表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

〔耳かき〕

「じゃあ、最後に2人にこれをやって貰おうかな?」


草村は風見に耳打ちをした。


それを聞いた風見は、


「なんだそれ?俺と氷河とでか?」


「頼むよ風見、私の書く漫画のジャンル、知ってるだろ?」


「ああ、BLだろ。」


「ということは、当然こういったシーンも出てくる訳だ。しかもこのシーンに関しては、撮影はしない。もちろんビデオも撮らない。そして、私も見ない!!ただ音声だけは録音 させて欲しい。最近よくあるだろ、ラジオCDとか、ドラマCDってやつ。それに挑戦してみようかと思って。」


「いやいや、お前は見ててもいいんじゃないか?」


風見の問い掛けに


「いや、想像力を鍛えるために私は目を閉じる!」


「まあ、映像に残らないならやってもいいかな?誰も見てないとはいえ、結構恥ずかしいから…」


「ホントか風見、ありがとう恩に着る。」


風見の両手を握りしめ、草村はあるものを手渡した。


「じゃあ、これでとってくれ。」


「ああ…、わかった。 ところでさ草村、この部屋少し暑くないか?」


「そうか?」


草村はエアコンの設定温度を見た。


「あ~、悪い悪い。設定温度を間違えてたよ。」


「うそつけ、わざとだろ!」


風見は呆れたように草村に詰め寄った。


そう、わざとである。少し汗ばむように設定温度を上げていたのだった。


そして草村はエアコンの温度を快適温度まで下げると



「よし、これで気持ちよく出来るだろ。 今回ばかりは私も一切邪魔しない。2人で心置きなくヤってくれ。ただ音声は録音するから、会話というか、現状報告みたいなのは欲しいな。」


「喋りながらするもんじゃないんだけどな…」


「まあ、そう言うな。お前達なら絶対出来る。私は信じてるぞ!」



そう言うと草村は少し離れた場所に座り、静かに目を閉じた…



「ホントに見ないんだな…。」


風見は草村の考えてる事がまったくわからなかった


「まあ、いいか。誰も見てないなら気軽にヤれるって事か。」



風見は氷河を呼び


「どこでやろうか?」


「床だと固いから体が痛くなりそうだ、ベッドかソファーがいいかな。」


「体勢はどうしよう?俺の上に乗るか?」


風見はあぐらをかき、氷河に尋ねた。


「いきなりその体勢はレベルが高いんじゃないか?もっとオーソドックスなやつでいいんじゃない?」


「オーソドックス?」


「俺が寝て、風見が上から入れるってやつ。」


「ああ、わかった。」



お互い男同士でやったことなどない2人だったので、いざするとなると、どうしていいかわからない風見と氷河だった。


「よし、氷河、とりあえずここに寝てくれ。」


「こうか?乱暴にするなよ。」


「わかってるって、 よし、入れるぞ…」


風見は体勢を整え氷河に近づいた。


その時、氷河は思わず口を開いた。


「ちょ、ちょっと待て風見!それって少し太くないか?」


「そうか?俺はいつもこのくらいだぜ。」


「そ、そうか……じゃあ一気にやってくれ…」


「そんなに緊張するなよ。こっちまで緊張してくるだろ…

もう少し横に向けるか?上手く入らない…」


「このくらいか?」


「よ、よし入れるぞ…」


「い…!」


「わ、悪い痛かったか?抜こうか?」


「い、いや、そのままでいい…」


「じゃあ、奥まで入れるぞ…」


「ぁん…」


「ば、バカ変な声出すな!」


「な、なんか変な感じ…案外気持ちいいかも…」


「そ、そうか…、じゃあ動かすぞ。」


風見は中の粘膜がキズ付かないよう、ゆっくりとゆっくりと掻き回すように動かした。


「あ………あっ……」


時折漏れる氷河の吐息だけが部屋に響いた。


この時すでに草村は両方の鼻から血を吹き、ティッシュを詰めていた。



「お前の穴って、けっこう綺麗なんだな。」


「ま、まあな、一応手入れしてるし。」


「手入れ?普通こんなところ誰も見ないぞ。まじまじ見るのは医者ぐらいだろ?」


「エチケットだよ。実際今、お前が見てるじゃないか?」


「こ、これは特別だろ…」



風見は喋りながらも、動かす事をやめなかった。



「よし、一回抜くぞ… ふう……ど、どうだ?気持ちいいか?」


「ああ、お前が優しくしてくれるからな。」


「ば、バカ…何言ってんだ… コツがわかってきた。次はもう少し上手くやれる。氷河、反対に向けるか?」


氷河は風見の言う通りにし、体を預けた。


「よし、入った…  ん?奥に…奥に何か…」 もう少し深く入れるぞ、痛かったら言ってくれ。」


「あ、あ…あ…わかった…」


そして風見はさらに奥に差し込んだ。


「お、奥に当たった… どうだ、痛くないか?」


「ああ…大丈夫だ… なんか変な気分だ…な…中で動いてるのがわかる…」



この頃には2人に友情を通り越した奇妙な愛情に近いものが生まれていた。



草村に無理矢理やらされてるとはいえ、風見を信じ、体を預けている氷河。そんな氷河を気持ち良くしようと全身の神経を1点に集中してる風見。


もはや2人はお互いの姿しか見えてなかった。部屋の片隅で鼻血を吹きながら至福の表情をして、もうろうとしてる草村など眼中にない。



「も…もう少し…もう少しで出るからな、我慢しろよ。」


「あ、あ…わかった、お前のタイミングでいいから…」


「あと少し…あと少し… 出そうだ…」


少しずつ動きが激しくなる風見、すべてを託し体を預ける氷河…


「で、出た!!あっ?!!」


「ど、どうした風見!?」


「わ、悪いこぼれた!服に付いてしまった!」




緑のエーサク〔水の想い…風の歌…〕編 第6話より抜粋




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ