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~CRISIS NIGHT ~   作者: 神風
Ⅳ章 敗者復活戦~第4試験死闘編
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 第19夜 覚醒の夜

「俺が【DARK】試験に?」



「ああ。お前はこの村で1番の可能性を持ってる。それ以上にお前は南の洞窟に封印されていた太古の白い獣と歌われたあの焼地丸やきちまるを倒したじゃないか。もうわしらよりずっと上を行っている。」村長はその言葉に確信を持っていた。



「あいつねぇ・・・でも倒したっていうかほとんど苦戦してたし・・・」



「この村に何か未練でもあるのか?ビルよ?」



「・・・」彼は『未練』という言葉より『友』から離れることが怖かったのだ。



「爺さん・・知ってんだろ・・・・俺がどれだけここまで来るのにどれだけ色んなもんを犠牲にしてきたか、その度に俺がどんだけ『ダチ』ってのに助けられてきたのか、あんたが一番知ってるはずだろ。正直おれはさ、強くなるよりもここでずっと『ダチ』と競い合っていてえんだよ。そうして強くなっていきてぇ。そうすれば俺も強くなれるしダチだって・・・」



「そんな覚悟で【CRYSIS】に太刀打ちできるわけがなかろう!!」村長は怒鳴った。



「別にもうあんな奴らどうでもいいんだよ!俺の父さんと母さんと弟のことならもういいんだよ!もう・・・充分なんだよ・・・」その言葉に熱がこもっていることは彼の涙が語っていた。



「なにがよいんじゃ。あの三人の死は、お前にとって最も辛かったことのはずじゃ。それをなぜ、なぜお前は奴らを憎み、敵を討とうとせんのじゃ。」村長の言葉に彼は眼を背けた。



「そのことを忘れるために俺はダチを作った。そして遊んで、戦って、そん中で、勉強嫌いだった俺が初めて友情ってことを『学んだ』んだよ!だからよぉ、もうこれ以上大切な人と離れたくねぇんだよ・・・もう俺の家族だって仇討ちなんか望んでねぇ!」



「もし本当に主が【DARK】に行かぬというのなら主の共に鎌をかけるしかなかろう。」その眼はビルの背を捉えていた。


だが次の瞬間、木でできた壁に村長は叩きつけられていた。頬からは血が流れ、村長は床に崩れ落ちた。



「わしに手を出すとはな・・・主も反抗するようになったものよ、哀れ・・・」剣を抜き向かって行った。ビルはいとも簡単に回り込んで手を抑えた。



「俺とやるってのか?クソ爺。」その眼は焼地丸やきちまると戦った時と同じ目だった。



「若造が調子に乗る出ないわ!!!」空いている左腕で腹に殴りを入れた。


吐血するビルには目もくれずに剣で一閃。片に突き刺さった剣を抜き、さらに少し腰を落として腹部を斬り裂く。血が顔にかかる。剣を地面に投げつけ、右手で全力で顔を殴りつけた。ビルは吹き飛び、床に倒れた。



「ビルよ。わしも痛いんじゃ・・・手を抜いたことぐらい何も言わずともわかる。ビル、頼む。【DARK】試験に行ってくれ。」



ビルは立ち上がり、村の武道館を後にした。だが武道館の戸をあける寸前、ビルは微かにこう言った。



「あんたと離れるのも辛れぇんだよぉ・・・」扉の開く音がし、やがて閉まった。



村長はその場に座り込み、呟いた。



「頼んだぞ我が孫よ。息子と、我がもう一人の孫の仇を・・」目から雫が一滴、床に滴り落ちた。























壮絶な肉弾戦の中で必要なものは友から得た。本気ではなかったものの確かな修行は積んできている。その証拠に格闘家と渡り合えているではないか。拳をかわし、蹴りを避け、いわゆる『かめはめ波』のようなものも着実によけている。そんな戦いを繰り返しているうちに過去をふと想うのは今まさに【DARK】に入ろうとしているからなのか。否、まだ試験だ。しかもこの後にも戦いが待っている。



「やるじゃねぇか・・はぁ・・・・たかがしのびがここまでやるなんてな・・・正直驚いたぜ・・・・・」



「てめぇも・・・はぁ・・はぁ・・なんで最初の時点で落ちたのかが不思議だぜ・・・勝負を見ときゃあよかったな・・・はぁ・・・・ガハッ!!!」ビルは吐血した。もう右腕の感覚がない。常に垂れ下がっている。



だがそれでも格闘家は向かってくる。ビルはパンチをジャンプして避け、顔を蹴った。格闘家は後ろにのけ反った。腹に剣で斬りを入れた。だが格闘家は剣をつかみ取り上げた。それをコロシアムの端に投げつけ、またも殴りかかってくる。今度は回避できず、パンチが腹部に決まった。床に叩きつけられ、視界が霞む。だが、ポケットから閃光玉を取出し、格闘家に投げつけた。まばゆい一瞬の光の中でビルは何とか剣を取りに走った。剣を掴んで辛うじて立ちあがった。



「はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・てめぇ・・閃光玉だと・・・?がぁ・・!目が・・・」格闘家が悶絶しているところにゆっくりとビルは歩いて行った。



ついにビルが格闘家の前について剣を天高く振りかざした。



「どこだぁ!!・・どこに居やがる!!くそぉぉぉぉ!!!!」格闘家はまだ目が戻らない。



「これで俺の勝ちだ!!!」ビルは剣を力の限り剣を振り下ろした。



               ズギュン!!!!!!!



大きな銃声とともにビルは倒れた。弾丸は見事にビルの右のアキレス腱を打ち抜いた。紛れもない。あの時の銃士だ。



「へッ・・・誰がカッコよく終わらせるかよ・・・GIVE,ME,LIFE!!!!」そういって彼は完璧に目を閉じた。



「あ・・・ぐ・・・・・ぐあああああああ!!!!!」激しい痛みがビルを襲った。苦痛の叫びをあげ右のかかとを抑える。だが流血は止まらない。しかもその背後からは格闘家が腕を鳴らしていた。



「あの銃士よくやってくれたな・・・さぁ・・・お前の終わりだ!!!」拳は躊躇なく振り下ろされた。



だが、ビルは想い出した。負けられないことを。何のために『ダチ』と別れてきたのだ。何のために唯一の家族である祖父と別れてきたのか。何のために、何のために・・・魂が籠った。我が祖父から受け継いだ忍者の青龍偃月刀せいりゅうえんげつとうに。



「『刻印 解放』!!!!!!」

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