第5夜 結束の夜
~CRYSIS NIGHT ~5話です。
今回は新キャラが続々登場です。
受験者達は怒った。
いきなり入ってきた不届きものに、ここまで死ぬ思いで潜り抜けてきた
第1次審査を行わずに不戦勝で通ってきたあげく、雑魚呼ばわりされ、
おまけに宣戦布告をしてきた。これ以上の屈辱はあるだろうか?
重い空気が部屋中に響き渡った。ビートは無論こうなることを感じていた。
それはダイルと弐剣も同じだった。
ダイルが弐剣を肘で突いた。弐剣はうなずいた後、再び受験者達の前へ出た。
「え~それでは第2審査を行う。まず4人組になって、お互いで自己紹介をしてくれ。」
受験者達同士はもちろん面識がなかった。
本当に信用していいのか?慎重にしているせいかグループを作るのに時間がかかった。
ビートは自分が1番信用されていないと悟り、その場に立ちすくんでいた。
当然誰も話かけてこなかった。しかし、1人の少年がビートの前に現れ言った。
「なぁ一緒に組まねぇか?」
突然の申し入れだった。それにも驚いたが何より驚愕したのは申し入れをしてくる人物がいたということだった。
NOという答えは見つからなかった。
「ああ。いいぜ。でもなんで俺を?」
「雑魚って言われて黙ってるのがあるか?普通?」
ビートは納得した。裏を返せば1番目立っているのは自分だと思ったのだ。――別の意味で。
その少年は肩に十字架のマークの入れ墨らしきものがあった。手裏剣だろうか?
また、顔の鼻の部分に切り傷があり、腰には短剣、服の裏には手裏剣、撒菱、煙玉、巻物、クナイなど、いかにも忍者という格好だった。
残りの2人はその少年が連れてきた。
そして自己紹介が始まった。
「じゃ、俺から行くぜ。」あの忍者の少年だ。
ビートはあらかじめ配られていた『自己紹介ノ項」を見た。ビートは思った。
(絶ッッッッッ対あの教官が作ったやつだ・・・・渋ッ!!」
無いようにはこう記されていた。
自己紹介ノ項
一、紹介ノ発表事項
名称、会得流派、武器、戦闘形態特技、力ノ証明ノ課題
弐、紹介終了後
各自二配布する『入門ノ項』を熟読。その後、最後に筆記されている『担当教師名称』とその位置まで班でいくこと。ただし、はぐれてはならない。
参、教師面会後
各自の教師に出される『課題』を突破する事。そして合格印をもらい、試験官に合格印を見せ、合格。その後、第参審査へ。
(救いようのない和風野郎だ・・・・ソードって言っても知らないンじゃねぇのかな?)
「え~っと・・・何言うんだっけ?」
少年は『自己紹介ノ項』パラパラと見た。
覚えきれなかったのか見ながら言っている。
「俺様の名前はスター☆ビル!!えっと何て読むんだ?あ!俺は忍者と、体術を習ったぜ!・・多分。え~っと次は・・武器は色々あるな・・・とりあえず刀、手裏剣、クナイってとこかな。あ!でももっとあるんだぜ!うん!たくさん!たくさんな!最後は・・あ、最後じゃねぇや・・あれぇ?」
とまぁ呆れるほどに長くなり、頭に入ったのは、
名前・スター☆ビル、忍者であり、武器は多数、特技は、暗殺と、偵察。なしてきたのはなんと、
【CRISIS】東第2管理棟を落としてきたとのことだった。聞いたことを覚えているうちに次の受験者になった。
鉄のよろいのようなものを着て、フードのようなものがついていた。
後ろには大きく、長い鎖が丸められていた。
「俺の名前はチェーン・マテリアル・リール。鎖、鎖鎌、2つとも9段だ。まぁ8段でマスターなんだがな、。言った通り、武器は主に鎖だ。接近戦の場合は鎖鎌。特技か・・まぁ、自主練で編み出した拘束術だな。課題は 【CRISIS】西第3管理棟を落としてきた。以上だ。」
どこからともなく班内で拍手が起こった。
これは分かりやすくすぐに頭に入った。だが知的な感じのせいか、すぐに忘れそうになる。
まぁだが覚えやすかった―――少なくともさっきよりは。
「次は俺だ。俺の名前は氷乱 白。清水氷景流、突破弐段。武器は剣。特技は
氷の覇気。課題は【CRISIS】北第1管理棟の墜落だ。」
水色のインナーに戦闘用の腰当、剣が脇差にしてあった。インナーには漢字で『氷蘭満華』と書いてあり、青髪。氷の名に相応しい、涼しげな印象だ。
続いてビートの番になった。
「俺の名前はR・ビート!会得したのはアルカナ・クラウンだ。武器は剣で、特技は~この右手の一撃だ。」
「おい!俺に撃ってみろよ!渾身の一撃をな!」ビルが挑戦してきた。
無論ビートが乗らない手はなかった。
「よし行くぜ!」
恭弥との戦闘で左手は使えず、体中包帯まみれだ。だが決してこの右腕だけには傷を負いたくなかったのだ。あの紛れもない恭弥を倒した右手には。
「こいよ!」ビルが言った。
ビートはビルの出していた両手のちょうど真ん中に思いきり一撃を浴びせた。
と、思ったのだったがビートは右手を抑え、座り込んでいた。
「グッ・・・・なんだ?」
「どうした?ビビッて殴れねぇのか??ハハハハハ!」
「ま、いいや。お前に見せるまでもねぇょ・・・」
「ちぇ、つまんねぇの。」
こういった感じで自己紹介は終わった。するとリールが言った。
「おい。これが届いたぞ。」
そういうと本のようなものを白、ビル、ビートに投げた。
キャッチしてみてみると、それは『入門ノ項』だった。
入隊時の必要物、料金、行事、修行内容、などが書いてあった。
見ているとビルが
「学校の入学みてぇだな。」と言っていた。
確かに。とビートも納得した。
「これ入隊時の事しか書いてないけど、なんでもうこんなに入隊時のことを?第3試験だってあるのに。それにここで落ちる奴だっているはずだぜ?」ビートが疑問に思った。
すると白が言った。
「重役の奴らは多分俺らが全員合格するということを前提にこうしたんじゃないか?」
「この2次審査が?」
「ああ、多分な。」リールが話に入ってきた。
「なんでだ?」
「ああ、お前は知らなかったな。実は俺らが受けた第1審査。ものすごく厳しかったんだ。今の受験者はお前をいれて40人いるんだが第1次審査の時は5000人だったんだ。」白が言った。
「そこから一気に40人まで!?あ、39人だったな。またどうして?」
「最低でも10人は採用すると言っていた。ここで人数を絞ったところで第3審査で実力を見たほうがはっきりするだろう。」リールが言った。
「なるほど・・・じゃあ重役も第1審査で4660人も落とすのは想定外だったってことか。」
「多分な。もっと俺らに期待を寄せていたからこその判断だったんだろう。」白が言った。
「さて、もうそろそろ行こうぜ・・暇になってきたよ。」ビルが口を挟んだ。
「待てよ。まだほかの班だっているし・・」ビートの言葉を白が遮った。
「いや、その通りだ。思惑が分かった今、俺たちでこの真相を突き止めよう。そのためには絶対にこの4人は試験に合格する必要がある。もっとも、今の話で合格することは決まったようなものだがな。」
「その通りだな。」「確かに・・」「じゃ、早く行こうぜ!」3人とも納得した。
「じゃ、行くか。場所は・・・修行室Ⅲだ。いくぞ。」
「ああ。」初めて声がそろった瞬間だった。
修行室Ⅲに向かう途中、白がつぶやいた。
「俺の予想では、教師では無く、元帥との試験だろうな。」
その瞬間、ビートは身震いした。
無論ダイルなのだといいのだが恭弥だったらどうするか?
『これから実戦訓練をするぜ!いいか!』
というのが思い浮かんだ。
恭弥意外でありますように・・
何度も何度も心の中で念じ続けた。
修行室Ⅲの前に着いた。
ドアはビルが開けた。
「やぁ・・・待ってたよ。」君たちが受験者かい?
その声はあの人物の声だった。
~CRYSIS NIGHT ~今回はいかがでしたか?
次週はいよいよ元帥(?)との試験です。
次回もお楽しみに!




