言語不明
キレイな青空 陽の光に照らされ 水の音で
健斗は目覚ました。
「ここが異世界なのか...」
目覚めた健斗が前を向くと、さっきまでいた自分の部屋とは違い、おしゃれな石造タイル 街路樹 キレイな川が流れる爽やかな雰囲気の街の中にいた。
人間以外の種族も住んでおり物を売る商店 住居もありとても豊かな街だということがわかる。
「おー 俺の家の近くだと住宅街やビルが沢山建っているからこんなに開放感があって住人もいる。
こんな良い街に転移してくれるとは希も気がきくな」
そう思い健斗は希にお礼を伝えようとしたが
周りを見ても希の姿は見当たらない。
「おーい希?ここの街がどんな街か教えてくれよ」
そう呼びかけるが希は見当たらない。
「なんだよ ここの異世界の事教えてあげる
そう言ってたのに」
今この場に希がいないのは残念だが
せっかくの異世界だから今自分がいるこの街を
もっと見たい。
そして街の奥へ行こうとした時、健斗は肩をポンポンと2回叩かれた。
「希 遅かったな やっと来たのか?」
健斗が言いながら後ろを向いた。
目の前にいたのは超絶美人高校生大空希...ではなく
健斗よりも背が高く筋肉ムキムキの屈強な漢が二人。
健斗は一瞬男二人の迫力で動きを止めてしまったが
「あのー何か用ですか?」
そう男達に聞いてみた。
すると男二人は
「○△□×?」 「○△□×○○××」
健斗には理解できない単語で会話を始めた。
「すみません もう一回...」
健斗が聞き直すと
「○△□□□!」 「○△□×○○××!!」
男達が声を大きくして健斗の方を指さす。
恐らく問い詰めているのだろう。
声をさらに大きくして健斗に話しかける。
「だから何言ってるか分からないんだよ!!」
健斗も言ってることが分からないので
イライラが溜まって行く。
「もう良いだろ!」
健斗がそう言って立ち去ろうとした。
しかし男達は健斗への追及を辞めるどころか
健斗の体を持ち健斗をどこかへ連れて行こうとしている。
「おい!何すんだよ?」
健斗の質問には応じず健斗を運ぶ男達。
そして健斗を魔車に乗せる。
「クソッ 俺が何したって言うんだ...」
魔車に乗せられ外を見ると看板があり
文字を読もうとした時健斗はあることに気づく。
「この世界の言葉 文字も何も分からない...」
異世界に来ていきなりその国の言葉が分かる。
自分が読んだりアニメで見た異世界生活とは違い
異世界での生活は甘くない事を感じた。