外伝 モンスター出現
本部に到着すると、ディオールは状況を確認する。南の乾燥地帯にてモンスターが多数現れ、プリランテに向かってきているとのこと。すでに現場指揮官のもと兵が鎮圧に向かっている。
報告書を読みながらディオールは思う。数が多すぎるし、モンスターの出現がいくつかの箇所に分かれている。まるで兵を配置するかのごとく。単発的でなんの統率も感じない今までの出現パターンとは違う。
非番組の兵士たちが集まっている。兵の配置の指示を行う。南西のある箇所だけ、モンスターが現れていない。ディオールは違和感を覚えた。そのとき、伝令部より情報がきた。
「南西部よりモンスター出現。ペンタクルス3体と思われます」
「それだけか?」
「確認できる限りでは、そうです」
他の箇所と比べて少ない。プリランテの街は、実は南西部に弱点があった。南西部の土は水を含みやすく、乾燥地帯にあっても果樹栽培が盛んで拓けている。その分の外壁を伸ばすことができず、広い果樹の庭を縫って動物が街に紛れ込むこともあった。
「妙ね」
いつのまにきたのか、ベルタが言った。
「数の多さもだか、配置も気になる」
さらに、南西部には少ない違和感。かといって他のところにも兵をまわさなければいけない。ディオールは、瞬時に結論をだした。
「南西部には俺が行く」
「私もでようか、ディオール」
「ベルタ、お前はモンスターの数の多い南の支援に当たれ。俺は若いのを何人か連れて行く。キサラ、ランス、それと、サラ、ヨーク、お前らも俺とこい」
「はい!」
「おう!」
元気のいい返事を受けて、ディオールは4人の部下を引き連れて南西部へと向かった。




