序章
この世はまだ、神や妖が多く存在し
人へ影響を及ぼしていた時代。
妖は人を喰らう。人は妖から逃げるしか術はなかった。
そのまた はるか昔に、人と神が協力し妖を倒すことに成功した。
人は妖と戦う術を手に入れた。
神の力を扱う者。それを神の器…神器と呼んだ。
今、この世は破滅へと向かっている。すごい数の妖に絶対的恐怖。
味方は次々と倒れていく。涙を見せるもの、絶望的な顔をするもの…。
「ぐギィガぁギャアァァァァァァァぁぁぁああああああ!」
一体の妖が私の存在を見つけると同時に、凄まじい叫び声をあげ向かってくる。
私にはもう戦う気力はなかった…。他の者も同じだった。
だが、ただ一人。まだこの世を、自分の大切な仲間を守り抜こうとする男がいた。
彼は私に襲いかかる妖を、神の力で軽々しく倒した。
彼はいつからこんなに強かったのだろう。
前を向く彼は、私にこう言い放った――……。
『神の器よ笑え』を読んでいただきありがとうございます。
次回から「零」が始まり、神の器よ笑え物語が幕をあけます。
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次回もよろしくお願いします。
篠原