自分の居場所を探したい
「いらっしゃませー」
バイトを初めてから一週間程たった、まだ慣れないけどそこそこ頑張ってると思う
「安部君こっちフォローお願い!」
「はーいただいま!」
まだまだ不馴れながらも楽しく仕事してる
「お待たせしました、アールグレイと季節のフルーツタルトです、ごゆっくりどうぞ』
接客なんて出来ないと思っていたが仕事と思うと勝手知ったるナントやら、口や体が勝手に動いてしまう、
カランカラン
「いらしゃいませー、お食事ですか?お持ち帰りですか?」
「あれれ?先輩じゃないですか!?ここでバイトしてたんですか奇遇ですね!」
げっ関羽!じゃなかった!森崎ネネ!?
「いらしゃいませ···ご注文をどうぞ···」
あの件『有名人インタビュー』以来苦手意思が出てしまう···悪い娘ではないんだがなぁ
「えーとですねぇやっぱりここはスマイルください!」
イラッ☆
「かしこまりました、テイクアウトですか?」
ニッコリと笑い青筋を立てる、
「テイクアウトで!」
胸を貼りドヤ顔で注文する森崎、
「保冷剤はご利用ですか··いらないですよね、一万円三千八百円になります」
なんとなく面倒臭くなって適当に返す、本当この子の相手するの疲れる、
「たっか!先輩冗談ですからそんな怖い顔しないでくださいよ!」
「一応仕事中なんだ!冷かしならかえってくれ」
「ここでちゃんと食べて帰りますよー!あっ私アッサムティーとショートケーキお願いします!」
「かしこまりました、アッサムティーとショートケーキですね、こちらの席でお待ちください」
「オーダーですアッサムティーとショートケーキお願いします!」
久瀬さんに注文を通す
「アッサムティーとショートケーキね!ってことはネネちゃん来たの?」
「久瀬さんも森崎の事知ってるの?」
「うちの常連さんだから!いつもアッサムティーとショートケーキ頼むの」
ふむ、なんか意外と言うか・・・まあ女の子って甘いものとか好きか・・・
「さて仕上げないと!」
森崎を盗み見るとタブレットpcをカタカタと使いこなしてる、なにあれカッコいい!
「お待たせしましたアッサムティーとショートケーキでございます・・・ってすごく早いなタイピング」
「ありがとうございます!今週中に仕上げてしまわないといけないコラムがありまして・・・もしかしてご迷惑でした?」
「いやそんなことはないと思うが、なんか出来る女って感じがな・・・」
すると森崎は不適に笑みを浮かべて
「ははん、もしかして私に惚れちゃいました?」
「ち、ちゃうわ!自分はパソコンとか得意じゃないから、そのなんだ、タイピングが早かったからカッコいいと思っただけだ!」
「あはっ冗談ですよ!タスクワークは私得意なんです!」
人は見かけによらないものだな
「ここのアッサムティーすっごく落ち着くんです、甘いものも欲しいので一石二鳥なんですよ!」
それでアッサムティーとショートケーキなのか、森崎なりのパワーフードと言うわけか、
「そだ先輩!なにか新聞のネタ下さい!」
「新聞のネタ?悪いが取材はもうお断りだぞ!」
あの質問攻めはこりごりだ!
「違いますって!なにか記事になりそうなことないですか?」
「記事に・・・とある神社にがめつい神様がいる」
「ぶぇっくしゅ!!ふむ誰か噂しておるようじゃな、後で信彦あたらに天罰を食らわせるとするかのぉ」
「そんなオカルト染みた事ではなくて!もっとこう恋愛がらみの!」
嘘じゃないのだがなぁ、といっても恋愛がらみの話なんて最近までコミュ障だった奴からしたら無関係な話だぞ!
「うーん夏休みも近いんだがら遊ぶスポットとか記事にするなんてどうだ?」
適当に答える、ぶっちゃけ自分なんかに遊ぶスポットなんかわかるわけないし、そろそろ仕事に戻らないとな!
「それです先輩!夏に楽しめるデートスポット!今回のテーマにぴったりですよ!」
まさかの好感触!食い付きぱないな
「それで先輩どこがいいんですかねぇ!」
「ちょ!ちょっと待て!自分は知らないぞ遊び場なんて!」
非リア充の自分には絶対関係ない話だわ
「先輩は夏休みどこかに出掛けたりしないんですか?」
「と、友達と海に行くぐらいかな・・・・はっ!」
しまった!これは罠だ!
「海・・・行きたい!私も海連れてって下さい先輩!」
「ちょっと待て!俺だけの一存で決定する訳には!」
「別に構わないと思いますよー!ネネちゃんなら大歓迎ですので」
後ろから急に久瀬さんが話に加わる、え?まじで···?
「本当ですか?わーい!やっぱり真理香先輩は優しいですねぇ!どこかの意地悪番長とは大違いです!」
「誰か意地悪番長だって!」
けど森崎も海に来るのか、それはそれで楽しいかもな、
「そだ水着!真理香先輩水着新しく見に行きません?」
「うんいいけど、安倍くんも····?」
「じ、自分は遠慮しとく!」
女の子と買い物だなんて自分にはまだ無理だ、
「ははーん、先輩ってば今いやらしい想像しましたね!このムッツリ番長!」
「違うわ!ほ、ほら女性の水着コーナーに男の自分がいるのは店側にも悪いだろ!それに森崎は買い物するの長そうだしな!」
まあ、二人の女の子と買い物なんてリア充イベント俺には無理だがな
「女の子はいろいろとあるんですー!こんなデリカシー無し番長なんてほっときましょう真理香先輩!」
「なんでも番長つければいいと思うなよ森崎」
「「ぐぬぬ」」
二人して火花を散らす、すると
「ふふっ、二人って仲いいね!」
「「どこか!」」
「息ピッタリだし···ちょっと妬けちゃうかな···」
え?妬けるって・・・
「あっ!私ってばなにいってるんたろうねぇアハハ!」
「・・・」
え?なにこの空気
「それよりお仕事お仕事だよ安部くん!」
「あっ・・ああ、自分も大人げなかった森崎も悪かったゆっくりしていってくれ」
仕事に戻ろうとすると
「それよりも先輩!新聞のネタくださいよぉ!」
「自分で少しは考えろよ····」
なんか途中で二人の雰囲気がおかしくなった気がした、なんかやってしまったか・・・自分
「・・・って事がなあったんだが」
仕事終わりに夜叉に報告すると
「お主本気で言っておるのか・・・呆れて張り倒しそうになったわい!」
「なんだよ!仕方ないだろコミュ障なんだから、人付き合いなんて得意じゃないんだ!」
夜叉に相談すればいいかと思ったがこの分だと教えてくれそうにない、
「お主で考えるのじゃ!しかし本当にお主コミュ障なのか?随分と女子に愛想振り撒いている様じゃが・・」
そんなつもりはないんだがな、ふむ
「そんな事ないと思うが····なんだ?妬いてるのか?」
冗談交じりで話す
「た、たわけ小童が!この神である私が人間の小僧如きに嫉妬などするわけないじゃろ!」
怒涛に舌を巻く夜叉、そこまで怒らんでも、
「じ、冗談だって!悪かったよ」
「いいやお主は少し自覚が足らん!この私に対しても敬意を払うどころか雑に扱い、最近はケーキではなくまたメロンパンじゃし!仕事が忙しいからと最近は来るのか遅い!」
いやメロンパンでも十分美味しいだろ、というツッコミは今は駄目なんだろうか、
「いや十分構ってるだろ?それ」
「イヤじゃイヤじゃ!もっと構ってくれ!」
するとジタバタと空中で駄々をこね始める
「子供か!」
でも最近夜叉と遊んでないかもな仕事ばかりだったからな、
「わかったよ、明後日休日だから遊びにくるよ」
くしゃりと髪をかきながらめんどくさそうに話す、
「ならばデートするのじゃ!」
ガタッ!
「で!ででででデートだぁ!?」
デートとは・・・デート《名・ス自》(親しい)男女が日時を決めて会うことその約束···はっ!
「ちょっと待て!デートだぞ!非リア充の自分がデートなんてできるわけ無いだろ?!」
「なに言っておるのじゃ!うら若き男女がお出かけをする、デート以外なんでもないじゃろ?」
「いやしかし!」
「しかしも案山子もあるか!良いの!明後日はデートじゃ!」
デート····デートか···できるのか?自分に・・・?!
『うーんデート···デート···』
翌朝、頭の中には明日の夜叉とのデートの事で頭がいっぱいだった、
「「おはようございますー」」
「おはよう、今日もいい天気だな」
校門では風紀委員達が挨拶をしている、がそれどころじゃない明日の事で頭がいっぱいだ
「デート···デート···」
「おはよう安倍君、どうしたんだ?そんな俯いて?」
「デート···デート···」
「おーい!しっかりしろ安部信彦!」
「は、はひぃ!」
ビックリして変な声が出たってなんだ!?
「挨拶してるのに返事もくれないなんて友達甲斐のないやつめ!」
気がついたら宮田さんが目の前で怒っていた、
「す、すまない、少し考え事をしていて・・・お、おはよう宮田さん」
今さらだが挨拶する
「ん!おはよう!いくら考え事をしてても挨拶ぐらいはできるはずだ!」
「ごもっともです、それより朝早くから大変だね風紀委員の仕事って」
「そんなことはない、挨拶も早起きも当たり前の事だ、これぐらいどうということはない」
「当たり前か・・それが一番むずかしいんだよなぁ・・・」
そんな当たり前自分にも身に付くんだろうか・・・
「よかったら安部君もどうだろ?清々しい1日になるぞ!」
「じ、自分はやめとく!そこまで朝強くないから!」
早起きよりも見知らぬ人に挨拶する方が自分は無理だ
「ふふっ気が向いたらいつでも参加してくれ」
「き、気が向いたらね・・」
気が向くことがあるのだろうか・・・
「宮田先輩おはようございますー!」
「ああ、おはよう!」
「今日もご苦労様です!」
宮田さんって誰とでも挨拶してる隔たりなんて感じない、いろんな人から挨拶が返ってくる、それ彼女自身の人徳のなせる技なのだろう
「んー?その人もしかして宮田先輩の彼氏さんですか?」
急に投げかけられた問に困惑する、え?!自分と宮田さんが付き合ってるだって!?
「な!?なにいっているのだ!わ、私と安部君が付き合ってるだなんて!あう・・」
「あはっ顔真っ赤ですよ先輩!冗談!冗談ですよーアハハ!」
後輩の女子生徒が宮田さんをからかってる、慌てる宮田さんがすごく可愛いと思った
「ま、まったく!駄目じゃないかそんなこと言って!そもそも私見たいながさつな女じゃ男の子からお断りだろ!安部君にも失礼じゃないか!」
ん?そんなことないと思うが・・宮田さんって見ためもいいし人柄もいいから引く手あまたではないのか?
「ええーそんなことないですよー!宮田先輩なら引く手あまたですよー!ですよね彼氏さん!」
ちょっ!同意求められても困るんだが!?
「えっと・・・そうだな宮田さんって凛とした話方が素敵だからみんな高嶺の花だと思ってるんじゃないかな・・・」
「「・・・・・」」
二人がこっちを見ていた、え?!なんか不味いこと言ったか!?
「おやおやもしかしたら私ってお邪魔虫だった見たいですねぇ」
え?!なんでそうなるの!
「ではでは先輩方またですー」
手をふりなが教室に走って行く女子生徒、ちょっ!この空気で一人にしないで!
「ち!違うぞ!私と安部君はそんな関係では・・・行ってしまったか」
否定し続けていたが女子生徒は軽やかなステップで先に教室に向かっていく
「えーと、宮田さん?さっきの話なんだが・・・」
「ひゃっい!」
話をふると顔を真っ赤にさせた宮田さんがテンパってた
「ち、違うんだ!ってなにも違わないけど・・誤解してるとかそう言うことだから!」
テンパりが移ったように自分も慌てる、正直なにが正解だったんだ?
「こ、こちらこそ済まない・・・へ、返答に困るよなあんな質問」
顔が熱い、まるで茹でられたみたいだ
「ま、まったく、しょうがない奴だなぁ!あ、安部君もすまなかった、けして悪い子ではないんだ!うん!」
裏返った声で話す宮田さん、意識してしまうと仕方ないな、
「ほ、ほら安部君!教室に言った方がいい、また勘違いされてしまうから・・」
「う、うん、またね宮田さん・・・」
その場を逃げるように教室に向かう、あの手の話はどうも苦手だ
ガラガラー
教室のドアをあけるといつも通りガヤガヤとうるさい
「ふぅ・・・やっと落ち着けた」
カバンを机に置き腰を下ろす
「おはよう、信彦」
朝から爽やかイケメンボイスをかけてくる人を自分は一人しか知らない
「おはよう十夜・・」
「元気ないね、そういえば真里香の店で働いてるんだって?大変だね」
いや仕事が大変なわけではないんだが・・・まあ変に気を使われるよりましか、ん?
「斎条!悪い一時間目の数学俺っち当てられそうなんだ!助けてくれ!」
ツンツンとした黒髪の男が十夜に懇願してきた
「またなのか?半田はいつもそうやって人に頼る・・」
呆れたように返す十夜、しかしイケメンスマイルは外さない、
「悪い悪い!ここのところなんだが・・・・」
昨日出された課題か・・・
「ここの数式に当てはめればできるよ」
十夜の言うことは正しい、だけどそれでわかるか?
「うーん、それだとわかんないんだよ!なんかこう自分でも解るように解説してくれよ!頼むぅ!」
十夜にすがりつくツンツンヘアー、仕方ない
「前にやったここ···それにさっきの数式を当てはめるとほら簡単だよ···」
気がついたら口を出していた、
「ふむ···おおーー!解る!俺にも解るぞぉ!」
ツンツンヘアーは大袈裟に教科書を掲げて、
「これで当てられてもなんとかなる!安倍助かったぜ」
「別に大したことしてない···」
大袈裟に褒められたので少し照れくさいな、頬をポリポリかきながら誤魔化す
「それにしても無言番長が数学が得意とは···へへっ気に入った!俺っちの名前は半田今日から俺達はブラザーだ!」
ブラザーって···まあ悪い気はしないが
「いつもの事だから気にしなくていいよ信彦」
呆れたご様子の十夜、まあわからんでもない
「それより二人とも夏休みにどこかに行くのか?」
「ああ、真里香達と海に行こうと話してたんだ」
「なに!?あの久瀬さんと!!」
わなわなと震え上がる半田
「俺っちも海行くぜブラザー!」
なんだと!?
「それは・・構わないけど・・信彦はいいかい?」
「自分は別に・・・」
というか自分には拒否権はないと思う、
「流石話がわかるぜブラザー!」
バシバシと肩を叩かれる、スッゴい痛いんだが、
「このクラスの癒しの久瀬さんと海に行けるなんて・・・今から夏休みが楽しみだなブラザー!」
またバシバシと肩を叩かれる、まあ悪いやつではないようだが
「ふむ、なにやらよからぬ事を企んでるようだな半田・・・」
半田の後ろから宮田さんがジと目で見ている
「げっ委員長!?な、なにも企んでなんてないっす!?」
両手を上げてお手上げする半田、宮田さんってクラス委員でもあったか、
「お疲れ様宮田さん」
「安部君・・先程はすまなかった」
「じ、自分は気にしてないよ!うん」
なんか変に意識してしまう、まあしょうがないか、
「あれ?信彦と宮田さんって知り合いだったの?」
十夜か不思議そうにこっちを見ていた
「知り合いっていうか・・友達?」
不安げに宮田さんに問いかける
「なんでそんなに不安げなんだ、友達、友達だ!」
良かった。
これで赤の他人なんて答えられたら三日は寝込む
「それで安倍君達はなんの話をしていたんだ?」
「ああ、夏休みに皆で海に行こうと言う計画を立ててたんだ」
「海···海か」
何やら考え込んでる宮田さん
「引率する者がいないみたいだが、本当に大丈夫なのか?」
ああ、安全面で心配してたのか
「おいおい俺達もう高校生だぜ?心配ないって!」
「では私も同行しよう」
「そうそう委員長が同行してくれれば問題···えっ?なにぃ!」
半田が急に大声を上げる
「だから私も同行させてもらう、いいかな斎条君も安倍君も」
「全然問題ないよ」
「是非行こうよ、楽しいよきっと!」
宮田さんも来てくれるのか、ふふっきっと楽しくなるな!
気がつくと沢山の友達が出来ていた、それはきっと自分が諦めていた事で諦めたくなかった自分の居場所なんだろ・・・ってらしくないか、
多分人生で一番楽しい夏休みが始まろうとしていた
「ん?なにか忘れてる気が・・・あっデート・・・」
そういえば夜叉とのデートどうしょう・・・
原作ではまだ先の話をここに持ってきた感じです、どうも変態パンダです。
完全に0から作るのはやっぱり大変ですね、
次回は夏休み突入!ドキッ水着だらけの夏休み!(涙)ポロリもあるよ!になる予定です