開戦の号砲
「キターゾ・ファミリーの報復攻撃か
たかがマフィア程度にお前達が負けると?」
椅子に座りながら怪訝そうな顔をするラスト・ワン。
逃げて来た信徒と魔物は気まずそうにする。
「確かAとか如何とか言って自慢していたじゃないか?」
「A・・・Aランクパーティ相当の戦力は有った筈です」
「そのなんだ? ランク? って言うのは良く分からんが強いって事だろ?
俺から見ても強いと思ったし、 ランクって何だ?」
「ランクと言うのは冒険者達が徒党を組んだパーティの強さの格付けです
S、 A、 B、 C、 Dと強さが分かれてSが最強、 Dが最弱と」
「ちょっと待て何でAの上がS何だ? 可笑しいだろ?」
「スペシャルのSです」
「意味が分からん・・・それでAランクパーティ相当の戦力と言う事は
これは凄い事なのか?」
「全世界でもAランクパーティは300組も居ません」
「多いのか少ないのか分からんな」
「小さな町一つは簡単に落とせる戦力です」
「この街は大きいと思うが・・・」
「それでも戦力としては充分な筈・・・」
ダーク・シスターが訝しむ。
「ダーク・シスター様・・・あの・・・他の幹部の方は・・・戦闘の際に討ち死にに・・・」
「何だと!?」
ラスト・ワンが驚愕する。
「俺から見ても比類なき魔術を誇るダーク・マザー!!
一騎当千と言う言葉すら生温いダーク・ブラザー!!
そしてその両者の力を兼ね備えるダーク・ファーザー!!
これら全てが討ち死にしたと言うのか!?」
「は、 はい・・・」
「ラスト・ワン様、 俺は貴方の下に付く前に四天王セカンド様の下で働いていました」
魔物が口を開く。
「それで?」
「セカンド様と戦っていたSランクと名乗っていた奴が
今回、 我々を襲ってきていました」
「・・・・・・・」
立ち上がって椅子に手をかけて椅子で思い切り魔物を殴りつけるラスト・ワン。
「がああああああああああああああ!!」
「ら、 ラスト・ワン様!! 落ち着いて!! 落ち着いて下さい!!」
「あのマフィア共にはかなりの戦力が有ったという事か!! 糞ッタレ!!
馬鹿にしやがって!!」
「ど、 如何します?」
「敵のボスのどてっ腹に穴を開けて和睦をしようとか頓珍漢な事は言わん!!
マフィア共に知らしめてやるよ!! 戦争だ!!」
強く決意するラスト・ワンだった。
