往く。

薄い霧の中から

薄いブルーの長髪の10代後半の美丈夫な175cm位の身長の男性が現れた。


俺は、空中から降りドラニちゃんの

隣に並ぶ


その少年?青年?

が 俺の前で跪き


「トモルシード様!


盟約に基き 貴方様の眷属に成り

人間化出来た事 有り難く思います。」


と…………………


「イヤ イヤ ちょっと

待って下さい。


頭なんか下げないでくださいょ。


元神様にそんな事をされれば


仲間に成った意味が前提から…………


兎に角 立って下さい!」


と元雷神の手を掴み立たせると………


「それでは、せめてトモさんと呼ばせて下さい。」


う〜ん どうだろうか?

元雷神にそれも見た目は年上の男性から

さん付けで呼ばれる事に、抵抗がある。


「ドラニちゃんも俺の事を

トモルシードと呼び捨ての関係だから


貴方もそう呼んてくれて

良いのですよ。」


と 説得したが……………


彼は、せめてトモさんと呼ぶ事を

譲らなかった。


しょうが無いと諦めかけた時に


「我も人間化して、トモルシードに


新たな名を授かった!


元雷神も人間化したのだから名を貰え」


ドラニちゃんの発言に眼を輝かせ


「元雷神トーに名を授けて下さい!」


と 頼まれた!


エッ 本気で〜


俺は、スマホを取り出して調べる。


北欧 雷神 で検索すれば


アース神最強の戦士

トール 英語読みではソー


取り敢えず聴いて観る事にした。


「俺の元の世界では、トールまたは

ソーという神様だったけど?


どちらが好みかなぁ…………」


少し考えて…


「トールが良いと感じました。


トモさん どうかトールと

呼んで下さい。」



「解ったよ。


宜しく頼むよ。 トール!」


俺が新たな名を呼べば


トールが何だか嬉しそうに笑っている。


「どうか? したのか?」


何故笑っているのか解らずに問うと……


「名を呼ばれた瞬間


頭の中にトモさんの加護と………」


名付けにそんな事が………………


ドラニちゃんにもそんな事が………

だったらもっと真剣に考えるべきだった


「一応聴くけど?


ドラニちゃんにも俺の加護とやらが


あるのかなぁ?」


ドラニちゃんは、今まで一言もそんな事言った事がない?


「我にも、確かにトモルシードの加護

が当然ある!


だから雷神の人間化した名を

求めたのじゃ!」


知らない事実が明白になった瞬間だった


茫然としながら………


「それじゃ 帰ろうか。」


と2人に伝えれば


トールが


「自分がどんな場所に閉じ込められていたか?


識っておきたいのですが?


駄目でしょうか? トモさん? 」


俺は、賛成だが…………………


「なっ 何を言い出すのだ!


我は、エレベーターには絶対に乗らぬぞ!!!」


まぁ そうなる筈だよねえ〜


仕方が無い 俺はトールに


少しだけこの場で待っててくれ と頼み


ドラニちゃんを低位瞬間移動魔法で

ウルネスの木造教会のダンジョン近くの冒険者組合にドラニちゃんを残し

金貨が大量に入った財布を渡し


「好きな物でも食べて、


ここで待っててくれ。ドラニちゃん!」


と言えば………ニヤケながら?


「仕方が無いの〜


トールの気持ちを汲むとする!」


俺は、冒険者組合から出て

低位瞬間移動魔法でトールの待つ

最下層の巨大両扉の前に移動し


「持たせた。 トールではこのダンジョンを逆に登ろうか?」


頷くトールと共にエレベーターに乗り込んだ。


トールは、ドラニちゃんとは違い

エレベーター内でも


何とも無いらしく。


色々な質問を俺に、問う……………


大怪獣が復活するには、数日間必要だが


ドラニちゃんの直感力で最速のルートで

フロアボス部屋に到着していたので


当然 数頭の大怪獣に遭遇する。


トールは、己の神器のハンマーで

実にアッサリとと大怪獣をブッ倒し


「人間化していても………


力は十分に使いこなせるのですねえ。


こんな化け物達が居る所では?


人の力等……及ばない筈ですよ。


トモさんが如何に偉大かを


改めて感じますょ。」


俺は、収納魔法にトールが倒した大怪獣から出現した

インゴット 魔石 金塊 紅い花

を収納しながら


トールの話を聴く。


伊達に雷神では無いか……………

ドラニちゃんと同等クラスのパワーと

戦闘センスを感じる。


フロアボスが居ない為に直ぐに

エレベーターの階層を突破すれば…


「ここからは、普通の冒険者達がいる

可能性があるから!


トールのハンマーは、自分の収納魔法の中に、しまってくれ無いか?」


俺がトールに命じれば?


「このハンマーを使用出来ない…

のですか?」


困り顔でトールに問われ


「そのハンマーは、神器だろうから

人間界で噂になれば………


ゼウ神に、気付かれるかも知れない


恐れがあるし………


極力水面下で、神々を地下牢獄から

救出したい!


トールは、人前では剣を使って欲しい


が 剣術での戦闘は?


可能なのか?」


と トールに問えば


「アース神最強の戦士とまで言われて


居ましたから、


剣であろうと槍であろうと


何でも使いこなせます!」


ほっとしながらも……

収納魔法から


剣を数種類取り出し


「今は、これしか無いが………

スペイ王国に戻り次第

トール専用の剣を作り出すから………」


と 約束をし剣を選ばせれば


双剣を手にしながら……


「練習がてら………この双剣をから試そうと………思いますが?


トモさんのご意見は?」


と聞き返され………


「まぁ 色々と試していきながら


どんな剣にするのかを…決めたら良い」



そして、トールが双剣を手にしてから

急ぎダンジョンを登って行く。


ダンジョンの2階層で微かな悲鳴が聞こえれば?


「トモさん!


この先で戦闘が?」


俺はトールに、頷き

地面を蹴って急遽その戦闘に2人して

参加した。


視力も強化して居る俺が見たものは?


「手前の狼みたいな魔物に襲われている者は、俺が対処するょ!」


「トールは、その奥で魔人に弄ばれている者達の救出を頼む!」



思考加速で判断し

トールと俺は二手に分かる決断をする。



俺は、ファイアーボールを連弾で

狼みたいな魔物とその奥の魔人に

10連弾ずつ放ち


「トール!


奥の魔人達から


冒険者達を守ってくれ!!」


と 命じれば


頷きながら


「了解しました。 トモさん。」


と言いながら俺の横をスピードを上げながら突進して行った。


俺は、群れで襲い掛かる狼の魔物を

身体強化した身体能力で躱し

瞬時に剣術で狼の魔物を退治し


「大丈夫か?」


と 声をかけたが…………


返答も無く


首や腹部や足を食い千切られた

少年が横たわっていた………………


一応 脈を確認したが

彼は既に……… 息絶えていた。


「もう少し早ければ、


殺させはしなかったょ………」


彼の骸に、手を合わせ冥福を祈れば……


彼の胸の上に大事そうに握り締めていた


皮の用紙に気が付いた!


首を噛み切られても、丸まりながら必死に何を大事に守っていたのか?


死者の掌から、俺は丁寧に

取り出し中を確認し…………


愕然とした!


其れは、一種の契約書みたいな物であり


自分達冒険者パーティは

飽くまでも上級冒険者パーティの

援護攻撃担当だけで、撤退する場合は

先に逃がして貰う。


その内容に依存が無ければ

下にサインする。


そして サインの欄には

3人の名前が署名してあった………………


死んだ彼が、恐らくこのパーティの

リーダーだったのだろう…………………


其処まで理解した処にトールから

声をかけられて…………後ろを振り向けば


魔人達から弄ばれた傷を負いながら

助けてくれたトールの後ろに9人の

俺と余り変わらない年頃の男女が

様子を伺っている。



「彼は、残念ながら既に亡くなっていたよ………


この契約書を大事に守りながら…………」



9人に伝えれば


泣きながら………


「俺達を…逃がす為に………


たった1人て…………」


成る程 彼は死を覚悟して仲間を

逃がそうとしたのか……………


冒険者パーティのリーダーとしての

彼の行動に感銘し


9人の冒険者達に、治癒魔法を施した。


彼らの傷が徐々に回復すれば


「ありがとうございます。」


と、御礼を言われたが………


「その言葉は、死して君達を守った


彼にこそ伝えるべき言葉だ!」


!!!


9人全員が彼の元に駆け付け泣きながら


「リーダーのお陰で、この方達に

助けられたよ。


あんな奴らの口車に乗せられ無ければ


死なずに済んだのに……………」


彼の冥福を祈りながらも

何故彼が無くなる羽目になったのか………


全貌が掴めた!


俺の中に怒りがメラメラと込み上がる。


血だらけ彼を…俺は背中に背負い


「証拠は、ここに在る!


彼の無念を………俺が代わりに果たす!


君達は、俺とトールに付いて来い!」


そして、出口へ急ぐ。


魔物は、トールに任せ


彼等でもついて来れるスピードで走り


ウルネスの木造教会のダンジョンから

無事に脱出し、その足で冒険者組合に

向かった。


亡くなった彼の血で汚れたままで

冒険者組合に足を踏み入れれば……


事情を知らない冒険者達がざわつき出した。


「おい! どうした?


血だらけじゃないか?」


俺は、9人の冒険者達に問う


「この中に、お前達をはめた奴らは?」


9人の冒険者達が周りを見渡しながら…


「この場には、居ませんが?


多分、食事か酒を……………」


ざわつく周りを気にせずに俺は、


冒険者組合の中にある食事処へ行けば


「彼奴等です。


間違い有りません!」


冒険者9人が指を差した。


ズカズカと俺は、彼等に近づき 大声で


「ノルウェ王国の冒険者は、冒険者の


プライドさえ無いのかぁ―!」


他のテーブルで食事中の冒険者達までを

一声で喧嘩を売った!


! 「ナッ 何なんだ! 小僧!」


俺達は、周りを囲まれたが………


「俺は、スペイ王国の第4王子


トモルシードだ!」


俺が他国の王子だと宣言すれば

周りが静まり返った。機を逃さずに


「俺は、冒険者に憧れていた。


冒険者ほど自由で仲間思いを知らないからだ!」


周りの冒険者達も………


「その通りだが?


王子様は、先程この国の冒険者は?


プライドが無いと言ったではないか!」


此れで、お膳立てが完成した。


「そこに居る冒険者パーティは?


ブロンズプレートの冒険者パーティと


契約書を交わしたくせに………


置き去りにし、サッサと逃げ帰った


卑怯者だぁ!」


指を刺された冒険者パーティは………


「ドッ 何処にそんな証拠が有る!


お前達が、勝手に付いて来て


はぐれただけの話だ!!」


観衆の前で、卑怯者の冒険者達が

言い繕った処で…俺の計略が完成した。


「トールこの冒険者組合の1番偉い人を、呼び出して来てくれ。


スペイ王国の王子が、呼んでいると


カウンターの人に伝えてくれ!」


トールは、大きく頷き食事処から

出ていった。


俺は、背中に背負っていた亡くなった

ブロンズプレートのリーダーを

静かに寝かせる様にそっと置くと


「お前達は、彼の勇敢さと最後まで


仲間を守ろうとした覚悟に敗けたんだ」


静かにそう告げてから………


血塗れの服の中から契約書を

取り出した。


「この中の文言は、十分理解して居る


だろう。 貴様達の二人の署名も有る。


冒険者組合の上層部に、


確認して頂こう!」


一気にその者達の表情が青白くなり………


「そんな物に、署名した覚えは無い!


偽造した契約書だわ!」


男女 2人が血相を変えながら怒鳴る


しかし、トールが二人の人物を連れて来た。


血だらけの服の俺を見て………


「貴方様が? スペイ王国の王子様?


ですか?」


厳つい面構えの年配の男性と

スラリとした体型の美人 多分秘書らしい人物が、トールと共に居る。


「亡くなった彼を、運んで来たから


こんな感じの見た目だが


自分がスペイ王国の王子だよ。


それよりも、至急確認して貰いたい


この契約書の有無を…」


俺は、契約書を厳つい面構えの男性に

渡して責任の追及を求めた。


その人物は、皮の用紙の契約文を読み


「確かに、正当な契約書ですよね。」


そう 呟くと 秘書だと思っていた

美人に?丁重に契約書を渡した?


あれ? もしかしてこの女性が………

この冒険者組合で、1番偉い者なのか?


その美人さんが


「その亡くなった者が………


お前達冒険者への警戒心から


保険として、この契約書を…………」


慈しみを持って、少年の亡骸に

手を合わせてから


「お前達の様な愚劣極まり無い輩の


せいで! 


将来有望な若き冒険者達が


犠牲に成る!


私の権限で、ノルウェ王国の冒険者の


資格を剥奪する!」


この国で、冒険者を剥奪されれば?

この者達は…他の国で同じ事を繰り返しかねない。 と感じて………


「こんな無法者達を、海外に出せば


さらなる悲劇が生じるでしょうから…


ノルウェ王国の評判を更に下げるだけ


ならば、階級を下げて総ての装備品を


彼等ブロンズプレートの冒険者達に、


移譲する事で、自分たちの愚かさを


認識させて…改心させる事が


貴方達の最低限の仕事では


無いのですか?」



俺が美人さんに問う。



「………………… 


確かに他国の王子様の意見に


同意しますが…………


其れでも、私個人は


若い芽を摘んだ彼等を…許せませんが


残りの9人の冒険者達の命を救ったの


は……貴方様ですからその様に


取り計らいましょう。」


顔に苦渋の決断だと、見たもの全員が

理解し事の顛末を覗っていた。


厳つい面構えの年配の男性が


「さっさと、装備品総てを…彼等に


譲渡しろ!!!」


威厳ある怒声で、卑怯な冒険者達を一喝


すれば………


他の冒険者達の手前


自ら装備品を差し出し


「俺達が………悪かった。


利用して 済まなかった………」


と 9人の冒険者達に装備品を差し出しながら謝罪の言葉を、始めて口にした。


俺は、彼等の装備品総てを収納魔法に

入れた後に


「仮にこの事を根に持ち、復讐仕様と


考えても………俺が彼等を…責任を持って、強化させるから心配無用だ!」


これに頷いた美人さんは、何の違和感も持たずに…………


「そうして頂ければ、幸いですねぇ。」


 微笑みながら答えた。


事が一段落した頃になって


気が付いた!


そういえば~ ドラニちゃんを

この場所に待たせていたんだった…………


辺を見回せば……………


一番奥のテーブルで?

酒瓶を持ったまま………寝落ちして居る

赤毛の小さな頭が見えた。


トールにその場を任せ

俺はテーブルで微かな寝息がする


ドラニちゃんを揺すって声をかけた。


「ドラニちゃん! 良くこの騒動の中


熟睡出来るよなぁ〜」


返答を期待したが?

ドラニちゃんは、起きる気配さえ無い…


食事後に酒を飲んだのだろう。

テーブルは、空ビンで埋め尽くされている。


仕方が無いので、ドラニちゃんを背負い


店のウェイターに


「俺の連れだが?


料金の支払いは?


どうなっているのか?」


と聞けば………


「先払いで、金貨を頂いていますょ。


幼女にしか見えなかったもので…………」


済まなそうに


ウェイターが答えたが


それなら何で?酒を提供したのか?

と言いたかったが………


どうせドラニちゃんが、店側を脅しでもしたのだろう。


俺は、それ以上何も問わずドラニちゃんを背負いトールと戸惑う少年 少女 達

に、合流し亡くなった彼をトールに

背負わせ冒険者組合を後にした。



「取り敢えず、君達の拠点と彼を埋葬


してあげよう。


君達は、魔法で空は飛べるのか?」


と 緊張しきった9人の冒険者達に問う


「そんな……高等魔法使えません。」


と 少女が震えながら答えた。


ならば、どうやって彼等を共に移動可能

可を思考加速で考えれば………


俺の低位瞬間移動魔法で、隣国に一番近いダンジョンの近くへと連れ出すのが

最適解だと結論付け


「トールから順番に両手を繋ぎ


決して俺が許可する迄は


その手を絶対に離すな!」


と言えば


「一体全体トモさんは?


何をするおつもりですか!?」


トールに答えを求められ


「このノルウェ王国の隣国に一番近い


ダンジョン付近の街まで、


俺の低位瞬間移動魔法で全員


連れて行く!」


トールにノルウェ王国 首都オスロにて


購入したダンジョンの地図を1枚


取り出して、見せれば


「成る程………彼等が仮に復讐され様と


隣国に逃げられる様にと 


御考えですか?」



理解が早くて助かるなぁ~

ドラニちゃんが、起きていれば………

絶対に面倒臭がるだろうが?

流石は、元雷神トールだと

彼の評価を上方修正し


9人の冒険者達に、トールのお陰で

同時に説明出来た。


不安そうにしながらも、全員が両手を

繋いだのを確認して 低位瞬間移動魔法

で ダンジョンの地図の方角の空に

移動した。



上空3000メートルで


悲鳴を上げる9人の冒険者を無視して


数回の低位瞬間移動魔法を行使し


目的地の上空に到着し


ゆっくりと下降しながら、街全体を把握


する。


さほど大きな街では無いが………


彼等が隠れ棲むには、最適な場所である


冒険者組合の前に降り立った俺は

直ぐに入ろうしたが……………


9人の冒険者達には、立っていられない程の恐怖体験だったので………

地べたに座り込んてしまった?


仕方が無いので、俺はドラニちゃんを背負ったまま冒険者組合で情報収集を

行った。


先ずは、食料品店や不動産屋の場所と

この街の地図を得て戻れば


多少なりとも9人の冒険者達は

恐怖から開放されて居た。

だから


「先ずは、君達の拠点を確保するょ。


不動産屋に行こう!」


全員で不動産屋を訪ねて、店主に問う


「街外れで、10人以上が住める場所


を探している。」


血まみれの俺から問われた店主は………


「ヒッ」


と後ずさったが


「そんな建物は、冒険者組合位しか…


あっ 街外れの幽霊屋敷なら………


タダでお譲りしますよ。」


訳あり物件て事だよなぁ。

まぁ全て取り壊し俺が創り直せば

何の問題もないが。


物件を建てた後に、クレームが来ない様


「その物件を購入するから


売買証明書を作成してくれ!


値段は、正規の建物と土地の価格で


計算してくれて良いから!」


不動産屋の店主は、タダで譲る筈が

買い取ると聞き

目の色を変え


「それでは、建物自体はボロボロで


価値は無いので 土地だけは広いんですよ。 


金貨5枚と手数料として

銀貨3枚で、どうでしょうか?」


俺は、頷いて


「他国の金貨でも構わないか?」


と聞けば 金が本物ならば差支えない

らしく、店主が急いで売買契約書を

作成して サインの提示を求められ


「君達全員が署名しなさい。」


と 9人の冒険者達を促した。


署名を終え 店主も契約書を確認し


不動産屋のサインが終わり


俺は、金貨6枚を店主に渡し


「この子達が、困って居たら助けて


やってくれ!


釣は チップだ!」


金貨が本物かどうか?確かめていた店主


が、


「えっ そんな事でしたら


何時でもご協力致します。」


と 頭を下げながら………


「実物の建物を見て、気が変わっても


売買契約書があるので、苦情と返金は


受け付けられませんが?いいんですね」


俺は、不動産屋の店主に貰った地図の場所を探せば…………………


本当に朽ち果てた豪邸だったらしき屋敷が街の外れに建っていた。


9人の冒険者達は、茫然としながら


「これは、幽霊屋敷と表現するょなぁ」


ボソッと呟いたが……………


「心配は要らぬよっ


俺が建て直すから………」


そう告げて


幽霊屋敷に人がいないのを確認してから

白炎で一気にボロボロの屋敷を灰と化した。


その光景を9人の冒険者達は、息を飲みながら只々見守って居たが???


「屋敷の修復でなく、本当に創り変え


 る御積りですか? 」


「当たり前だろう!


君達の門出に相応しくしてやるから


安心しろよ!」


その言葉通り 魔石とインゴットで

基礎を創り変え 骨組みを新たに錬成し


屋敷を完成させた。


彼ら一人ひとりの個室も完備させ



リビングと食堂を併設させ 

 ドアで地下に闘技場を創り出し

一人一人のプライバシー保護も完璧に、用意した。


10分チョトで 拠点が完成するのを

9人の冒険者達は…………………


愕然と観ていただけだが?

尊敬の念が込められた眼差しで

俺を観ていた。


拠点が完成した後に………

俺の気持ちを動かした亡くなった彼の

棺を魔石で錬成し…………彼を棺の中に

優しく寝かせて………………冥福を祈り


「彼との最後の別れをしなさい。


何時でも、彼の勇気を思い出せる様に


この拠点の入口の横に埋葬する。」


一人一人が、最後の別れを惜しみ


泣きながら彼に感謝を述べて居た。


それを見守り終え


入口の横に土魔法で、墓穴を開け


丁重に棺を降ろし土魔法で埋め戻し


魔石で墓標を錬成し、名を刻もうとして


彼の名を知らなかった事に気付き


「彼の名と年齢を、教えてくれ!」


少女が答えた。


「彼の名は、リーダー マックスです


年齢は、16歳で……………」


言葉に詰まった少女に


「解ったょ! 墓標に彼の勇気と名を


刻もう。」


俺は、錬成魔法で


リーダー マックス 往年16歳


仲間を守った勇気を称え 永劫の眠り


につく………


そう墓標に刻み


彼の地中にある棺桶の上に墓標を立てた


そうしてから………


拠点に彼らを招き入れた。


必要な生活用品を錬成しまくりながら

1人に1部屋を与え

ベッドや勉強机を完備させてから


リビングに地下闘技場に続くドアを

作成し終えてから


「君達に対して特別な感情は無いが?


君達のリーダー マックス君には


感銘を受けた。


だからこそ君達全員を鍛え直してやる


先ずは、自己紹介を改めてしよう。


俺は、トモ 青い長髪の美丈夫が


トール ソファーの上で未だ寝ているの


が、ドラニちゃんだ。


君達9人は、それぞれ3人づつ


俺かトールかドラニちゃんに………


地下闘技場にて、修行を付けられるが


俺達にも時間は?余り無い!


最長で3ヶ月位だろうが………


決して楽な修行では無いが


覚悟はあるか?」



直ぐに、返事は無いだろうと思っていたが……………


「仲間を失う事がこれ以上無い様に


教えを請いたく思います!」


と 9人の冒険者を代表して


少女がハッキリと宣言した。


俺は、トールに頷き


ドラニちゃんを叩き起こした。


「う〜ん な 何なんだ?


トモルシード?


折角気持ち良く寝ていたのに〜」


 今までの経緯を俺から説明され


「話は、理解したが………何故我が


小奴らの指導をせねばならぬのか?」


と 駄々をこね出したから


「食事しながら待っててくれと


頼んだよなぁ?


勝手に酒を飲んで今までの爆睡


していた阿呆は?誰だい?


拒めば………これからは………阿呆と改名


し俺とトールから、この先阿呆と


呼ばれるぞ!」


ドラニちゃんが真っ青になりながら


「それは、困るぞ!


我は、ドラニちゃんと言う名を


気に入っている!


断じて、阿呆では無い!


う〜む 仕方無い。 


我の修行は厳しいが?


お前達! 耐えらるのだろうなぁ!」


ドラニちゃんが、9人の冒険者を

見渡しながら牽制すれば?


ガチガチに固まりながらも


「宜しくお願い申します。」


と声を震わせながら答えた。


「良し!ならば先ずは


食事会をしながら君達が


自己紹介と冒険者パーティの役割りを


教えてもらおうか。」


俺は、自分のドアをリビングの壁に貼り付け、中から食事に必要な材料を持ち出してきて、料理を始めた。


勿論、水の確保は地下深くにあった水源

からポンプ式で、組み上げられる仕組み

にしてある。


トールは、俺の横で何やら


観察して居た。


食事会をしながらの自己紹介が始まった


アタッカー役の

ジャック

ジェシー

ルイス 3人の男子


防護役の

キース 男子

J.K 女子

サニー 女子


回復役と遠距離攻撃役の

副リーダーだった

アニー 女子

ローズ 女子

J.J 女子

ちなみにJ.kとJ.Jは双子だ。


全員が15歳で同じ村の出身らしかった


皆名前と役割りを述べ御礼と感謝の言葉を語り不安そうにしていたが………


「我が教えてやれるのは!


アタッカー役しか無いだろうよ!


なぁ トモルシード!」


勝手にドラニちゃんが自分の担当を決めれば………


トールまでが


「では…トモさん。私が防衛役の3人を


引き受けます。」


「それが、良い!


トモルシードは、残りの3人を


任せるぞ!」


と ドラニちゃんに仕切られた?

遠距離攻撃と魔法使いとその護衛を………


一人一人の役割が違い

同時に教えるのかぁ~と頭が痛いが


ドラニちゃんもトールまでが

このチーム分けに納得していたから


「解ったよ!」


俺が折れるしか無かった。


食後に


「明日の朝にまた訪れるから


今日は、もう休んで


明日からの訓練に備える様に………」


9人は、


「ハイ!分かりました。」


と答えたので


俺とドラニちゃんとトールは

低位瞬間移動魔法でスペイ王国の自室へ

一先ず帰った。


自室でセバースが、1人増えたトールに

驚きながらも


「はじめまして。トモルシード王子の


執事のセバースと申します。


今後とも、宜しくお願い致します。」


と丁寧にトールに挨拶をした。


流石は、腕利きの執事だけあって

動揺を隠しながらも、俺の仲間を

受入れた。


トールは、それに対して


「私の名は、トールと申します。


トモさんの新たな仲間に加わりました


何分、この王国に馴染みが有りませんの


で、御指導をセバースさんに頼らせて


頂くしか有りません。


こちらこそ宜しくお願い致します。」


とセバースに言葉を返せば


2人の間で、笑顔が見て取れたので

俺は、一安心しながら


「明日から、3ヶ月間事情により


俺達3人は、他国に行く事になったが


俺の並行存在魔法で1人は、残して行く


から心配は無いが………セバースには


知らせておくょ。」


保険は、一応かけておくと…


「畏まりました。トモルシード王子様」


出来る執事は、理解力も流石であった。


俺は、ドラニちゃんと同様に

寝室にトール専用のドアの部屋を用意

し、それぞれ眠る事にした。


ひょんな事件から他国の冒険者を訓練する事態に成ったが?


人に教える事に成功し、

新たな生活への第一歩を

果たして歩めるのか?


ドラニちゃん トール

トモルシードの3人で


この先フラン学園都市に

無事に入学出来るのか?

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