会いたい
「夜叉の奴どこ行ったんだ····」
俺は今日も神社にメロンパンを持ってきた、でも、そこには三日分のメロンパンがお供えしてある、当然か俺が置いた物だ···
「メロンパンまたダメになるぞ夜叉···」
『早く寄越すのじゃ!信彦!』
「!?」
夜叉の声が聞えた気がして後ろを振り向くが、誰も居ない、
「もう帰るか···」
とぼとぼと歩き帰って行く、本当に消えてしまったのか夜叉···
翌日
「信彦?どうしたんだ何だか暗い顔して、」
心配そうに十夜が声をかけてくる、案外良い奴だな
「いや大丈夫だ、問題ないよ、」
笑って見せるが多分、俺は笑って無くてやっぱり友達を騙した事になるのかな、
でも仕方がない、神様が居なくなった何てどう考えても頭がおかしい、
「悩みがあるなら聴くよ安部君···」
久瀬さんも心配してくれてる見たいだ、これ以上友達を騙したくないな、
「えーともし···もしさ大切な人が急にいなくなったらどうすればいいかな?」
二人に相談してみる、すると二人とも顔合わせて、
「お··驚いたな、信彦にそんな女性がいたなんて···」
「やっぱり安部君には彼女が・・」
あれ?なんでそんな話に?
「そ、そうじゃなくてほら友達の話だよ、例えば、急に引っ越したとか、会えなくなったらどうすればいいかなって、」
十夜はニコニコしているけど、久瀬さんは何だか怒ってる?かな、
「僕ならそうだな··電話するとか、手紙を書くとかかな、」
それが出来無いんだよな、やっぱりいい答えが貰えないか、
「私は··私ならどうしても会いたいなら、どうやっても会いに行くと思うよ、たとえ、何十年かかってもね!」
久瀬さん・・・そうだよな、会いたいなら、大切なら会いたいよな!
「ありがとう!久瀬さん!十夜!」
俺は笑顔で二人に答える、
「なんだ、もう解決出来たのか、」
残念そうに十夜が話す、
「ああ!久瀬さんのおかげだよ!ありがとう久瀬さん!」
「い、いえ、私はそんな・・・」
照れくさそうに謙遜してる、久瀬さんは可愛いな、
しかし夜叉の心配をしてる場合ではなかった、問題はまだ解決してないのだから···
「ふふふははっ!さあ安倍君よ君の力を剣道部の為に!」
放課後の中庭で例の勧誘地獄にあっていた、
「すみませんお断りします···」
「何故だ!君なら主将も任せられるのに!?」
何故って···なにが悲しくて痛いことや痛みを与えることをしなくちゃいけないのか···自分はサドでもマゾでもない、
「興味が無いので···」
「なら柔道部はどうだぁ!心技体を鍛えれば将来どんなことでも耐え抜くことが出来るぞー!」
「興味深いので無理ですって!」
「なら陸上部はどうだ!一緒に高みを目指すんだ!」
「いい加減にしてくれー!」
ワラワラと寄ってくる運動部達から身体能力のフルを使って奴等を振りほどいていく
「なっ!」「バカな!」「おっと!」巨漢の柔道部の頭上を飛び越え、剣道部が掴みかろうとしてくるので馬跳びして更には陸上部にダッシュで逃げ切る、
「はぁはぁ、やっと巻いたか···」
人気のない物陰に身を潜めていた、もう一歩も動けないぞ、
「あっ!ここにいたんですか!やっとみつけましたよ!」
「!?」
背後から声をかけられた、ばかな!完全に巻いたはずだ!
「参った降参だ・・・煮るなり焼くなり好きにしてくれ・・・」
動く事ができない自分は文字通りお手上げで、ほぼ諦めていた
「え?本当ですか?なら新聞部の独占インタビューにも受けてもらえます?」
え?新聞部?始めてのパターンだ
「ああ、私一年の森崎ネネって言います!先輩の事ずっと取材したかったんですよー!」
ツインテールに可愛らしいリボンが似合う女の子だった小柄なのに胸にボリュームがある・・・って中学生か自分は!
「インタビューって自分なんて新聞に取り上げてもなにもないぞ?」
「そんなのとはないですよ!今の学園内では一番有名人ですよ先輩は!」
なにそれ初耳なんだか・・・
「それはもう!無言番長ってもっぱら有名です!」
そういえばそんなこと十夜も言ってたな、誰だよそんなこといい始めたやつ!
「あっ!ちなみに無言番長って記事書いたの私です!」
どや顔でいい放つ森崎
「お前かよ!しかもなんだよ無言番長って!!」
「だって先輩誰にも絡もうとしてなかっじゃないですか、いつも目に生気ない感じでしたし!」
うっ、まあ確かに色々と無関心だったのは確かだが、
「とにかく!変なあだ名とか噂とかやめてくれよ!自分は平和に生きたいんだ」
「ふふん♪いいんですか?そんなこと言っても、運動部の人達にここに先輩がいるって騒いじゃいますよー」
「くっ!卑怯な!」
「冗談ですよーえへへ!わかりました今度からはちゃんと確認とってから記事にさせてもらいますね」
からかわれたのか?はにかんでる森崎は可愛かった、
「でもでもインタビューにはしっかりと受けてもらいますからね!先輩!」
「お、お手柔らかに頼むよ・・・」
小一時間ほど質問攻めにあった・・・スッゴい疲れたわ
森崎の取材から解放され下駄箱に着くと何やら揉め事が
「なんだなんだ?風紀委員ってそんなに偉いのか?ああん?」
例の不良グループ達が何か揉めてるのか?
「偉いとか偉くないとか関係ない!風紀の乱れることを辞めてくれと頼んでいるだけだ!」
どうやら女子生徒と揉めてるいるようだ、
「俺達がなにしようが勝手だろうが!つーかもうよくね?帰ろうぜ」
「待て!話はまだ終わってない!」
眼鏡をかけた三網の彼女は風紀委員なのか?勇ましい事だ・・・うん?彼女の足もしかして震えてる?
「ああ?しつけぇなぁこのアマ!なに?どうしてほしいの?事と次第によっては聞くけどぉ?」
「ほ、ほんとうか!」
「まあ!代償としてあんたの体で払ってもらうがなぁ!」
最低だ!流石に見過ごせない!
「おい!いい加減にしておけよ!」
「ああん?誰だ・・って!安部信彦!」
体より口が勝手に動いていた、いつもなら全力スルーなのだが見てしまったんだよなぁ仕方ないよなぁ
「女の子をよってたかって・・恥ずかしくないのかよ!」
自分を奮い立たせ言葉にする、夜叉が教えてくれたことだ
「けっ!知らねぇよ!こいつが勝手に絡んできたんだ!お前には関係ないだろ!おいもういこうぜ」
奴等はぶつぶつと文句を言いながら帰っていく、
「まったく懲りないやつらだ・・・えーと大丈夫?」
彼女は少し震えていた、無理もないか
「す、すまない安部君・・・私が巻いた種なのに・・・」
悔しいのだろう・・・その身を震わせながら自分が無力なことを嘆くかのように、
「えーと、そこまで気に病むことないんじゃないかな?立派だったと思うよ」
かけてあげる言葉がわからない、コミュ障ですみません!
「・・・君は変わったのだな・・・」
あれ?自分って彼女に会ってるのか?
「えーと・・・ごめんどっかで会ったかな?」
すると彼女はあきれた顔に、
「一応一年と3ヶ月は一緒のクラスだが・・・」
まさかのクラスメイト!いやこれは失礼にもほどがある!
「ご、ごめん!あ、あんまり関わりなかったから!」
あたふたと取り乱して釈明する、ううっこんなことなら早く知り合っておくべきだった、
「ぷっ!あはは!すまない少し意地悪を言った、私は宮田紗、本当に君は変わったね」
改めて言われると恥ずかしいんだが、まあ確かに変わらなきゃって思ってるけど、
「以前は人に話をすることなんてしなかっただろう?それなのに今日は助けてもらったから驚いた」
「自分でも驚いてるよ・・・しかしなんでまた火中の栗を拾うような真似を?」
いくら風紀委員だとしても宮田さんみたいな女の子が不良グループ達に注意しても相手にされないのは目に見えてる、
「私はよく人に注意したりする、でもそれは話が通じる相手だけだ、それはもしかしたら自己満足の弱いものいじめなのではないかと思ったのだ・・・」
弱いものいじめか・・・確かにその気持ちはわからないでもないが、
「真面目なんだな・・・宮田さんって」
「そんなことはない・・・ただ臆病なだけだ・・」
でも危ない事には変わらないよな、
「臆病でもいいじゃないかなぁ、無理に変わるのとなんてないと思うけど」
「一番変わった君に言われたくないんだが?」
「た、確かに・・・」
苦笑しながらも他愛ない会話が続いた、もしかしたら出会った人の中で一番話しやすい人かも
「・・私は君に謝らなければならないな・・」
「え?謝るって何を?」
「私は君にもあの不良グループと同じレッテルを貼っていた、怖くて話をかける事ができなかったのだ本当にすまない!」
宮田さんは深々と頭を下げてきた、
「ちょっ!待ってくれ!頭なんか下げないでほしい!なにも宮田さんは悪くないんだから!」
確かに自分は人を避けてた、まあコミュ障たから仕方ないんだが、
「しかし・・」
「自分もみんな避けてたんだ!おあいこだよ!」
「ふふっ、わかったこの件はこれまでと言うことで、これからはよろしく頼む安部君!」
「よ、よろしくお願いいたします?」
なんかすっごい木っ端恥ずかしいきがするが今さらなきがする、まあいいか
今日も帰りに神社に寄った、待つと決めたから、
そう言えば笑ながらさよならって言ってたな、
『夜叉・・・どうして』
多分・・・俺の願い事を叶えるために力を使いすぎて、くそっ!俺はバカだ、夜叉の言う通り自分勝手だ、でも何で?夜叉は何も言って・・・
「言う訳ないか、夜叉だもんな」
初めてあった時からだ、本調子じゃないのに俺に力を見せるため力を使い果たす奴だ、自分の限界などお構いなしだ、
「会いたいなまた・・・」
そう言えば、夜叉が言ってたな「神は信仰心が糧」だと、
「やってみるか、」
俺は財布から千円札を出し、賽銭箱に入れる、学生の俺が賽銭で札を入れるなんて初めてだ、
そしてお参りをする
『夜叉に会いたい、会ってどうして居なくなったか知りたい!』
夢でもいい、幻影でもいい、また夜叉に会いたい····
目を閉じ願う、初めてではないだろうかこんなに神様にお願い事をしたのは、
『神様お願いします!自分の友達を返してください!』
ポォゥゥ
なんだか暖かい光に包まれた気がしたがそんな事より夜叉の奴に会いたいと願っていた
ガザっ!
物音?俺はゆっくりと目を開ける、
「あれ?なんで?」
夜叉がいた!夜叉がメロンパンに手を伸ばしていた!
「夜叉!やっと会えた!」
俺は嬉しさのあまり夜叉に抱き付いた、
「の、信彦!なんで見えるの?」
夜叉は驚いてる、でも俺はまた会えた事が嬉しかった、
「良かった!本当に良かった!」
何か涙が出そうだ、そうだ!なにを話そう、話したい事沢山あるんだ!
「そうか、それでまた見える様に」
夜叉がメロンパンを頬張りながら、話を聴いていた、
「やっぱり力を使い過ぎていなくなったのか?」
俺は夜叉に問いかける、
「それは、そのそうじゃな・・ううっ、」
赤面しつつ口ごもる夜叉、なんだか歯切れのが悪い、
「あれじゃ、信彦も願い事が叶ったであろう、だから私は、もう来てくれないと思ってな・・・だったら、私の方が消えた方がスッキリするかと思っての・・・・」
「え?何それ俺が夜叉の事忘れる?何だよそれ?!」
思わず声を荒げる
「だからの···私はいいんじゃ!お主がこの世界で上手く生きれる様になったから、私は忘れ去られ運命なのじゃ!」
「そんな事!あるわけないじゃないか!」
「人間は皆忘れたよ・・・、そして私はいつも一人じゃ」
夜叉が悲しい顔をしている、そうか、この神社事態忘れ去られた存在、皆忘れたのか、
「俺は絶対忘れない!」
俺の答えは決まっている、
「けど皆忘れるんだよ・・・君も忘れるに決まっている」
彼女は涙を浮かべていた、溢れるのを必死に我慢しながら、
「友達の事、俺は絶対忘れない!」
「え?」
夜叉は少し、驚いて俺をみている
「俺は絶対友達の事忘れない、もう夜叉は俺の友達だと思っている!」
少し恥ずかしいな、改めて言うのも、でも俺は絶対友達の事、忘れない、忘れたく無い、
「信彦・・・私も信彦事忘れたく無い、」
堪えた涙が耐えきれなくなって夜叉の頬に溢れる、それを見ていたら自分は彼女の事抱き寄せていた、
「バカだな夜叉は・・・俺がお前見たいな奴忘れはず無いじゃないか、」
「ううっ、うわー!」
彼女も俺にしがみ付き、声を上げて泣いた、
俺・・人に頼られ事なかったから初めは少し、いや、かなり戸惑ったけど、友達のためだ恥ずかしいけど我慢しよう、
「夜叉、落ち着いた?」
「うん、ぐすっぐすっ、」
もう少しかかるみたいだ、顔ぐらい拭いてあげよう、
ハンカチを渡す、うわ酷い顔、でもその顔が堪らなく愛おしく感じた、
「ありがとう信彦、もう・・・大丈夫じゃ!」
顔を拭き、夜叉のいつもの感じに戻った、夜叉はやっぱりこの顔が似合う、
「信彦・・・その・・・恥ずかしいのじゃ!」
俺は神様に抱き付いていた、うわっ!まずい、ぱっと距離を取ったのだが何だか勿体無い気がする、
「ご、ごめん・・・夜叉、本当に大丈夫?」
顔が赤い気がする、落ち着いて考えたら俺何やってるんだ!
「と、当然なのじゃ!けど信彦如きでも、少しは役にたつな!」
夜叉も顔が赤い、照れ隠しか、
「五月蠅い!私は神だぞ!偉いんだぞ!」
「子供かよ」
「むきー!罰としてメロンパン3ケ奉納するのじゃ!よいの!」
「さっき、千円札使ったからお金ないよ、」
いつもの会話に戻った、これが今の俺の幸せかな、
「よいではないか、友達の頼みじゃぞ!」
「そう言えば、夜叉少し太った?」
「乙女の私に何と言う戯言を!処す!今すぐ処す!」
「でも初めて抱き付いた時より、少し肉付きが良くなった様な・・」
バリッ!
電流が辺りに走る、
「いっ!ちょっと待て夜叉、今のはあぶな!」
「問答無用じゃ!」
ビリリッ!
「ギャー!しびれるー!」
神様には勝てないな、でも夜叉とまた会えた、今は神様に感謝しょう、
お待たせしましたつづきです、原作では登場してなかったヒロインを早めに登場させてしまいました・・・無理矢理ねじ込んだ感じはありますが後悔はしてません、こんな感じで原作ブレイクしながら新しく造っていきますのでよろしくお願いいたします!
原作も読んでもらえれば楽しいかもしれませんではではー(´・ω・`)ノシ