第7夜 熱闘前の朝
ビートは朝日で目を覚ました。
それでなくてもビルのいびきで起きていたかもしれないが。
白とリールはとっくに起きていたらしく、着替えを済ませ、朝食を食べていた。
ビートは腕時計を見ると7:47と、映っていた。
事は一昨日の夕方まで遡る。
第2試験を終えたビートたちは第3試験の前に2日間の休息兼、施設内見学の休みが与えられた。
聞くところによると第3試験はかなり厳しく、並大抵の体力では突破できない。
そこで弐剣は、見学も兼ね、休息の時間を与えた。
見学できる部屋は限られており、主に、
保健室、修行室Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、司令室、展示室の4か所だけだ。
中でも聞いたときは修行室Ⅲには行きたくないと思った。あまりいい思い出ではなかったから。
現在ビートたちは【DARK】の隣に位置する、
【DARK】強化棟というドーム状の建物で休んでいた。
丸い円を描いている建物で、円の端に部屋が輪を描いて並んでいる。
部屋番号は【D】の8。メンバーは班で1つの部屋なのでもちろん、ビート、白、リール、ビルだった。第3試験ではバラバラになるそうだ。
そして今日は休息2日目。1日目と同じだが9時にドームの中心、【DESU】に集まらなければならなかった。そこで班で1日目に時間を決めたのだ。
起床は8:00。食事は8:15分までで、30分までに身支度。そこから15分間武器の手入れ、45分になったら朝食の皿を調理室に返しに行く。50分に部屋を出発。
これで【DESU】に着くのは55分。と、いう予定だ。
ビートはベットから転がった。が、しかし自分は2段ベットの上にいることを知らずに下に転げ落ちた。落ちた後に自分を恥じた。
「痛ッテェェェェ・・・・」ビートが寝ぼけながら言った。
「目覚ましの代わりには成ったかもな。」リールが言った。チェーンを巻き直しているようだ。
ビートが奥に向かうと、机の上にパンと牛乳、スープが置かれていた。
「またこれだけか・・・・」ビートが腹を鳴らしながら言った。
ビートは残念そうな顔をしながらスプーンを手に取った。
スープを口に運んで啜った。おいしいとは言い難かった。
食べ終わる頃に時計を見ると8:12分。代替予定通りだ。
そんな中ビルはまだ寝ている。着替えをしていると顔が見えた。
起こしてもよかったが悪戯本位で起こさなかった。
軽く笑いながらビートは剣を腰当にはめ込んだ。
その後歯磨きをして、顔を洗い、時計を見た。
「8:24分か・・・白、リール!!トランプでもやるか?」と誘ったが2人とも武器の手入れをしていて、断られた。しょうがなくビートも剣を砥石に当てた。
8:45。ビルは目を覚ました。
「ヨォ・・・ビート。ずいぶん速ェな・・・今何時だ?」ビルが聞いてきた。
「フフフ・・・今何時だと思う?」明らかに嫌味だった。
「えっ・・・・う~んとちょっと寝坊したから・・・8:15分くらいか?」
「今、47分だ。」意外と普通に言ったつもりだった。
「なんだ。7:47か。まだ大丈夫。ん・・・まさか今8:47?」
「そうだ。」その平然とした口調がビルにとっては絶望の一言だった。
「え~~~~~!!!!!ヤッバ!!!なんで起こさなかった!!白!!リール!!」
「起きないほうが悪いだろう。」「その通り。」2人とも冷静に言った。
追い打ちのようにビートが
「よし!じゃあ俺らは先に言っとくぜ。早く飯食って片づけて鍵閉めてこいよ。」と言った。
「確かに。そろそろ行くか。」白が言うと、リールも立ち上がってドアのほうに向かった。ビートもそれに続いた。
「卑怯だぞ!おい!!まてよ!お~い!!!」そんなビルの言葉を無視し、ビート達は部屋を出た。
【DESU】に向かって歩き始めたのは49分だった。
ドームは3階建てになっており、ビート達は1階。
2階からしか【DESU】には入れない。
階段を上っていると白が言った。
「今思い出したがメンバー全員で行かなければならなかったんじゃないか?」
「あ・・・・」ビートが絶句した。
「俺ちょっと様子見てくる。」そういいながらビートが駆け出した。
後ろから何か聞こえたが適当に分かったと答えた。
部屋の鍵は閉まっていてビルは周辺にいなかった。
「チッ・・・・あいつどこ行ったんだ?」イライラして呟いた。
時計は54分。10:00まであと6分。
その後も思い当たる節を調べ続けたがビルの姿は無かった。
ドームの中を探し終えると58分になっていた。
やむをえず、階段に戻ると白と、リールが待っていて急いでドームに入った。
すると声が聞こえた。
「遅ぇーよ!!早くしろよ!」ビルの声だ。
そうだ。ビートはビルが忍者ということを今思い出した。




