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世界が続く  作者: ダンヴィル
異世界へ
7/8

旅の始まり


クトゥジェプロ王国の城で生活を始めて二週間がたった頃、タツヤが「満足にレベルが上がったから冒険に出よう」とか言い出した。

ベルナドットとタツヤはエミリーが手続き等をしてくれて順当に審査が通れば1ヶ月もすれば帰れるらしい。

私とアイちゃんは時間が腐るほどあるし百年か千年か、とにかく気が向いたら帰るので行き当たりばったりで行く方針。


当然の事なんだけど、城の人達からは触れてはいけない存在みたいな扱いされててさ、本当はもっと早く出たかったんだけど流石にタツヤを見捨てるのは後味悪すぎるから待ってた訳でようやくまともに城下町の外へと出た。


町を囲む壁を潜り抜けた先はとても広い草原と何処までも続いていそうな一本道で、本来は私の世界でも見慣れた光景なんだろうけどアイちゃんが居る影響で空を覆う灰色の雲はまるで意図的に切り取られたかのように先が無く、そこから先は不自然な晴天となっていて、周囲にある風で靡く雪の乗った草の遥か先には雪など知らぬと言いたげな緑色の山が並んでいて幻想的とも受け取れる不思議な光景が広がっている。


「改めて見直すとアイちゃん凄いね~。どうにかならないの?」


「無茶を言うでない。それは呼吸するなと言ってるのと同じ事じゃぞ?」


「分かってるけど言いたくもなるよね~」


町を出て数分の所でつい思った事が口からこぼれ出た。

ドラゴンの縄張り関係もあるけどアイちゃんと一緒に旅をできない一番の理由が今の光景だもんね。

ドラゴンはそこに居るだけで周囲に影響を及ぼすから。


ま、正直この世界がどれだけメチャクチャになろうと知ったことじゃないけど。

そもそもこの世界のバランスをぶっ壊せって言い出したのはクトゥジェプロ国王、この世界の一国の王が言い出した事だし。


ミューズは動物の言葉をある程度理解できる。

その影響で自分含めてヒューマンという存在も動物でしかないという考えを持ち、強いて言えば知的生命体であるかないかでしか判断しない。

細かく言えばちゃんと仕切りがあるが、ミューズは言葉を理解してしまう為に普通の人より仕切りが甘く曖昧。

だからこそミューズが魔王という存在を倒す事を考えた場合何を一番に考えるかといえば生態系である。

強者が長くその場に留まるということはそれだけ安定しているという事に他ならず、態々強者を排除しようなんてして成功した場合縄張り争いという名の生存競争しか発生しないとミューズ程良く理解してる者はこの世界には居ないだろう。

実力はハッキリしていないが、魔王を倒す=良くて魔王の代わりが現れ、最悪安定した世界の崩壊が起こると認識している。

それを望むならカルラが歩き回るのは最適だろう。

文字通りその地の環境が壊れてその土地にいた強者はより住みやすい場所を目指して移動するだろうから。


「ねえねえ、適当にBGM流しても良い?」


「え?うん?よくわからないけど別に良いよ?」


ミューズがそんな考えをしているとはつゆ知らずこの神秘的な光景をカメラ機能で納めていたエミリーが許可を取って曲を流し始めた。


「………なに……この、絶妙に音程外したパチモンBGM」


「パチモン!?何言ってんの!?ドラファン王道BGMだよ!?」


「ドラファン!?いやいやファイクエのパクリだってこの曲!」


「二人の世界はかなり近いみたいだしたぶん似てても不思議じゃないよきっと」


しかし分からない用語か出てて聞き逃してたけど曲を流したかったのか。

今流すのは少し不味い気がするけど……まあ誤差かな誤差。

それよりBGM?って言うのが曲の事なんだね。覚えておこ。


「ところでBGMって何かの略称だよね?何なの?」


「バックグラウンドミュージックの略称だよ」


「ふ~ん……なんていうか、わくわくさせる感じの曲だね」


「でしょ?」


「俺からしたら違和感しか無いけど……」


そんな雑談をしながら歩いていき、そろそろ町の入り口が豆粒みたいに見える頃ミューズがカルラへと近付き並ぶ。


「ねえカルラ」


「なんじゃ?主が妾の名で呼ぶなど、何を企んでおる?」


「ん~ん。企むというか後にするか先にするかってだけの話しだよ。

カルラも行けるなら行きたいって言ってくれたけどさ、私さ、カルラとこうやって旅するのが1つの夢だったんだよね」


「旅と言ってもまだ数分しか経ってなかろう」


「これから長いんだから良いじゃん。沢山初めての発見や経験をしてさ。

……私ね、私達の世界でカルラに見せたかった光景が沢山あったんだ。だからこれからそういうのを一緒に沢山見たりできるって考えたら凄く楽しみなんだ!」


私は昔から感情を隠すのが凄く苦手だからワクワクしたこの気持ちを隠すなんてできない。

町にいた時は私は二人しかいない現実の見えた大人だからしっかりしないといけないって思ってたから嫌な役もしたけどさ、やっぱり私は口が裂けても大人だなんて呼べる立派な人じゃない。

楽しいを追求し旅をする無責任だからこそ自由な冒険者なんだよ。


「だけどね、無粋な気配がほんの少しだけこの気持ちを邪魔してるんだよ。だから早いうちに消するか後々流れで消すかどっちが良い?」


「ん?そうなのかぇ?………あぁ~、すまぬ。妾にはわからん」


だよね~。アイちゃんはわかんないの知ってた!


「消すって物騒だなおい」


「物騒なのは私よりこの国の宗教の方だと思うけどね~」


「は?この国が?」


そう、この国の宗教は物騒で神と誤解している。


「それじゃ話す前に重要な確認を1つ。

タツヤにとっての人間は動物?神様?それとも人間という動物でも神様でもない別の生き物か何か?」


「生物学的に言うなら動物だな」


「……驚いた。そんなすぐ断言できるなんて変わってる」


「いや、現代人からしたら常識だと思うんだが……」


「現代人って……あのねタツヤ。タツヤ目線から見た現代人と私目線の現代人は全く違うからね?」


「……あ、そっか。そりゃそうだな」


「そうなんだよ。まあ何はともあれこれは話しやすくなったよ。

この国の宗教は自分達が神に近い存在であって、宗教のお偉いさんは最も神に近しい存在だってなってるんだけど……

タツヤの世界……だけじゃなくて皆の世界には雨乞いの儀式とかの為に生け贄を捧げたなんて歴史は無い?」


「あるな」

「私の方もあるよ。もう歴史書にしかのってないものだけど」


やっぱりどの世界でも無意味な犠牲って行われてたりするんだ。

てっきりエミリーの世界には無いものだと思ってた。


「そうなのか……俺の世界には今でもあるんだが」


「「えっ!?」」


「と言っても俺の世界には実際に神や精霊や聖霊がいるからであって、彼らの力を借りたりするのに生け贄を捧げる事がある。

俺のこの炎の力も先代から引き継がれた力ではあるが、俺自身が力の受け皿としての生け贄になったという事実は曲げることはできないからな」


実際に神々が居るのか!

いやまあアイちゃんみたいな神と讃えられるほど強い存在から力を分けてもらってその代償の生け贄になるのであって、神に近いだけで神という存在ではない可能性の方が高そうだけどこういう話は心が踊るね!


「楽しそうじゃな」


「楽しくない訳ないじゃん。神様だよ神様?

祈っても願っても救ってくれない神様が実在するなんてワクワクするでしょ?

もし出会えたらさ、知りもしない奴に都合の良い時だけ助けてくださいって祈られるのってどういう気持ちですかって聞きたいよ」


「………すまぬ。ミューズよ、今ほどお主がわからなかった時は無いぞ」


「そこまで深刻な顔しなくても……いやさ、私ですら見知らぬ奴に当然の権利だと言わんばかりに助けろって言われるの嫌になるんだから毎日世界中の誰かに助けろ、どうにかしろとか言われ続けて大変ですねって。

まあ仮にそんな都合の良い神が実在するならの話だけど。

どんな気持ちって聞いてみたくならない?」


「う~む……」


う~ん、わからないかなぁ?

どちらかというとアイちゃんは神様とか言われて祭り上げられる側の存在だし理解できないかも……なんて思ったけどアイちゃんは心底面白そうに口許を抑え笑い声を漏らした。


「フッ……フフ、確かに。神様気分で酔い潰れておるアホではなく本物が存在するなら是非とも皮肉たっぷりに聞いてみたいものじゃのぉ~。フフッ!」


一度足を止めて変な所に入ったのか全力で性格悪そうな笑みを抑えていて実に楽しそうなアイちゃん。

並走していた私は軽い足取りで少し前へ出てわざとらしく身振りも加えて挑発的に話しかける。


「でしょ~?自分を信じてくれてる人を見捨てて想いを踏みにじるのは楽しいですか~ってね」


「いやいや、その信仰っていうのが気持ち悪いと分かってて言ってる辺りミューズも性格悪いのう」


「いやだって惨めだし助けられて当然って思ってんの気持ち悪いし」


「妾なら真っ先に冷気の吐息で黙らせるのぅ。ふー」


「冷たっ!?……まったくもうっ!それ私やセリス様じゃないと永眠しちゃうヤツじゃん」


背を向けた瞬間片手で私の髪を少し持ち上げ隙間に冷気の吐息を流してきて謝罪はしてくれてるけど笑っててちゃんと謝る気がない。


「完全に凍りついてやがる……」


「ただの悪ふざけでこれなら俺の炎の加護じゃ全力の直撃には絶対耐えきれんな」


アイちゃんの冷気の吐息は私の体というクッションを挟んで周囲へ影響を及ぼし私を中心として地面は凍り、先にあった雪の積もる草は完全な氷のオブジェへと変わり果てていた。

まあアイちゃんの住みかじゃ見飽きたオブジェだよね。

草どころか巨大な樹木まで氷のオブジェになっているくらいだもんね。


「確かに凄い……けどちょっと話しを戻して良い?」


「良いけどどったの?」


「宗教がヤバイって話し。もっとしっかり聞かないと危険な気がして。先駆者さん達も宗教とかそういうので手を焼いてた事が結構あるから」


「あっ、そんな話ししてたねうん!」


いや、もちろん忘れた訳じゃないよ。

私の中ではこの国の宗教の話は今さっきのアイちゃんとの戯れにすら届かないほど下らなくてアホくさい話だからどうでも良かったんだけど概要は伝えた方が良いよね。


「宗教というかただの洗脳組織だよ。洗脳組織」


「洗脳組織?」


「自分の都合の良い事を信者に教え行動させ私腹を増やす小説に出てきそうな悪役貴族のお手本のような洗脳教育を宗教活動としてやってるの」


中でも平民の美女には美しいまま、若々しいまま死ぬ事で美しい姿のまま神にお仕えできるとかいう訳わからない理屈で斬首していて、そんな行いが実に神秘的で素晴らしいものだと子供の頃から教え込み処刑される側も何の迷いもなくギロチンへと首をかけるんだから見てて気持ち悪いったらありゃしないよ。


「しかも下手な上位貴族より力を持っていて更に悪魔を浄化したとか報告しておいて悪魔を抱え込んで飼ってるしまつ。

人間の貪欲さを凝縮したかのような気持ち悪さの塊って評価かな。今のところは」


「なるほど……」


なんかエミリーが難しい顔をして考え始めちゃったけど別に難しくないというか程度が低すぎるというか、自ら進んで種族としての進歩の可能性を減らし現状の愉悦に浸ってるだけだって。

その愚かな行為が如何に無謀で愚かな行動かまるで理解していないってだけだよ。

毒と言う名の武器を持たない蟻の大群が来ようと1つの巣分の大群程度じゃ農民を殺す事ができないように、発展と言う名の武器を捨ててしまったなら自分達が蟻の立場に立たされた場合1国家ごときじゃ太刀打ちできないって。

エミリーの世界と違って私の世界と同じようにこの世界も人類より遥かに優れた敵対上位種族がきっと沢山いるんだから。


「ちょっと待て、何故そんな情報を持っているんだ?」


「何故って……え?もしかして忘れちゃった?」


言動はともかくグラスオスかわいいから一度見たら忘れられないと思うんだけど……まあベルナドットは男性だし女性と価値観違うのかな?


「ほら、私の相棒事でさ、ゲロゲーロって鳴くの」


「あっ!あの水晶背中に乗せたカエル!」


「そう、グラスオスって言うんだけど、相棒には情報収集してもらってるから色々知ってるよ」


「最近見とらんかったがそんな事をしておったのか?」


「むしろグラスオスの真価は情報収集能力だよ。

光をねじ曲げて透明になれるし元々の大きさが小さいし移動速度も速くて転移系魔法も使えるんだよ。

何よりグラスオスが見たもの聞いたものを共有する事できてすっごく便利なんだよね~」


「おぉ……なんか今のミューズ余裕そうでカッコイイ、大人って感じがする……」


「ふふん、大人じゃないけどもっと誉めてくれても良いよ!」


エミリーの純粋な言葉に持ち上げられて気分が良い中でアイちゃんが「相棒と言うわりに扱いが雑だったがのぉ……」とか言い出したけど無視無視。

使う事の方が少ないんだから今まで食べてきた分めいいっぱい働いてもらわないと困るからね~。


こんな感じに雑談しながら歩き続けて四時間が経った頃。


「お~い、大丈夫か~?」


「行けるが……しんどい………」


タツヤがバテた。

途中で林道の方に入って大きめな岩が複数転がっている広場に来たから休憩挟んで確認取った訳だけど、タツヤが体力無さすぎ……

今のペースだと次の町まで3日はかかりそうだなぁ……


「もう……男の子でしょ?バテるの早すぎだよ?もう少し頑張ろ?」


身内の一番年下のアラン君だってもう少し歩けるのに……

なんて少し呆れていたら「がんばれっがんばれっ」って凄く可愛いんだけど投げやりな感じで少し惜しいなぁ。

というか流石プロだよね、投げやりな感じでも自分の魅せ方っていうのが上手くて投げやりでもとてつもなく可愛い。


「……ほら、現役美少女JKが応援してあげたんだから頑張れ」


「心が籠ってないやり直し」


「お、このエミリーちゃんの全力が見たいか。アイドルポジションも兼ね備えたプロゲーマーなエミリーちゃんの全力が。お金取るぞ~?」


「ならしなくていい……頑張るは頑張るが現代人にはこの歩き慣れない道を四時間も歩いたのは頑張った方だってエミリーはわかるだろ?」


あぁ~……慣れない道ってのはなんとなくわかるなぁ。

わかるって言っても歩き疲れた子供が駄々こねる姿しか見たことなくてさ、成人男性が駄々こねてるこの状況は実際に見ても信じられないものがあるんだけどさぁ。


しかしここ、林道って言っても森が近くにあって根が変な位置にあったりするし素人目では気付けないだろうけど上り坂なんだよね。ものっすごくわかりずらい緩やかな坂だけど。

何よりここら辺もまだアイちゃんの影響内で若干雪が積もってたり土が氷って歩く度にザクザクと音が鳴る事も少なくない。

ベルナドットの炎の加護で暑くもなく寒くもない状態をキープしながらの移動でも必要以上に体力を奪われる条件がこれだけ揃ってれば厳しいのかな?


う~ん……失敗作とはいえワービーストのホムンクルスである私が生み落とされた目的が、『人類滅亡をさせる為の切り札の生物兵器』としてだから体力無いと話にならない訳で、タツヤの体力の無さを本当の意味で理解してあげられないこの痒いとこに手の届かない微妙な感じなんだろう……


「私は鍛練してるから。体力精神力両方ないとリアリティーなんてできないよ」


「鍛練以前にエミリーって人間を超越した超人って言ってなかった?」


「そうだよ!17歳で人間を超越し超人になったのは長い魔界歴史の中でも私だけだよ!」


「つまり種族が違うってことじゃねえか……」


「人種が違うだけで種族が違うわけじゃないよ?江戸時代の人と令和の人くらい違うだけだから。

それに私は創造者でサモナーの上位の存在。サモナーは後衛だよ?移動で前衛が後衛より先にへばってちゃ話しにならないじゃん」


「エミリーエミリー。エミリーはそこらの前衛の数倍は反射神経や回避技術高いからこのメンバーじゃ中衛だよ」


「えっ?私中衛なの?後衛は?」


「アイちゃん」


「カルラちゃんが後衛!?」


「なんじゃ?妾の聞いとらん所で妾の噂話かや?」


休憩中に自分の縄張りだと主張するための氷のモノリスを建設していたアイちゃんが手を止めてこちらにやってきた。

このモノリス、かなりの魔力が込められていてゆっくりと周囲の環境をアイちゃんが活動しやすい世界へと変える力があるんだよね。

一週間もすればこのモノリス周辺は一面雪と氷だけの銀世界に変わるだろうし、本来雪の降る事の無いこの国はアイスドラゴンの古代龍カルラによる祝福で大雪が約束されてるってこれもう終わってんじゃないかな?

まあ知ったこっちゃないけど。


「丁度良かった。アイちゃんがドラゴンの姿に戻って背中に乗せてもらうかどうかって考えてた所なんだけどさ、アイちゃんはタツヤを背中に乗せるの許容できる?」


「ほう?ミューズやエミリーはともかく其奴は死ぬ事になるのぉ」


「じゃあ私が馬車馬になる一択かなぁ~」


「なっ!ミューズがこんなのの馬みたいに使われる姿など妾は許さんぞ!」


「こんなの……」


あっこれ失言だった。ショック受けてるけど許してあげて。

なんて事言ったらアイちゃんを余計に不機嫌にさせるだけだから言えないけど……


アイちゃんは自分自身より他人を大切にする所があるんだよね。

理由はドラゴン界隈の中でもアイちゃんの縄張りは寒すぎて他ドラゴンが近寄らなくて、そのくせアイちゃんって話し好きで私がブレスを直撃でもしない限り寒がりすらしないと知った途端になんやかんや言い訳付けて山籠りしてた私の側に来てさ、とにかく寂しがりやなんだよね。

性格も好きな物まで全然違う私達だけど、最も共通している部分は何って言われたらこの『寂しがりや』って部分だね。

だから気に入った相手には何処までものめりこめてさ、自分を乗り物にするという事よりも自分のお気に入りが良いように使われる事の方がもっと嫌だったんだろうけど、どうしたもんかな~……


「それなら私が馬になりそうなのサモンしようか?」


「おっ?オリヴィアみたいなの意外もサモンできたの?」


「装備カードだけどあるよ。サモン!エアライダー!」


「おぉ……ゴツイし浮いとるのぉ……」


そうしてサモンされたのは浮遊する鉄の木馬と表現した方が良い見た目をしている。

なんか四足無くして平らにした部分から魔力を放出して浮いてるみたい。


「よ~しタツヤはコレ乗って移動再開しようか」


「運転方法わかんねーよ」


「全自動設定にしてるから大丈夫。万が一の時はこの黄色のボタンの緊急停止と赤色の緊急脱出+自爆機能でどうにかして」


「自爆すんの!?」


「自爆はロマンでしょ」


こうして休憩を終えて私達は移動を再開した。


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